「読書会も魅力的だけど、映画サークルがいいなぁ・・・」ガーンジー島の読書会の秘密 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
読書会も魅力的だけど、映画サークルがいいなぁ・・・
こんなに泣ける作品だとは思わなかった。単純に反ナチ映画かと思っていたら、恋愛パートや消えたエリザベスのミステリアスな部分など、見どころがいっぱい。ナチスだからと言って、全てが悪い人じゃないといったところも・・・
欧州連合にも加盟していない自治権を持った島。人口6万人というから、映画で見たイメージよりも大きい島なのかも。フランスの方が近い独特な島もナチスに占領されるという不幸に見舞われ、集会禁止令も出される中、仲の良いグループがたまたまナチスに見つかり、思いついたかのように読書会の帰り道だとごまかした。その名も「ガーンジー読書会とイモの皮パイ愛好会」。
古本の中にあったジュリエット・アシュトンの名前と住所が書かれていた詩集によって、島の読書会と彼女の文通が始まり、やがて彼らに会いたいと願ったジュリエットが戦後島を訪れるという物語。読書会のことを記事にするなと言われたり、島の人々の人間関係を調べたりするうちに、読書会の創設者の一人エリザベスがいないことに気づくジュリエットであった・・・
エリザベスの娘キット、彼女についての噂、憶測よりも自分で調べるという好奇心により徐々に真相が明らかになっていき、誰もが戦争による被害者であることがわかっていく。ジュリエット自身も両親を空爆で亡くし、ロンドンではトラウマにも悩まされているのです。
恋愛パートではなんとなく予想もつく流れになっていましたけど、やっぱり血の繋がらない子どもを育てているドーシーがいい。個人的には「嵐が丘」を夢見るアイソラもいいと思うのですが、人それぞれ・・・。作家としてアン・ブロンテについても書いているジュリエットだったし、イギリス文学の色んなうんちくが詰まっている作品でもありました。『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観てきたばかりだったので、所々どことなく被ってしまいました。