がんと生きる　言葉の処方箋のレビュー・感想・評価

ガン哲学外来をテーマにしたドキュメント。 ガン患者、ガンサバイバーの方、ガン患者の家族が集い、その思いを共有できる場は参加させてもらって初めて知った。自分はガンでもその家族でもないが、聞かせてもらうことで、自分自身の生きるヒントにもなっている。 参加させてもらっているがん哲学外来の主催者の方がちらっと出ていたのでさらに親近感持って拝見した。 ただただ話を聞いてもらえる場って大事なんだと思う。

病気である自分自身としっかり向き合い、でも、それだけではなく、自分にしか出来ないことを見つけ、使命感を感じて、人生を楽しんでるなというのがとても感じられました。 自分のことを言葉にして話し、伝え、それによって、他の人の心を和らげて、言葉ってこういうことだな、言葉の持つ力にすごく共感を得ました。 私も、もっともっと、人と話していきたい！って強く思いました。

人をdisったり上から目線でマウントしたり、まるで言葉の使い方を忘れてしまった様な今の日本に、作品に出てくる方の優しい言葉が胸に刺さりました。それはガン患者の方だけではなく、他の病気を患ってる人、障害を持っている人、差別をされている人、幸せを感じられない人、全ての日本人へ向けられている言葉だと思います。今まで治療と言えば身体へのものがメインでしたが、作品中のガン患者の方の和らいだ表情を観るとこれからは心への治療も求められる時代になると思いましたし、私の知らなかった事を知れてとてもためになりました。ガンになった時にはガン哲学カフェに参加したいと思いました。

がん哲学外来という考え方に共鳴し、各地でメディカルカフェを開いている患者と家族の姿を追ったドキュメンタリーでした。 「がん患者」と聞いて、深刻な病気の悩みが語られるかと思っていましたが、死を意識したところで「生きることの意味」を真剣に考え、今を生きている人の姿が印象的でした。 病気で悩んでいる人だけでなく、何のために生きているか悩む人には心に刺さるメッセージがあると思います。