「否定されたというより不要だと思う」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー Akaさんの映画レビュー(感想・評価)
否定されたというより不要だと思う
ドラクエ5はかなり熱心にプレイしてました。それだけに楽しみにしてたんですが……
問題のシーンまではかなり楽しんで見ていました。ビアンカ党としては演技の下手さ加減に最初「ええ……」と思いましたが、途中からは馴染んで来て「悪くないかな?」と思いました。プロポーズのシーンのセリフや表情なんかは最高でしたね。本当は0.5にしようと思っていましたが、ビアンカの魅力でプラス0.5です(井上麻里奈さんを起用すればよかったのに、と思うのですが、スタッフに原作愛、ゲーム愛がないとしか思えないことを考えるとまぁそういう考えにはならんですよね)。
問題のシーンは最悪です。上記のような多少の「?」もひっくるめて世界観に没入したところまで来たのに、一気に冷水をぶっ掛けらて現実に引き戻された感じがしました。
皆様の評価を見ていると、ゲームに熱中している自分自身をバカにされたという怒りも多いようで、私もそれは感じないでもないですが、作中ゲームに対して肯定的な台詞もあるので冷静に考えれば観客をバカにしているかどうかは議論の余地があるかもしれません。でもバカにしていなかったとしても、あのメタ展開はとにかく不要だと思います。ストーリーの盛り上げに何の役にも立ってない。ただ盛り下げるだけ。結果としてドラクエ5の世界を台無しにして終わり、って何がしたかったのか?1800円を払って登っていたハシゴを外された気分。スタッフはあれが本当に面白いと思ってやってるんでしょうか?だとしたらセンスがなさすぎ。管理するスクエニは根強い人気があるコンテンツをこんな形で展開させてよく了解しましたね?それが一番不思議です。
ドラクエ5の小説版を手掛けた久美沙織先生がキャラ名の無断使用について提訴し、クレジットに自身の名前を入れるように要求していましたが、こんな映画に久美先生の名前を載せる必要はないですよ。ニュース聞いたときに「なんで無断使用なんてするのかなぁ」と思ってましたが、原作の世界観を台無しにして平気なスタッフに常識的な手続きがどうのとか分かるわけないよな~と妙に納得してしまいました。