「最悪などんでん返し」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)
最悪などんでん返し
あのラストだけはやってほしくなかった!
僕はドラクエは天空シリーズであるIVとVとVIをプレイしていて、特にこの映画の原作となったVが大好きでした。
Vへの愛情が深いからゲームの世界観に最後まで浸りたいと思ってた僕みたいな人がこの映画のラストを観てどう思ったかです。
僕はこう思いました。
「ふざけるな!」
とは言え、あのラストを入れての自己満足点であるならば恐らく50点くらいだったと思います。
はい、そこまでは良くも悪くもドラクエ5の世界観を再現していると思ったので別にそこまで悪くないと思ってます。
主に好きだった点としては、
ドラクエのモンスターがかなり綺麗に再現されていました。
今や国民的キャラクターとなってるスライムや主人公の相棒であるキラーパンサーという猫のモンスター等、そこら辺は観てて楽しかったです。
また、人間キャラクターで一番良かったのはビアンカです。
正直この映画のフローラはあまり可愛いとは思わなかったのですが、製作者の愛情がこもってるのか表情等もビアンカらしいしどことなく可愛かったです。
ちなみに自分はいつも花嫁をビアンカにしてたので、恐らく自分の思い出補正も入ってるかもです(笑)
アクションも良かったと思いますし、全体的に映像自体は綺麗だったと思います。
もちろんディズニーアニメに叶うわけでは無いですが、割りと頑張ってるなぁとは思います。
声優に関しても一部下手な人もしましたが、佐藤健含めて特別上手いわけではありませんが、別にそこまでの違和感は感じませんでした。
ただやはりドラクエ5という壮大なシナリオを充分に描ききれていたかと言うと、そうだとは言い切れないです。
話自体が長いのでカットしてしまうのは致し方無いとは思いますが、カットし過ぎた関係であまりにもご都合主義な展開に見えてしまったところも多いので、もう少し出来るところはあったのかなとも思えます。
また、個人的には主人公の青年時代の奴隷仲間であるヘンリーについても少し否定的です。
ゲームだともう少し距離が近く、親友としての立場だったと思うのですが、この映画だと最後まで手下と子分のような関係で少し違和感が目立ちました。
あと、結婚イベントについても少し主人公の行動に批判的になりました。
花嫁候補の片方(ネタバレになるので花嫁の名前は伏せます)に対して「あの行動は無いだろ」と思ってしまいました。
...とまぁここまでは別に良いんですよ。
良くも悪くもドラクエ5の世界観を再現したアニメ映画として処理出来ます。
同じ山崎貴監督作品の「Stand by me ドラえもん」と対して変わらないし、何なら同じ日に観た超実写の「ライオンキング」ともそんなに大差が無いです。
けどねぇ、あのラストだけは受け入れられませんよ!
もちろんあの実験的な展開を褒める意見もあると思います。
ですが、これは完全に今までの物語からちゃぶ台を無理やりひっくり返されたように思えました。
ドラクエの世界観を浸りたい僕らに対してあの展開は無いでしょうが!
これに関しては他の方のレビューを見てみると、ドラクエをプレイしたことが無い方だと褒める人が多くいるのですが、僕みたいにプレイしたことがある人達は否定的な意見が殆どです。
やりたかった事はわからなくも無いです。
ただ、それでも自分達の求めているものとあまりにもかけ離れていたので「否」と言わざるを得ないです。
あのラストを通して監督の伝えたかったことも他の映画(主にレディ・プレイヤー1)もあるのでかなり安直に感じました。
レディ・プレイヤー1のようにもう少し上手いやり方が無かったのでしょうか。
個人的には史上最悪などんでん返しでした。
観たあとにここまで怒りが込み上げた作品は今年無かったので、事実上ワーストクラスの映画になりました。