「鳴り響く音楽や扇情的な字幕などの演出は、ちょっとね・・・」主戦場 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
鳴り響く音楽や扇情的な字幕などの演出は、ちょっとね・・・
従軍慰安婦問題に関心を持った日系アメリカ人のドキュメンタリー作家ミキ・デザキ。
関心のきっかけは、日韓から遠く離れた米国に「平和の少女像(慰安婦像)」が建てられるようになったこと。
さて、強制連行、性的奴隷といった実態は、あったのか、なかったのか。
双方の主張をインタビューして、デザキなりの実態に迫っていく・・・
といった内容で、2本立てで先に観た『i 新聞記者ドキュメント』が「ひとに迫るドキュメンタリー」ならば、こちらは「コトに迫るドキュメンタリー」。
個人的には「ひとに迫るドキュメンタリー」の方が断然好きで、「コトに迫るドキュメンタリー」はどちらかというと好きな形式ではありません。
「コトに迫るドキュメンタリー」でも科学分野ならば、客観的に冷静に、さらに「ほぉ、なるほど、これが真相か!」となるのですが、こと政治が絡んだコトになってくると、どうしてもイデオロギーが全面に出ちゃう。
そうすると、演出が押しつけがましくなりがちで、鳴り響く音楽や扇情的な字幕などが多くなりがちで、観ていて疲れてしまう。
ということで、この映画もそんな演出の呪縛からは逃れられず・・・
もう少し、淡々と演出した方が、コトの本質がわかりやすかったと思うのですが、いかがなものかしらん。
それにしても、「なかった」派のひとびと、目が笑ってませんね。
笑える内容ではないですが、どことなく死んでいるというか・・・そんな感じでした。
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