「そこまで悪くない…やっぱり悪い」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー wakabaurachanさんの映画レビュー(感想・評価)
そこまで悪くない…やっぱり悪い
酷い酷いと聞いて、どれほど酷いのか気になって見てしまいました。映画館で映画を見るなんて10年以上ぶりのこと。ドラクエは昔メチャメチャやった。
良かった点
キラーパンサーの名前がゲレゲレ。
残念だった、疑問に思った点
ピエール、ロビン、シーザーは出して欲しかった。
天空の剣を魔界の穴に投げ込んだのに、なぜ魔王が出てきたのか?
フローラと結婚するとプレイ前に設定したのに、なぜゲームの登場人物でしかないフローラがそれを覆せるのか?
問題のラストについて
そこまで悪くない。最終回の最後に「続きはHuluで」とかやってしまう某連続ドラマや、人気マンガをことごとくダラダラ引き伸ばして、人気がなくなって人知れず打ち切りになる某週間漫画雑誌などよりだいぶマシ。
理由は、一応終わらせたから。
クリエイターは1つの作品を責任もって終わらせて初めて一人前のクリエイターだと思うし、終われない作品は作品として評価に値しない。
この映画は、監督が、それなりの覚悟と意思をもって、終わらせたことを評価したい。
山崎監督やスクエニについては、今後が少し心配。
山崎監督が今後どんな映画を作っても、「でも所詮ただの映画でフィクションでしょ?映画なんて観てないで大人になれ」と言われかねないし、スクエニがドラクエの新作を出しても、「所詮ただのゲームでしょ?」となりかねない。
それでもこの映画のラストであれをやったのはある意味すごいと思う。
あのラストはあれはあれで良いと思うが、原作に従った部分の面白さに比べて極端につまらなく、あのラストを面白く出来ていれば良かったのだと思う。それだけ原作の面白さが偉大だということか。
当初、星3つとしましたが、思い直して星0.5です。
「三部作の超大作にすれば良かった」という意見が多いようですが、もし三部作にしていたら、人気と予算がなくて三部まで作られずに打ち切りになっていたか、多分ないだろうけどもし仮に大ヒットになっていたら、三部でちゃんと終わらずにダラダラ引き伸ばしになっていたと思う。だから、続編が出る可能性を完全に排除し、ちゃんと終わらせたことは評価したい。それに、この監督に、超大作三部作を作る力があるとは思えない。
監督のインタビューでの発言「ドラクエにかける時間はない」、映画製作者のドラクエに対する明確な悪意、ウィルスを作ったゲームが嫌いな人とはまさに映画製作者以外の何者でもないこと、を考えると、映画史上最低の映画と言えるのではないか。
大事なことなのでもう一度強調する。
「ウィルスを作ったゲームが嫌いな人とは、映画製作者のことである」
この映画と最低の座を競うという、実写盤デビルマンを見てみたいと思ってしまった。
でもデビルマンは、単に出来が悪いというだけらしいので、ドラクエのほうが最低なのではないか。
監督はドラクエ映画製作のオファーを何年も断っていたけど、ラストのVRオチを思いついたから、このオチを入れ込む事を条件に引き受けたそうですよ。
これなら映画にする意味があるとかいって。
そして、ドラクエ5も、自分でやらずに、ゲームユーザーに取材して脚本仕上げたそうです。
自分で体験していないのだから、原作とかけ離れた設定になるのも頷けます。
自分でゲームしたとしても、それは自分の主観になった作品になるから意味がないとかいってました。
いや、ラストの展開はモロくそ主観の押し付けじゃねーかと言いたいですが。
ドラクエやゲームというものを、監督が理解しきれていない、勘違いしている部分が大きく反映された映画でした。
山崎監督が3部作もドラクエ映画製作する体力ないという意見はごもっともだと思います。
原作に思い入れがないのだから、製作意欲が湧かなくて当然。
個人的にはわざわざ3Dにしなくていいので、ドラクエ好きの他の監督に、原作を再現して作り直してもらいたいです。