「ヴィム・ベンダースを堪能」世界の涯ての鼓動 むっしゅさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィム・ベンダースを堪能
「パリ、テキサス」や「ベルリン・天使の詩」が好きな私としてはヴィム・ベンダース監督作品と言うことで期待。なんか懐かしい名前。
ミニシアター系の臭いがぷんぷん立ちこめるこの作品。とっても好きです。人によってはめっちゃ飽きるだろうな~なんて考えながら、私にとっては素晴らしい時間を過ごせた作品。
原題は「Submergence」で 深く潜る 的な意味合いがある。このままでは伝わらない。ということで付けたのだろう邦題がとっても素敵。珍しく良い邦題を付けたなぁと感心。
フランスの海辺のホテルで出会ったふたりの男女の愛の物語。濃密な時間から一転グリーンランドと南ソマリアという地球の対極へ。それも男は地の果て女は海の底という物理的な対極である。
女は宇宙の果ての生物と海底の果ての生物の結びつきを求め、男は宗教という精神的な対極で壮絶な体験をする。
世界の果て、「生」と「死」の狭間で生きる事への鼓動を感じる。愛という鼓動を求める。
ラストのその後、どうなったのか、それは見た者だけが感じ取れる特権。まさにヴィム・ベンダース的完結。素晴らしい。
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