「あのころ子どもだった、大人に向けた映画」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー MKさんの映画レビュー(感想・評価)
あのころ子どもだった、大人に向けた映画
事前に悪い評判を聞いていたので期待値はゼロ。しかし愛するドラクエVの映画を観ないわけにはいかない!ということで映画館へ。
結果、めちゃくちゃ面白かった!子どものころクリスマスにもらったドラクエVの思い出が蘇ってきて、最後は大感動!
この映画、酷評されるのは理解できる。ドラクエの映画化だと期待して観ると、確かにマズイ。あくまでもユアストーリー、つまり、ドラクエと親しんできたプレイヤーたちが主役の話。
もっと宣伝の時点や劇中でメタ的なヒントを出しておけば、ここまで批判はなかっただろう。あまりにもだまし討ちな感じでメタ展開にしてしまったところは失敗かな。
このラストの展開ならドラクエを題材にしなくてもいいのに!というレビューもあるけど、個人的にはドラクエでよかったと思った。なぜなら子どものころからドラクエと一緒に成長してきた自分にとって、これ以上に思い入れのあるコンテンツは他にないから。だからラストのインパクトは絶大だった。
ラスボスの「大人になれ」という言葉に、ハッとした。そう、自分はいつのまにか大人になっていた。もうゲームは全くやっていない。たぶん、そんな自分だから、この映画のラストを肯定的に受け止めることができたのかもしれない。
それでもドラクエは自分にとって特別な存在で、ゲームはやらなくなったけど、今でも時々子どものときの思い出にふけったりしている。
ドラクエVが発売した1992年、自分は小学2年生だ。そして今年、わが子が小学2年生。自分にとってのドラクエVのような存在は、わが子にはあるのだろうか。きっとそれは本人にしかわからない。
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は、自分の大事にしてきたものを思い出させてくれた、自分にとっては傑作でした。