「皮肉を込めた実録クライムドラマ」エンテベ空港の7日間 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
皮肉を込めた実録クライムドラマ
過去に何度か映画化されたエンテベ空港ハイジャック事件だが、本作はハイジャック犯(テロリスト)側に主軸を置いた作りにしている点がポイント。
中でも、冷徹さと脆さが同居した主犯格の女性を演じたロザムンド・パイクがイイ。特に終盤での電話シーンは圧巻。
もう一人の主犯格でナチを嫌悪するドイツ人男性を演じるのが、過去に何度もナチス将校を演じてきたダニエル・ブリュールというのも面白い。
オープニングとクライマックスで挿入される舞踊団のダンス。
初見ではどういう意図か分からなかったが、ジョゼ・パジーリャによると第二次世界大戦前後のパレスチナへのユダヤ人の流入を意味した踊りで、いまだ和平交渉が行われていないイスラエルとパレスチナへの皮肉を込めたとか。
リメイク版『ロボコップ』でもアメリカを皮肉っていたパジーリャは、クセモノ中のクセモノ監督だ。
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