「日本人ゲーマーのなりきりプレイ」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー Jr Einさんの映画レビュー(感想・評価)
日本人ゲーマーのなりきりプレイ
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最初から、お寒い熱血なりきりプレイだと言っておいてくれれば、こんなことにはならなかったのに。最後の最後にそんなこと突然に告白されて、誰が喜ぶ? ドラクエの世界にワクワクしたくて鑑賞しているのに、その世界は全部紛い物ですよ、貴方たちが応援していたのはゲームの主人公じゃなくてゲーオタの日本人男性ですよ、となってファンが受け入れると思うんだろうか。
ファンタジー世界の主人公へ感情移入して一人称視点で観ていた世界が、急に「どこかの誰か」の視点に変わって「うわー、この主人公ってオレたちだったんだ!」とはなるはずもなく……純粋なファンの心理がまるで解っていないし、そもそも映画の作り方としてもお粗末。全然「ユアストーリー」じゃないし、やるならもうちょっと上手くやらないと。第一、映画を作るのに「捻り」が必要だと考えてしまうこと自体が幼稚な発想ですよ。食べ合わせの悪さで毒物になってしまった好例ですね。
何より、堀井雄二氏がこれを許したのが信じられない。今作は、これまでに築き上げてきたドラクエの世界を、一気に紛い物や作り物の空虚なものへ変えてしまった。ドラクエ世界は作り物で、私はこの映画の主人公と同じなのかと思うと、ドラクエはしばらくプレイできそうにない……。堀井氏は、これで良かったのだろうか。
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