「意外な佳品。」夏、至るころ comeyさんの映画レビュー(感想・評価)
意外な佳品。
美人タレントが監督したというだけで日本の映画界は見向きもしなかったようだけど、ニューヨークではきちんと評価されていた。そう、意外に撮影が上手なんだよね。映画史的文脈をしっかり押さえているし、もちろん初監督なんだから破綻がないわけじゃないけど、照明も編集も画角もコントロールして丁寧に撮れている。
そしてここがポイントだけど、それらが物語の内容にしっかりつながっている。単に技術教本的に上手いというだけではない。池田エライザって実は映画をかなり勉強していることがよく分かるね。
脚本は、まあ気恥ずかしいくらいベタなんだが、それはこの監督のスタイル。ベテラン面した老害監督のしょうもない作品よりも、ずーっっと日本映画の未来を感じさせる映画。日本の批評家は、こういう作品をきちんと評価して自分たちで国外へ発信できるようにならないとダメです。
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