「ジョン・ウー好きならイケる」The Crossing ザ・クロッシング Part II つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョン・ウー好きならイケる
前半の半分くらいまでpart1の戦場シーンなし焼き直しバージョンのようで、登場人物たちの交わりなど追加されている要素があるにはあるが、こんなことなら三時間の映画一本で良かったのではないかと考えてしまった。
後半はジョン・ウー版タイタニック。
過剰にダイナミックで、笑えるほどロマンチック。いつものアクション映画のノリで事故もロマンスも描いちゃう、正にジョン・ウー節。
ちょっとやり過ぎでは?と感じるくらいが丁度いいジョン・ウー節。
余り関わりのなかった6人の男女が、まあまあほどほどに関わりながら、それぞれのエンディングを向かえる。
part2冒頭に船の沈没と生存者の数が示されるが、事故から生還できるかどうかは「命」が「運」で決まる。
時代に翻弄され、自分で何かを選び取ることがほとんど出来なかった人々は、「命」が「運」で決まる「運命」の中を漂う無力な浮き草のようで、クライマックスの沈没シーンがそれを上手く凝縮していると思った。
それなりに面白く観たのだけれど、変に面白かったせいでpart1は何だったんだ?という気がどうしてもおこる。最初に書いたけれど、このpart2に戦場シーンを加えて長めにすれば一本の作品でよかったよね。
結局どちらも、そこそこ楽しんでしまったわけだから製作サイドがうまいことやったと誉めてもいい。のか?
最後に、中国共産党が悪者扱いのような印象を受けたけれど、自分の思い違いだろうか。
それとも、俺たち香港人だから中国本土とは関係ねーし、という製作サイドの香港人魂が炸裂したのだろうか。
ジョン・ウー監督の歴史大作なのに扱いが小さいのは、何かどっかにおもねった感じなのか?ここのレビュー数も少ないよね。
そんな、本編とは関係ないところが一番気になってしまった。