工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男のレビュー・感想・評価
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政治や軍事のネタの劇映画化は、悔しいけど韓国のほうが上手
韓国諜報部から工作員が北に送り込まれた実話に基づいて作られた、(派手なアクションやロマンスではなく)心理サスペンスに重点を置いた渋めのスパイ映画だ。日本でも最近は「空母いぶき」や「新聞記者」など社会派の意欲作が出てきたが、作品の出来や面白さを客観的に比べると、やはり韓国のほうが一枚も二枚も上手だ。もっとも、邦画界はこれまで現実の政治や軍事にリンクするような難しい題材を避けがちだったので、伸びしろはあると期待しているが。 黒金星=パク役のファン・ジョンミンが、角度や照明によって松重豊にも木下ほうかにも見えて、似具合が気になってしまった。パクとリ所長、敵同士ではあっても互いの優秀さを認め合い密かに絆を育んでいく展開は、ありがちとはいえ両国の切望が反映されているのだろう。
少し古い作品ではあるが良い作品
今年379本目(合計1,471本目/今月(2024年10月度)30本目)。 ※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。 シネマートさんのいわゆるさよなら上映の一環で行ってきました。 この映画の作成年からすると、いわゆる「韓国映画」のカテゴリが明確に定まっていた時期ではあった(コロナ事情になる1年前に過ぎない)ものの、若干古い1990年代を扱い、一応は「フィクションです」とは出ますが、作内で述べられている事実は個々フィクションであったり、実際にわからないとされる部分を想像で補ったりする必要はあるものの事実であり、現在でも水面下では争いがあるものの、当時はこのように堂々とスパイ活動が行われていたわけであり、そうした部分、特に「フィクションです」という断りはあっても大筋において史実を扱っている、ある種特殊な性質を持つ映画(「タクシー運転手~」等も同じといえば同じだが、韓国国内のことだけではないという点が異なる)が公開されたのはある意味すごいことなのでは…と思えます。 今から5年ほど前の作品ではありますが、今(2023~2024年)において韓国映画というものはだいたい持ち備えていることと、ストーリーが明確で追いやすいということもあるのでおススメ(といっても、シネマートのさよなら上映でやっていただけで、他の映画館ではやっていない?VODでは見られることは確認済み)です。 採点上特に気になる点までないのでフルスコアです。 まぁしいていえば「1995年ごろの韓国、北朝鮮、日本を巡る情勢は…」という、朝鮮半島を中心に描くシーンで、日本海が east sea (東海)となっていた点は確認しましたが(アマプラならVODが無料で見られ、この部分はやはり確認できる)、「韓国作品であれば」、仮に2023~2024年であってもそう表記するでしょうし(事実、今週の新作の「パミョ」でも「東海」の表現は出てくる)、その呼称問題がどうこうという趣旨の映画ではないので考慮しています。
リアリティがしっかりと感じられるスパイ映画で、面白かった
ユン・ジョンビン 脚本・監督による2018年製作(137分/G)の韓国映画
原題または英題:The Spy Gone North、配給:ツイン、劇場公開日:2019年7月19日。
実話に基づく映画(工作員「黒金星」は朴采書パク・チェソ)ということであるらしい。
南北の対立を背景に、南側で金正日面会まで漕ぎ着けたスパイを主人公として、とても面白かった。その中で、南側の保革対立の中で、保守派が裏で北と手を結んで大統領選を戦う描写も描かれていて、リアリティを感じてしまった。
主役パク・ソギュンを演じたファン・ジョンミンの演技、商売熱心な商人を上手く装ってる優秀なスパイを演じて見事、凄いなと思わされた。ギリギリの商売交渉の中で生まれた北朝鮮の外貨獲得責任者リ・ミョンウン(イ・ソンミン: 祖国の惨状に心を痛めている)との同志的な信頼関係も、かなり心を打った。イ・ソンミンの抑えた演技も、とても気に入った。
俳優たちの演技も、物語のつくり、及び演出もレベルが高く、韓国映画の質の高さに感心させられ、羨ましくも感じた。
監督ユン・ジョンビン、脚本:クォン・ソンヒ、ユン・ジョンビン、音楽:チョ・ヨンウク、美術:パク・イルヒョン、衣装:チェ・ギョンファ、ヘアメイク:キム・ヒョンジョン、撮影:チェ・チャンミン、照明:ユ・ソンムン、編集:キム・サンボム、キム・ジェボム、武術:ホ・ミョンヘン、チェ・ボンノク、製作会社:サナイピクチャーズ、映画社月光、配給:CJエンタテインメント。
出演
パク・ソギョンファン・ジョンミン、リ・ミョンウンイ・ソンミン、チェ・ハクソンチョ・ジヌン、チョン・ムテクチュ・ジフン、金正日キ・ジュボン。
いやあ、面白かった!流石ファン・ジョンミンさん!ハズレがない!
2人の友情がよかったなあ。前半は2人とも各々の祖国の為に丁々発止の水面下の争いを続けていて息も出来ないくらいだった。凄く緊迫感があり恐かった。お互いが真の顔を見せず表面的にはにこやかに柔らかく振る舞いながら、実は相手を全く信用しておらず探っているのが恐ろしかった。 しかし後半は、お互いが相手の立場を理解するようになる。お互いに祖国の為にやっているだけで悪い人な訳ではないことを。自国を思っているだけなのだ。 お互いが祖国の為にやっていたのは実は同じ目的だった。 どちらもが望んでいることとは、それは祖国が戦争に突入をするのを避けたいということだった。 この辺りが軍部に所属し好戦的なチョン将軍(チュ・ジフン)とは決定的に違う。チョン将軍は祖国を守るため武力で戦う人。 リ高官とチョン将軍は同じ北朝鮮の人間でありながら、そしてどちらも祖国を守りたいのだがそのスタンスは真逆なのだ。 一方ソギュンとリ高官は敵国の人間でありながら目指すところは一緒。戦争を避けたい。戦争を避ける事で自国を守りたい。 この2人が相手の人間性を信じるところが最高によかった。きっとこの人なら戦争を回避するため協力してくれる。この人は信念に基づき行動する人だ。祖国の戦争を回避するためなら例え命の危険があってもやり遂げてくれるだろう。きっとそうしてくれる筈だという信頼。この2人の友情が素晴らしかった。この2人の信頼が祖国を救ったのだ。いい映画だった。
ロレックスとタイピン‼️
リ所長、無事でよかったー‼️北朝鮮の核開発を探るため、南のスパイを事業者に仕立て、北の上層部に接触させる南北のスパイ戦という、「シヴィル・ウォー」を地で行くストーリーも見応えがあって、南の大統領戦を巧みにストーリーに絡め、自分たちに都合のいい候補を当選させるため、簡単に仲間のスパイを裏切り、犠牲にしようとする南の上層部の腹黒さも恐ろしいし、北の国内内部事情、特に国民の生活水準の低さも悲惨‼️ただこの作品の一番の見どころは主人公の南のスパイ、パク・ソギョンと、北の交渉役リ・ミョンウン所長の男の友情‼️パクの素性が判明した後も身分証を工面し、パクの国境越えを手伝うリ所長‼️そして北の軍部に連行されるリ所長‼️そして10年後の北と南の共同でのCM制作‼️再会したパクとリ所長の表情に涙‼️そして互いへの贈り物であるロレックスとタイピンを見せ合うシーンにも涙‼️涙‼️ホントにリ所長、無事で良かったー‼️
❇️ロレックス⌚️を見て泣いた!😢 ★彡金正日の犬がかわいい😍🐩
工作 黒金星と呼ばれた男 1992〜1997年🇰🇷韓国 🇰🇵北朝鮮 実話映画 北朝鮮に核開発を巡り、工作員として中国から北に潜入を命じられる。上司の命令、国意向に振り回される主人公(ファンジョンビンさん) 緊迫した潜入活動と北との交流戦いを描く。 実話を基に映画化。 ❇️ロレックス⌚️を見て泣いた!😢 ★彡金正日の犬がかわいい😍🐩 ◉72D点。 ★彡北朝鮮の内部に入った感覚を味わえました。ここまでの映画はあまり観たことないので新鮮でした。🌀兄貴今回もかっこよかったっす🤭 🟢感想。 1️⃣北朝鮮の市民の生活を目の当たりに。 ★彡きっとインタビューなどで聞いた状況を映像化したのでしょうが本当にあかんわ。 2️⃣病気を持ち込まない様に、VIPと会う時は血液検査や自白剤など打たれる徹底ぶり。 ★彡コリャ生きた心地はせーへんな。 3️⃣実話スパイ映画はいつだって切ない感。 ★彡結局上司などに裏切られて捨てられるイメージが強い。しらんけど。 4️⃣金正日さんがリアルに見えてくる。 ★彡正日さんやその部屋を眺めるだけでも見る価値あります‼️ 😕😠😨🫢🫡🤐🗣️💼🧳🥃🎳💶💶🚬💉㊙️☢️🐩
なかなか複雑でサスペンスフル
スリリングで非常に面白いサスペンスだった。スパイとして何らかの作戦行動をするというよりは、ほとんどの時間で信用を得ようとすることしかしていないのも面白い。
注目すべきはやはりリ所長だろう。
彼は北の人間で自国が不利になるようなことは望んでいないが、北の国民に南の資本主義に触れさせることで意識改革をしたいと願う人物だ。
自国に対して小さな革命を起こしたいが裏切り者でもない。リ所長にとって主人公は正に求めている人物だといえる。
リ所長は主人公に対してスパイの疑いをもって接するのだが、物語の中では主人公視点で描かれるため、正体がバレるのではというハラハラ感を生む。
しかしリ所長の想いが明らかになったあと思い返してみると、彼は常に主人公がスパイではない証拠を探しているだけだったのだ。頼むからただのビジネスマンであってくれと願う。
その強すぎる想いは次第に主人公に対してゆるいジャッジへと変わっていく。状況的にどんなに怪しくとも決定的な言動、行動がなければ白と判断しようとする。
しかしリ所長のしようとしていることは悪魔の証明だ。スパイである証拠はたった一つでいいが、スパイではない証拠は見つかるはずはない。そんなものは本当にスパイではなかったとしても存在しないのだから。
主人公とリ所長はそれぞれ悪魔の証明に翻弄されながら違う状況で追い込まれていくこととなる。
政治を絡めた攻防で、彼らの状況は複雑化していく。南の選挙結果を知っているから余計に面白い。
つまり、主人公、リ所長共に、ある意味で失敗すると分かっているからだ。
彼らはどのように失敗してしまうのか、失敗したあとどうなるのか、先の見えない展開が面白い。
作戦が失敗してしまう敗北エンド。しかし一筋の達成感がある終わり方もまたいい。
所属する国、組織にとらわれず個人としてでも想いを一つにできたように感じられる。
浩然之気
実業家に扮し、北朝鮮に潜入する韓国の工作員パク・ソギョンをファン・ジョンミンが演じる。
北朝鮮の重要人物との接触を重ねる緊迫したシーンがリアルに再現されていた。
立場を超えて互いに敬意を払うシーンが見事。見応えがありました。
ー北風が吹く
自宅での鑑賞 (字幕版)
祖国を思う南北の2人の友情物語
北朝鮮の核の情報を探るために送り込まれた韓国の工作員。
ただ、物語はだんだんと核以外を中心として回り始める。
「国」という主体は、誰が作り上げているんだろう。
絶対に相容れないと思い込まされていても、その裏で繋がっていることは多々あるだろう。
むしろ「敵同士でいる」という合意さえありえる。
「国」という枠を取り払い、人と人として会えば、ほとんどの戦いは避けられる気がする。
でも、「国」というシステムがなければ回らないものもある。
そして、気になったこと。
最初のほうで映る写真からして、パク・ソギョンには家族がいたはず。
家族のもとに戻れただろうか。
あの頃の北京と緊迫感と
手に汗握る緊迫感あふれるストーリー。 抑えに抑えた南北の二人の演技が素晴らしい。 どことなく暗ぼったいあの頃の北京のホテルやレストランや町並みの描写もリアル。 一気に没入してしまった。 ほんとにあんなところに当時の自分も泊まってました。 調度品もあんな感じだったな。 ラストシーンは思わず胸が熱くなりこみあげるものがある。
面白い
北に潜入する工作員の話だけど、 熱い男の友情の話にもなっていて胸が熱くなりました。 いつバレるか分からない緊迫感と、 誰を信じて良いのかも分からない、工作員になれと命じられたけどほぼ一人で核兵器の有無を探る緊張感が ずっと続いて見ているこちらも手に汗握る二時間でした。 しかし北朝鮮による武力行使やミサイルの発射など、 なんのためにやってるのか、やみくもにやってる だけじゃないのか?と思ってたら 全部そりゃ金もかかってるわけで意図があり、 しかも映画では大統領選に絡み韓国の支持でもあった となかなか恐ろしいことを坦々とやってて、 映画館的には面白いけど、怖っと思いました。 日本で自国の闇をここまで掘ってくれる映画は 誕生する日は来るのでしょうか? 政治の世界だけにとどまらず、 北と南別れているけど祖国統一を夢見た男たちの 熱い友情で締めくくられてとても良い映画でした。
戦争状態をでっち上げる「真実」のはなし
選挙のために戦争状態をでっち上げる、とんでもない話しですが、なんと!事実に基づいたストーリーとの事。 そして南北間に芽生えた友情の物語でもあります。 韓国映画は面白いよ。
やはり韓国映画は凄い
敵国同士の権力者達は実は裏で繋がっていて、権力を維持する為にお互いを必要とするwinwinの関係なのではないか。世界で何かが起こる度に私はこんなことを思ったのですが、これは私の妄想ではなく本当にあり得る話なのかも?と本作を鑑賞して思いました。数年前に騒がれた北朝鮮のテポドンの発射も、安倍政権下の官房機密費を使って金正恩に依頼してたりして。政権の支持率が上がってテポドン様様ですね。
世界でも米ソ対立がなくなったと思ったら、悪の枢軸やテロリストが出てきたし、敵がいないと国家が成立しないようです。
朝鮮の歴史は日本とは全く異なるからかもしれませんが、民主派と保守派の対立が激しいですね。金大中が当選できないように保守が北朝鮮にお願いしてるのって、反共といいながらも、むしろ北朝鮮と仲良しです。
それにしても、こんなに闇深い話を映画にして賞が取れる韓国映画界と韓国国民のレベルの高さに改めて敬服してしまいました。
そして、二つの国に翻弄されながらも、人間を最後まで信じ抜いたパク・ソギョンとリ所長。彼らは何の為に誰の為にここまで命や尊厳を捨てなくてはいけないのか。私が戦争映画を鑑賞する度にいつも感じる不条理を本作でも感じました。
しかし、本作で最も素晴らしかったところはラストにありました。パク・ソギョンとリ所長は想像もできないほどの葛藤と恐怖を抱えながら、それを勇気と希望に変えました。人間が人間を助けなくてどうするんだ。仮にこんな野蛮な人類にも価値があるとするならば、こういう部分なのだと思います。
難しかったけど
超まともにわかろうとしたので、何度も戻して観なきゃならなかった。でも終わってみれば、細部はあまりわからなくても良い作品だった。 実在した国家指導者も出てくるし、問題にならないのかと不思議。 金正日の登場シーンが、リアリティがあって良かった。
緊迫感あり、余韻あり、いい映画だった
北朝鮮への潜入を韓国政府から命じられて工作員となったパク・ソギョン。コードネームは黒金星(ブラック・ヴィーナス)。実在した人物で、実話に基づいた映画で、1990年代の朝鮮半島が舞台。
潜入といっても、北の権力層との接触にこぎつけるまでが、そらまあ大変で・・・。なんせ、北朝鮮ですから。盗聴、尾行、自白剤など、スパイの世界では日常茶飯事。ずっと、はらはらドキドキ。手に汗握りながら、見ました。政治、世界情勢に疎い自分は、ちょこちょこメモを取りながら見ました。こんな凄い映画を作ってしまうなんて、さすが韓国ですね。それにしても、北朝鮮がこの映画を見ても大丈夫なん?と心配なんですけど。
とうとう、将軍様の別荘にまで潜入してしまうのですが、車で平壌入りするところも緊迫感があり・・・これって前に感じたことあるドキドキ感?と思ったら、映画『ボーダーライン』で、麻薬カルテルのメキシコの国境を越えるところに似ていたなと思いました。
主役のファン・ジョンミン、口達者な商人の軽さと工作員の秘めたる困惑が同時にまじった演技、本当によかったです。冷徹な軍人気質のチョン課長(チュ・ジフン)も上手かったですねえ。自白剤を注射されたあと、無意識の状態で尋問されるシーンも見どころかもしれません。本人そっくりな金正日が登場してしまうところは驚きました。
最後、リ所長がパクのために通行証を用意したところは胸が詰まってしまいました。二人の間には絆が芽生えていたんですね。その五年後だったか、南北の広告撮影が実現し、パクとリ室長が、互いの贈り物(腕時計とタイピン)を遠くから、見せ合うところも、どこか切なくて。ラストがこんな感じだったので、スパイ映画とはいえ、静かな余韻が残っています。(TT)
実話に基づいているといえども、どこまでが実話なのかはよくわかりませんが、大統領選挙前に南が北に軍事挑発を誘発したというのは本当だったそうです。実在の黒金星(パク・チェソさん)自身、この映画を見たそうで、「見たスパイ映画の中で最も事実に近い」と言ったそうです。
<備忘録>
南★北に潜入する工作員:パク・ソギョン(ファン・ジョンミン)
南★国家安全企画部の室長:チェ・ハクソン(チョ・ジヌン)
北★対外経済委員会の所長:リ・ミョンウン(イ・ソンミン)
北★国家安全保衛部課長:チョン・ムテク(チュ・ジフン)
北★金正日総書記:キム・ジョンイル(キ・ジュボン)
2010年 黒金星、国家保安法違反で緊急逮捕
2016年 黒金星、6年の服役を終え、5月に出所
工作員 何時までも北と南の溝は埋らない。
工作員というと北朝鮮を思い浮かぶ。ハイジャック事件にしても女性の工作員がいた。工作員の宿命としては相手にわかった時点で自殺する様に教育されている。この場合は韓国の大統領選挙が絡んでいる。この時代金大中氏は日本では有名で日本を好む大統領だった。日本とは友好的で北よりとは知らなかった。 今の大統領。文在寅政権も北朝鮮寄りの主導者ですが今も北と南は一つに成れない。 北側のソンミンと南側のジョンミンの友情が感動的でした。日本にも工作員はいる。? 想像しにくいげど。
どっと…
見終わり、疲れた。。ラスト生きてて良かった。互いに祖国のため、それぞれの思いで命掛けの行動を起こした。特に北に単身潜入している黒金星は常に死と隣り合わせで緊迫感あった。金正日に合う直前に自白剤を飲まされるシーン、盗聴器を仕掛けるシーン、リ所長に銃口を突き付けられるシーン、幾度も絶体絶命があった。リ所長にしても、工作員を心底信じ、金正日にまで会わせてしまい、自宅にまで呼んでしまった。家族はどうなったのだろうか。北風工作、権力を保持するためには外敵がいなくてはならない、こんなこと知らなかった。祖国の安全より、権力保持のための組織の命令を聞かず、金正日に命掛けで直談判した黒金星、南との接触で北体制の改革を願ったリ所長、思惑は違えど、共にした思い、行動が黒金星を殺すことができなかった、自分や家族の命がどうなるかわからないのに、双方の思いが素晴らしい。祖国を思った黒金星が国家保安法で服役したのは皮肉だ。実話ベースのこの話を映画化する韓国映画の凄味が伝わってくる。二人を演じたファン・ジョンミン、イ・ソンミンは素晴らしかったし、チョン課長のチュ・ジフンが鋭利な刃物のように怖かった。偽ロレックスと浩然の気タイピンは感動的だった。
いつのまにか哲学
韓国と北朝鮮のことは正直よく知らなかったけど、こんなフィクションみたいなスパイがマジでいたのか…って。 うまく潜入できるかっていうハラハラが序盤と中盤で、終盤には友情が守れるかどうかっていうハラハラになっていく。 国家に翻弄されたとも言えるけど、そもそも"国家"なんて巨大組織になれば当たり前に酸いも甘いもあるわけで。 だから政治屋や官僚がどうとか言ういうより、僕は"個人の幸せってなんだ?"っていうメッセージを強く感じた。 何か成し遂げること?家族とつつがなく過ごすこと?それとも誰かとの絆を深めること? もちろんそれぞれ単体じゃなく、人それぞれのバランスで成り立つものだよねっていう。 エンタメとしても史実ものとしても、そしてメッセージ性も深い、良い作品だった。
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