劇場公開日 2019年4月20日

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「映画とネット情報を融合させてみました」主戦場 Einsteinさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画とネット情報を融合させてみました

2019年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

このドキュメンタリー映画はかなりスゴイです。
ある程度政治を知っている方は知っている内容もあるかもしれませんし、自分もかなり知っているつもりでした。
しかし、私が知っていた人物は、パンフレットに載っている27名のうち、
 杉田水脈(自民党議員)
 ケント・ギルバート(弁護士、タレント)
 櫻井よしこ(ジャーナリスト)
 中野晃一(政治学者)
 植村隆(元朝日新聞記者)
 小林節(憲法学者)
のたった6名だけでしたw
団体として日本会議や新しい歴史教科書をつくる会は知っているのですが、その役員たちの顔を見ながらトンデモ発言を聴くことができたのは初めてでした。
それくらいInformativeなドキュメンタリー映画です。

中でも衝撃を受けたのが“元”歴史修正主義者で日系女性のH氏の告発です。
彼女自体、この映画のパンフレットに載っていないのでウヨク論客たちにも衝撃だったようで早速歴史修正主義者たちのネット上でのバッシングがすさまじい状況です。
しかしながら、H氏の告発はあまりにも生々しく、櫻井よしこ氏が「そのことに関しては話したくありません」と目が泳ぎまくってるのが印象的でした。

映画のネタバレ部分ではないので、このH氏を巻き込んでいた状況を調べてみました。
このH氏は過去に歴史修正主義者たちの“メンバー”であったため、この映画に出演する論客たちは彼女と接点がある人たちがほとんどです。
そして当然のこととして彼女を裏切り者としてバッシングを始めています。
(森友学園の籠池氏も同様ですが、右派グループの仲間割れがここでも起きておりました。)

スタートとして、歴史修正主義者たちはアメリカ人を味方に付けて慰安婦問題を否定しようと試みていたようです。
この右派グループ仲間割れ事件として登場する人物・団体は、
 H氏(日系女子・元歴史修正主義者)
 櫻井よしこ氏
 マイケル・ヨン氏(アメリカのフリージャーナリスト)
 谷山雄二朗氏(慰安婦否定ドキュメンタリー映画を作成した帰国子女)
 花田紀凱氏(月刊Hanada編集長)
 産経新聞
などです。(もっと絡んでる方々がいますが。)

映画ではマイケル・ヨン氏の名前は出てきませんが、歴史修正主義者たちは自分たちに都合の良いデータを出すよう、H氏と櫻井よしこ氏がこのマイケル・ヨン氏に法外な調査費を支払ったというものである。
そして、マイケル・ヨン氏が「調査の結果、日本軍の強制連行などという事実は全く存在しなかった」という予定通りの結果を産経新聞が大々的に掲載。
(いつもの右派と三流産経の茶番工作です。)
しかしながら、ここで仲間割れがスタート。
櫻井よしこ氏は更に谷山雄二朗氏という帰国子女を活用してアメリカに慰安婦問題否定論を広めようとした。
しかしながら、マイケル・ヨン氏はこの谷山雄二朗という帰国子女の青二才が大嫌いだった。
マイケル・ヨン氏「櫻井女史が自民党本部での会議を終えた後、私は自民党本部のそばのカフェに彼女を誘って、どんなことがあっても谷山雄二朗の映画をプロモートすべきでないと注意を促した。」
そしてこの谷山を宣伝しようとする櫻井、花田などと分裂が始まり、現在の泥沼に至り、「もうお前たちを手伝わない!」と決別しています。
(全てマイケル・ヨン氏のブログなどに全て書かれています。)

マイケル・ヨン氏の「手伝う」とは何を意味するのでしょうか?
「櫻井女史が自民党本部で会議を終えた後」???
この慰安婦問題は、自民党、櫻井女史、マイケル・ヨン氏、産経新聞、すべて繋がっていた工作だったということでしょうか?
要するに、汚れたカネを使って歴史修正主義者たちにとって都合の良い調査結果を流布するようにマイケル・ヨン氏に依頼したということですよね。
世界的世論を捏造・操作しようとしたのは歴史修正主義者たちだったというオチです。
吉田清治を調査するのが甘かった朝日新聞を散々叩いた歴史修正主義者と産経新聞と自民党。
その歴史修正主義者と産経新聞こそが汚れたカネ使って“意図的”に捏造し、世界を騙したという事実。
そして、第2次安倍政権後、学校教科書から慰安婦問題を一斉削除しました。

これこそ日本のメディアに大きく取り上げられるべきスキャンダルなのではないでしょうか。

Einstein