「登場人物のセリフ・感情・表情すべてが心の琴線に触れる」パリの家族たち Orbitさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物のセリフ・感情・表情すべてが心の琴線に触れる
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この作品に描かれる登場人物は、母でありながらも女性性をずっと持っていて、一人の人間として自己実現をしようと奮闘する人たちだ。主に”母”がターゲットになり、様々な境遇・主張を持っている女性が現れるが、それは私たちが日常を過ごしていて出会う風景そのものだったりする。我慢して言えなかったこと、伝えられなかったこと、それがこの映画ではすべて代弁されている。
そしてさらに、この映画では子供の心も描かれる。それは”母”に対する憧れ、”母性”としての対象であり”女性性”ではない。親子の間にある概念と理想のずれは、どの国、どの世代の親子にも生まれる溝であると思う。しかしこの溝を埋めようと歩み寄る行為そのものが、愛であることを思い知らされラストは、本作の登場人物たちの思いが大きな母と子の集大成として完結するのだが、見事な締めくくりであった。
涙なしには観ることができない、壮大な家族賛歌の物語。心の1本になった。
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