主戦場のレビュー・感想・評価
全147件中、121~140件目を表示
最後の問いかけは重い
映画に出てくる渋谷のスクランブル交差点の若者を笑えないほど従軍慰安婦問題に関しては無知であり無関心でした。
肯定派と否定派の意見が交互に出てくるのですが、一番説得力を感じたのは、政治学者の中野晃一さん。上智大学国際教養学部教授で専門は比較政治学、日本政治、政治思想なのだとか。
次に日砂恵・ケネディさん。率直で誠実な方だと感じました。真逆の方がいっぱい登場するので、余計にそう感じたのかもしれません。
最後に双方から大きな影響力のある方が登場するんですが、他人の本は読まないと豪語する自称歴史家の「日本は戦争でアメリカに勝った」との発言に椅子から転げ落ちそうになりました。
そして題名の『主戦場』。最後の問いかけは非常に重かったです。
今、全国ロードショーにすべき映画
非常に面白いドキュメンタリーだった。結論はこの国の腐敗した政治にたどり着く。この腐敗した政治環境は他でもなく私たち国民の無知、無関心が生み出した現実が先ずあって、やはり個人個人が自ら考えなければ、次のステップへと進めない。私たちは国家があって存在するのではなく、私たちが存在して国家を形成している事実をきちんと認識する必要がある。しかし、差別意識からはロクなものが出て来ない。害あるものしか現れない。その証明が歴史修正主義者の容貌に表出している。歴史修正主義者はほぼレイシストである。映像からは、その醜さだけが何の演出をされなくても、嫌という程良く分かる。彼ら(彼女ら)は、鏡に映る自分の顔が醜いと思わないのだろうか?
もー1回観てもわかるかな
日常で何気なくふれる言葉が無意識のうちに自分の中にはいりこんできて、自信満々に強気で語ってる人たちの言葉には信憑性がともなってみえてた。
メディアで発せられてる言葉のどこかには虚偽が含まれてる。でも本人たちはまるで自分が正しいんだと思い込んでて疑わない。
めんどくさくてややこしい世の中やなって思う。
この作品では実際の映像を使いながら検証してくれるので納得することが多かった。
ただ情報があまりにも多くて1回観ただけじゃ理解不能。笑
覚悟をもってメディアにでてきた被害者のかたが責められる世だから、自分自身本質を見極める力をつけなきゃと思った。
「歴史修正主義者」の差別感情をあぶり出した作品
杉田水脈は、日本軍慰安婦を証明するのは被害者のハルモニ達の証言しかなくて、誰も信用しないと嘲る。
そしてアメリカにおいて、日本人の子供が日本軍慰安婦問題の事でイジメを受けていると国会で発言しておきながら、その根拠を聞かれると、又聞きしただけだと言う。
櫻井よしこは、史実に採用されていない吉田清治証言の撤回を朝日新聞がした事だけで、全ての日本軍慰安婦がいなかったように主張するデタラメな論法を披露する。
ケント・ギルバートは、映画化された事で騙されたなどと言っていると言う。
仮にも法律家の端くれがカメラを向けられ、自分で語った言葉を映像化されて、何を騙されたと言うのか。
デザキ監督はインタビューに際して、映像化する事を伝えた上で、契約書にサインをもらい作品にしていると言っていますよ。
ケネディ・ヒサエと言う女性は、日本軍慰安婦に否定的な過去の発言に反省も見せるが、当時は合法だった為責任追及はできないと言う。
直後に映画の中で、日本軍が行った性奴隷制度は、当時の日本の刑法に反し、日本が批准していた条約に反し、当時世界で効力を及ぼしていた慣習法にも反していたと続きます。
基礎的な知識すら持たずに、人権を踏みにじる発言をしている自覚のない愚かな姿を見た思いです。
ケネディ・ヒサエも嫌悪感を持ったトニー・マラーノとそのマネージャーの藤木俊一は下品の極みでしかない。
最後の日本会議のトップ加瀬英明は、吉見義明氏の名前も知らない、秦郁彦氏の著書も読んでいない、それでいて日本軍慰安婦問題の歴史を知る第一人者だと薄ら笑いを見せる。
デタラメを広め、人権を踏みにじる、それが歴史修正主義者。
根源にある差別感情がスクリーンにあぶり出される。
映像化されたこの映画は、得意の改ざんができないから、焦っている事だろう。
映画とネット情報を融合させてみました
このドキュメンタリー映画はかなりスゴイです。
ある程度政治を知っている方は知っている内容もあるかもしれませんし、自分もかなり知っているつもりでした。
しかし、私が知っていた人物は、パンフレットに載っている27名のうち、
杉田水脈(自民党議員)
ケント・ギルバート(弁護士、タレント)
櫻井よしこ(ジャーナリスト)
中野晃一(政治学者)
植村隆(元朝日新聞記者)
小林節(憲法学者)
のたった6名だけでしたw
団体として日本会議や新しい歴史教科書をつくる会は知っているのですが、その役員たちの顔を見ながらトンデモ発言を聴くことができたのは初めてでした。
それくらいInformativeなドキュメンタリー映画です。
中でも衝撃を受けたのが“元”歴史修正主義者で日系女性のH氏の告発です。
彼女自体、この映画のパンフレットに載っていないのでウヨク論客たちにも衝撃だったようで早速歴史修正主義者たちのネット上でのバッシングがすさまじい状況です。
しかしながら、H氏の告発はあまりにも生々しく、櫻井よしこ氏が「そのことに関しては話したくありません」と目が泳ぎまくってるのが印象的でした。
映画のネタバレ部分ではないので、このH氏を巻き込んでいた状況を調べてみました。
このH氏は過去に歴史修正主義者たちの“メンバー”であったため、この映画に出演する論客たちは彼女と接点がある人たちがほとんどです。
そして当然のこととして彼女を裏切り者としてバッシングを始めています。
(森友学園の籠池氏も同様ですが、右派グループの仲間割れがここでも起きておりました。)
スタートとして、歴史修正主義者たちはアメリカ人を味方に付けて慰安婦問題を否定しようと試みていたようです。
この右派グループ仲間割れ事件として登場する人物・団体は、
H氏(日系女子・元歴史修正主義者)
櫻井よしこ氏
マイケル・ヨン氏(アメリカのフリージャーナリスト)
谷山雄二朗氏(慰安婦否定ドキュメンタリー映画を作成した帰国子女)
花田紀凱氏(月刊Hanada編集長)
産経新聞
などです。(もっと絡んでる方々がいますが。)
映画ではマイケル・ヨン氏の名前は出てきませんが、歴史修正主義者たちは自分たちに都合の良いデータを出すよう、H氏と櫻井よしこ氏がこのマイケル・ヨン氏に法外な調査費を支払ったというものである。
そして、マイケル・ヨン氏が「調査の結果、日本軍の強制連行などという事実は全く存在しなかった」という予定通りの結果を産経新聞が大々的に掲載。
(いつもの右派と三流産経の茶番工作です。)
しかしながら、ここで仲間割れがスタート。
櫻井よしこ氏は更に谷山雄二朗氏という帰国子女を活用してアメリカに慰安婦問題否定論を広めようとした。
しかしながら、マイケル・ヨン氏はこの谷山雄二朗という帰国子女の青二才が大嫌いだった。
マイケル・ヨン氏「櫻井女史が自民党本部での会議を終えた後、私は自民党本部のそばのカフェに彼女を誘って、どんなことがあっても谷山雄二朗の映画をプロモートすべきでないと注意を促した。」
そしてこの谷山を宣伝しようとする櫻井、花田などと分裂が始まり、現在の泥沼に至り、「もうお前たちを手伝わない!」と決別しています。
(全てマイケル・ヨン氏のブログなどに全て書かれています。)
マイケル・ヨン氏の「手伝う」とは何を意味するのでしょうか?
「櫻井女史が自民党本部で会議を終えた後」???
この慰安婦問題は、自民党、櫻井女史、マイケル・ヨン氏、産経新聞、すべて繋がっていた工作だったということでしょうか?
要するに、汚れたカネを使って歴史修正主義者たちにとって都合の良い調査結果を流布するようにマイケル・ヨン氏に依頼したということですよね。
世界的世論を捏造・操作しようとしたのは歴史修正主義者たちだったというオチです。
吉田清治を調査するのが甘かった朝日新聞を散々叩いた歴史修正主義者と産経新聞と自民党。
その歴史修正主義者と産経新聞こそが汚れたカネ使って“意図的”に捏造し、世界を騙したという事実。
そして、第2次安倍政権後、学校教科書から慰安婦問題を一斉削除しました。
これこそ日本のメディアに大きく取り上げられるべきスキャンダルなのではないでしょうか。
ロジカルでミステリアスで面白い、必見のドキュメンタリー
構成にも編集にも懲りまくった渾身のドキュメンタリー。修正主義者やナショナリストたちが嬉々として語る事柄を知的にロジカルに論破していく痛快劇。しかし同時に、反知性で論理が通用しない者どもにとっては論破されることなど無意味で、すでに影響力の大きさでは知性やロジックでは太刀打ちできない現状の絶望までも描く。日本人全員必見。 https://www.movieboo.org/archives/27877/shusenjo
ニュートラルな論争を期待したが
前半は面白かった。後半で、この物語に直接関係ない、反アベ、反アベとなってきて、それに、クスクス笑って賛意を示す観客が増えてきて、これは共産党の支持者の方の見る映画だったのかと気がついた。私は安倍さんが好きでもないが、あの人が戦争をしたがっているとも、思っていないので、後半のトンデモ理論にはついていけない。右翼の人がでている左翼プロパガンダ映画だと思えばよいと思う
衝撃のスタッフロールを見逃すな
爆笑ポイントが2つ、1つはラスボスの正体、まさか、あのじいさんがあ。もう1つはスタッフロールに次々現れる朝鮮系と思われるローマ字の名前。これの実質はどこの国の映画?なんで米国人の映画みたいにしてるの?テーマは良いのだから、もっときちんと作ってほしいなあ
とんでもないものを見た
当初は言葉のボクシング的なものを想像していた。
慰安婦問題自体の知識の浅さもあり、日本も韓国もわーわー言ってるんだろうなあと面白半分で見に行った自分を反省した。
これからの生き方すらも考えさせられるとんでもない映画を私は見た気がする。
女性とは、日本人とは、、、
慰安婦問題と今、日本で問題になっている女性の性的な弱さについてもリンクして考えた。
そして政治。
とてつもなく怖くなる。
無知ということの恐ろしさ。
令和という新しい時代をどう生きていくか
ここから考えようと思いました。
「現代の日本」を記録したドキュメンタリー
各地のミニシアターで連日満員になっている話題作。
ゴールデンウィークということもあってか、名古屋シネマテークでも立ち見が出た。
歴史修正主義者側のインタビューに始まって、整理された論点を踏まえながら映画は進んでいく。
最後にミキ・デザキ監督が観客に問いかける問題に行きつく終盤の流れは、映画中盤までの流れに比して、やや性急な印象は受けるものの、日本人が真剣に考えなければならない「今」を暴き出している。
インタビューを受けた歴史修正主義者が「騙されてインタビューを受けた」などと泣き言を言っているが、この映画を見れば「騙された」などという逃げ口上が無意味であることは明らかである。
立場の左右を問わず、見るべき映画であろう。
呼吸をするように自然に差別する人
というのが現実にいるんだな、と知りました。終盤に出てくるあの人の、韓国についての発言です。
ブラック・クランズマンにも同様な「無意識の差別」がたくさん出て来て、非常に暗鬱とした気分になりましたが、あちらは最後にカタルシスがありました。それに史実ベースとはいえ創作も多いとか。
でもこっちはモノホンです。リアルタイムです。現実です。そこいらのホラーの比じゃありません。怖い、というか、ただただ気持ち悪さがありました。
本題については、まず主戦場の登場人物=アクターは何か、国家か、団体か、個人か、というところを丁寧に解きほぐしてくれたと思います。個人と一口に言っても、国家と重ねてしまうケースと、人権を代表するものとしてのケースでは全然違いますが、その辺も織り込んで分かり易く見せてくれた印象です。
問題は、この戦いのアクターが沢山あること、幾層にも折り重なっている(ある個人は複数のアクターを兼ねる)こと、また意図してか否か、取り違えて戦いを仕掛けているケースがあることなのかもしれません。
とかいう傍観者的な視点が許されない雰囲気の映画ですが、こういう感想もあるということで。
もう一歩かな
議論のとっかかりとしては悪くないと思いました。
ただ膨大な情報量に対して、やはり約2時間という時間が足りない。
その結論はちょっと拙速じゃないの?というツッコミどころも
数多くありましたので、
ぜひ6時間くらいかけて、
要所要所で映像を止めながら、この映画を検証する
そんな討論番組を作っていただきたいと思いました。
この映画を踏まえた上で
出演者した皆さんもいろいろ言いたいことがあると思いますので…
個人の作った映画ですので
多少右や左に寄ってしまうのはしょうがないかもしれませんが、
比較的バランスは取れているのではないでしょうか。
内容的には日本人にも韓国人にもアメリカ人にも耳の痛い話が入っていてよかったです。
驚いたことに観客の半分は外人でした。アメリカ人に見せたくて作った映画なのかな、という感じです。
思ったこととして
・何が本当で何が後から作られた嘘なのかがはっきりしないと態度を決められないので、それぞれの項目についてもうちょっと深く調べてみたいという気にさせてもらいました。
・日韓請求権協定 以外の政府や個人が元慰安婦に支出した補償について一切触れられていなかったように思ったが気のせいかな
・前半での元慰安婦へのインタビューの時にセンチメンタルなBGMが流れて逆に安っぽさや偏向を感じました。
・最近の徴用工もそうですが、子孫とか親類とかが補償を請求してネズミ講的に広がり、ハードルを上げていくのは意味不明です。日本人収容所に対するアメリカの謝罪を引き合いに出してましたが、アメリカは親類縁者まで補償したのでしょうか。
・挺対協が出てきましたが、北朝鮮の話が一切出てこなかったのは意外でした。極東アジアの力学を語るのに大変な片手落ちではないかな?日韓の和解は困るのでわざわざハードルを上げたり、ゴールを動かしている人たちの話にあえて触れていないですね。中高生に行われている反日教育の話にも触れていないですね。なにか意図があるのでしょうか。日本対中国のフレームワークに持ち込みたいのかな
・朝鮮戦争の時の慰安所を日本の将兵が作ったというのは間違いだと思います。太平洋戦争は終わっていたのだから、元日本兵だったかもしれないけど韓国人が作った、ということになるかと。韓国人へのインタビューで「帝国の慰安婦」の内容は吐き気がして読めなかった、とか…日本側の恥部への切り込みは核心に触れる鋭いものでしたが、まだまだ韓国側への切り込みは甘い内容だと思いました。
・慰安婦像を普遍的な「平和の像」にしたいのなら、日本軍とか20万人とか、特定の団体や根拠不明なデータの碑文をつけることに疑問を感じます。彼女らは近代の朝鮮半島における貧困、女性の人権レベルの低さ、家長家族制度の被害者でもあり、碑文をつけるならそれも含めるべきです。今でも発展途上国ではありうる話だと思いますので。あと韓国側にも反省する力があるならサンフランシスコの3人の慰安婦像を4人にして一人はベトナム人にすべきかと。碑文にも記載すべきです。日本人が怒っているのは戦時女性への暴力被害反対のコンセプトでなく、碑文が不正確で一方的だからです。
・靖国参拝とアメリカ大統領によるアーリントン墓地参拝の違いがこじつけに感じました。あとの改憲までの論理展開が強引すぎかと、おかげさまで改憲支持者の話も聞いてみたくなりました。
・靖国のことを語るなら合祀のことも慰安婦問題と関連して切り込んでもらいたかったです。
・右派の人たちの不適切な発言を編集であえて切り取って際立たせている感じがしました。唐突に彼らがあのようなことを言うとは考えにくいので、インタビュアーが相当、鎌をかけた、つまり、あおったのでしょうか。一学生が卒業制作の映像だと言ってインタビューしたらしいので、公開されると知っていたら、もっと責任ある発言をしたでしょうね。勝手に公開された人たちは気の毒かな。韓国でインタビューするときにも一学生の卒業制作と言ったのでしょうか。
・といっても、韓国側の誤謬にもある程度深く切り込んでいただいたことで、慰安婦問題に対する理解が一気に深くなりました。ただ一つ一つの資料に対する結論が拙速すぎるので、さらにそれぞれの資料に対しての検証を行う必要性を感じました。このままで終わってはいけない問題だと思います。
・議論のとっかかりとしては、立場にかかわらず見る価値のある作品であるとは思いました。そもそもこれまでこういう、議論のとっかかりとなるプラットフォームさえ、なかったのだと思いますので。せっかく始まった議論の場ですから大事にしていただいて、
次はこの映画の内容に思うところある人たちが、その誤謬と思われるところをを突く番かと。
まあ、そんなところでしょうか。なかなか最後まで楽しませてもらいました。上映後外人がしきりに拍手してましたが、そんなんでいいんかい、まあ、当事者じゃないからな、と感じました。
反日が喜ぶ映画
このデザキ監督は上智大学の卒業研究で慰安婦のことについてインタビューに協力して欲しいという話から出演者に依頼している。映画にするなどとは一言も言ってないのである。初っ端から出演者を騙している。それでもうアウト。出演者のケントギルバートさんも相当怒っている。
さらに、アシスタントプロデューサーが韓国人であるということがこの映画の意図が見える。月刊Hanadaを読んでみれば内実がよくわかる。
YouTubeを検索して上念司の深堀りpart5を見ればこの映画がどんな映画かよくわかります。
慰安婦問題を知らない人程見て欲しい
自分はある程度の知識を慰安婦問題について持っていたのですが、かなり部分的な知識だったのだと思い知らされました。慰安婦問題について全く知識がなくても大丈夫です。
どちら側の意見・主張も欠点がないわけではないので、決め付けて見ないように気をつけてみていましたが、ラストの「あの人」には心底落胆しました。
この問題だけではなく、様々な歴史問題についての論争そのものについても考えさせられる作品になっていたこともよかったですし、エンタメ作品としても優れていて楽しめると思います。
慰安婦問題の戦いの裏に潜むもの
苛烈なポリィティカルドキュメンタリーである。標記問題の肯定側、否定側の立場を取る人々が次々に登場し、持論を繰り広げる。そして随所に挟み込まれる監督のコメント。まるでジェットコースターに乗っているようだ。そして、徐々にこの監督が本当に訴えたかったことが見えてくる。この問題提起をどう捉えるかはその人次第だが、もしこのドキュメンタリーが描いている事が本当ならば(様々な状況から分かっていた積りだが)本当に怖ろしい事である。次世代の事を想うと、自らの愚かさにも今更ながら気付かされる。終盤登場する人物の、のっぺりとした表情とその言動の恐ろしさは忘れられない。
全ての問題は今の日本の問題にリンクする。
敏感なテーマのドキュメントなので、自分がこの問題の基本的な考えを捨てて頭を真っ白にしてこの映画を観たが色々と考えさせられ自分でも改めて慰安婦問題の複雑さ、元慰安婦の方の被害の状況を映像で観て身に染みた。韓国ではまだまだこういう方々がいる事を。もちろん反論もある。このドキュメントは監督がしっかり両者考えの相違を承知でインタビューをし、じっくり聞いていた。この姿勢は好感を持った。本来は大手紙の記者がすべき事。このドキュメントは慰安婦問題だけでなく、歴史認識・教科書問題・女性への性虐待・政府の公共放送への介入など切り口が幅広い。必見です。特に私が観た日は若い方が多かったが、ぜひ若い方には薦めたい。特に韓流エンタメ、KPOPファンは観た方がいい。なぜアイドル歌手が慰安婦問題の関連Tシャツやアクセサリーを着用するか?
その答えも見つかるだろう。
アメリカ人のドキュメンタリー
始まってすぐ”歴史修正主義者”という言葉が出てきたので方向性はわかりやすい。論点がずれてゆくこの問題独特の不条理がそのまま映画になっていた。その意味では良く出来てるともいえる。
ただ結論があれだと陰謀論の世界。せっかくのドキュメンタリーが台無し。
https://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2015/02/post-909.php
警鐘
何が議題にせよ100%の正義や悪が存在するとも思えないので、全否定や全肯定なんてないと思って観てたから、それはみる側の範疇でジャッジするればいいだけのこと。問題はそのさきにあるいまの日本の有り様を語るラスト・・日系人から観た杞憂であることを切に祈るばかり。
勝負は着いた
それは、この映画が杉田水脈やケント・ギルバート等の修正主義者の主張を一蹴しているからではない。映画は先ず修正主義者の主張にのって慰安婦問題を検証していく。しかし、その展開はすぐに行き詰まり、修正主義者の主張は破綻してしまう。
修正主義者の上から目線の態度はやがて失笑の対象となり、その主張に宿るレイシズムの醜さがあぶり出される。
しかし、映画はここで終わらない。修正主義者の主張は、国際社会では全く相手にされないレベルである事が明らかにされるが、日本国内では安倍晋三が進める戦前回帰政策の中で立派に機能し、改憲・再軍備間近の状況が示される。ここでも、勝負は着いてしまったのだろうか。
映画の上映が終わると観客の中から自然と拍手が起こった。それほど素晴らしい映画であった。しかし、評者は突き付けられた現実の深刻さに圧倒され拍手ができなかった。
全147件中、121~140件目を表示