劇場公開日 2019年11月15日

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「500年続く抑圧」ベル・カント とらわれのアリア ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0500年続く抑圧

2019年11月16日
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テロは良くないと言うが、大航海時代から続く植民地支配の抑圧が、今も続いて変わらなかったらどうだろうか。

香港の民主化デモに対しても、したり顔で暴力ではなく話し合いでみたいに言うコメンテーターをテレビで見ると、ほとんど武器も^持たず抵抗している彼等の将来に希望はあるのかと悲しくもなる。
今朝、橋本前大阪市長がテレビで、優秀な香港の若者は是非、台湾や日本に来てもらってみたいなことを言っていたが、民主化の為に戦ってる彼等にはKYだろう。

南米では格差が固定化してしまって、打開に暴力しか手段はないと考える人も一定以上いるのは間違いない。
だが、映画で語られるように、サッカーに興じたり、オペラや外国語を習ったり、彼等も人懐っこい、普通の人間であることを考えると、政府側には話し合う姿勢がもっとあって良いのではないかと強く思う。
拘束された政治犯も罪を過剰に問われている可能性だってあるはずだ。

テロには、こうした手段しかないのだと主張する人もいるだろう。
でも、武器を捨て抵抗の意思を放棄した人まで殺害してるとしたら、やってることは大差ないようにさえ思える。

実は、20年近く前の映画のモチーフなった事件の詳細を僕達は知らないじゃないか。
この20年で、世界の経済は成長し、発展途上国のなかにも豊かになった国も多くある。
しかし、最低限の生活さえ遅れず、政治に自らの意見を表明できないのであれば、それは真の豊かさとは程遠い。
僕達は考え続けなくてはならない。

ワンコ
kossyさんのコメント
2019年11月27日

ワンコさん、毎度です。
この映画、不人気ですね・・・
香港のデモなんかを考えるのも面倒くさくなってる人には、この映画なんて見向きもしないんでしょうね。
かつては南米が舞台となれば、アメリカが政府を支援してテロを徹底的に叩くという、爽快感だけを求めた映画ばかりでしたが、このような展開はかなり斬新でした。なんだかジュリアン・ムーアの起用だけ失敗だった気もしますが・・・

kossy