劇場公開日 2019年7月19日

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「心理戦だけでここまでの映画になる」工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0心理戦だけでここまでの映画になる

2019年7月30日
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鑑賞方法:映画館

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非常にスリリング。とひとことで言ってしまうのもどうかと思うのだが...。
南北朝鮮という、かつてはひとつの国だったのが分断されたという事情。同じ言葉を話しても全く異なる思想。しかし裏側ではこんなにも緊張感溢れるやり取りがあったのか、という。
派手なアクションは全くない分、演者の見せる機微というか、探り合うやり取りがとんでもなくスリリング。そしてそこに絡む大統領選。選挙の結果は知っているとはいえものすごくハラハラする。
そしてラブもアクションもない分、渋く効いてくる友情。ラストシーンはちょいやり過ぎではとも思うが、単純な私はすぐ目が潤んでしまうのである...。
それにしても、内政の極致たる大統領選の裏でここまでの駆け引きが行われるとは...。「将軍様」に謁見するときとか、意見するときの緊張感が画面越しにリアルに伝わってきた...。
ファン・ジョンミンさん、メガネをかけると松重豊さんに見え、外すとなぜかジョン・チョーさんに見えてしまい混乱しましたが、そう見えるってことは別の言葉で言えばものすごく二面性が見えてよかった。演者さんは皆凄かった。ほぼ会話の心理戦なのに飽きさせない。そして「将軍様」似てたねえ...ちょっとお腹出すぎかなって気もするけどね...。

andhyphen