足跡はかき消してのレビュー・感想・評価
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トーマシン・マッケンジーの原点として今後語り継がれるであろう名作
ジェニファー・ローレンスの出世作となった『ウィンターズ・ボーン』のデブラ・グラニック監督の最新作が配信のみというのは残念だが、主人公親子を演じた2人の俳優の、日本での知名度を考えると劇場未公開になったことも仕方ないのかも知れない。と、そう思おうとしてみたが、本作で脚光を浴びたトーマシン・マッケンジーはその後出世街道を駆け上っていて、『ジョジョ・ラビット』のユダヤ人少女役が記憶に刻みつけられた人も多いはず。ただ、彼女の原石の輝きと、新人離れした力量が楽しめるのは間違いなくこの映画だ。
PTSDに苦しむ元軍人の父親と、世間から隔絶されて父親と二人きりで育てられた娘が、強制的に外の社会に連れ出される。喪失感から逃れられない父親と、新しい世界に好奇心を募らせる娘。どう考えても2人の道は離れていくばかりだが、親子は本当にお互いを思い遣っている。なんとも切ない物語だが、感傷に陥ることなく、ただなるように進んでいく様が、なんとも美しい。その危ういバランスを体現しているトーマシンとベン・フォスターの繊細な演技を堪能した。
共感できれば良い作品と感じられると思うが
トーマシン.マッケンジーは良い役者
主役はトーマシン・マッケンジー
父の苦悩
いい映画ほどNetflixで観たくない
邦題通りに地味ですがお父さん世代にはずっしり重い作品
元軍人のウィルは従軍経験からPTSDを患い、娘のトムとともにオレゴン州の森の中で自給自足の生活をしていた。森の中をジョギングしていた男がトムを目撃し警察に通報したことから二人は保護されることになり普通の生活を始めるが、学校生活や周りの人達とのコミュニケーションに慣れ始めたトムに対してウィルは上手く馴染めず苦悩する。
ものすごく地味なドラマでほぼ全編ウィルとトムの生活を見つめているだけですが、二人三脚で生きてきた二人の距離が少しずつ変わっていくのを眺めるのは胸が痛い。いつまでも娘が自分の傍にいてくれるわけではなく別れは突然やってくる。そんな当たり前のことをまだ認められない自分に鏡を突きつけるような残酷さを併せ持つ美しい作品。トムを演じるトマシン・マッケンジーの透明感が印象的でした。
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