「それぞれの世界の涯て」世界の涯ての鼓動 chibirockさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの世界の涯て
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あまりにも対照的な風景の中で、お互いを想いつづけるしかない2人。
インターネットが世界中に普及し、違う大陸にいようと当たり前のように会話ができてしまう今の時代だからこそ余計に、不安感が増すのかもしれない。
一昔前は、一度離れてしまった相手の安否を知る手立ては限られていたのだから、まだ人々にも多少の覚悟、耐性はあったのでしょう。
砂塵舞い上がる戦地ソマリア、押し潰されそうな漆黒の闇と無音の海底、それぞれいわゆる映画の舞台としてうってつけな極限状態を、さすがヴィム・ヴェンダース、静謐なトーンでまとめている。海岸、海底、人間、テーマの一つである水が、もしかしたら観る側の心を鎮めているのかな。
2人はそれぞれ本当に死ぬ間際まで追い詰められながらも、ひとすじの希望を見出したところで映画が終わる。実際に再会できたか?は神のみぞ知る、だけれども、心穏やかに映画館をあとにできました。
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