「映画っぽい映画」ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた augnishさんの映画レビュー(感想・評価)
映画っぽい映画
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妻/母の死を受け入れる夫/父と娘の成長のベクトルが交わっていく展開が,いかにも映画っぽい.さりげなく敷かれた伏線があり,最後のシーンが,二重のどんでん返しになっている(ように見える).父にとっては子ばなれが,娘にとっては「自転車に乗ること」と「歌うことへのコミットメント」が,それぞれの成長の筋となり,最後のシーンでこの2つの筋が意外な形で交わるように見えた.ここで内臓がギョジョギョリョと動いた.かつ,父と娘が作る歌の内容が,その「成長」の段階を反映している.現在のアメリカの政治的状況を意識してか,人種やセクシュアリティに関するスタンスも(語られることなく)示されている.こういう知的な感じの映画は嫌いでない.(「知的な感じ」って変?)
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