「羊頭狗肉」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー くくまむさんの映画レビュー(感想・評価)
羊頭狗肉
あまりのショックに、冷静な気持ちでレビュー書けるようになるまで3日もかかりました。
これは、ドラクエ5を原案に映像化した作品ではなく、いつまでもゲームに現をぬかしてるお前らを肯定してやるよwほら、この主人なんてまんまお前らだろww良かったな、ゲーマー認められてwwwと嘲笑う作品を見せるための客寄せにドラクエが利用された作品ですね。まぁ、『ユアストーリー』だからと言われれば、そこまでですけど。だから、看板に偽り有りとは言わず、羊頭狗肉とさせていただきました。
当初の宣伝文句(ドラクエ映像化)を生かすなら、VRのあの数分は不要ですし、VRを生かすならそもそも、ストーリーがドラクエ(まして5)である必要は全く無いと思います。
ドラクエ5自体が壮大なストーリーですから、2時間弱の尺に収めるには無理があるのは重々承知の上です。多少のストーリー改変は覚悟してましたし、大体、ストーリーそのまま楽しみたいならゲームやるか実況プレイ動画みろよって話になるので、ここは問題とする部分では無いと個人的には思っています。もちろん、子供時代ぶっ飛ばし、双子の妹存在抹消など、それは無いだろ!?を挙げればキリは無いですが、ゴールドオーブをドラゴンオーブに変更した短縮や、ブオーン先出しなど、なるほどコレも有りかと思わせる演出は十分満足行くものでした、というより、よくこの壮大なストーリーをこんだけ纏めてきたな!とすっかり物語りに入り込んで夢中になれるほど、素晴らしかったと思います。
だからこそ、あの恐怖の数分は、それまでこの世界を楽しんでいた気持ちも全て破壊し、再起不能にするとんでもないものでした。ナニコレ要らないし、というのが正直な感想です。アレさえなければ、良作だったと思います。
最後までドラクエ内の物語で完結させ、その上で、映画の示した今回のドラクエ5の物語は、あくまで選択された1つの世界でしかなく、「あなた」の愛する物語は、あなた(私)の心の中にこそ、確かに存在する~的に、見た者に感想を委ねるぐらいの余白を残してほしかったです。
そうすれば、映画アリだったよね~ないわ~、やっぱ嫁はビアンカ派だけど、今回見てフローラもありかもって思ったわ~とか、ストーリーはしょられ過ぎ改変され過ぎで薄かったからもっかいゲームでやるわー、とかで済んだ話だったはずだし、映画で嫁ビアンカだったからって私がかつてプレイした5の世界が壊れることは決して無いです。ストーリー改変のおかげで、ゲーム本編のネタバレも逆に回避されてますから、映画きっかけにドラクエ5のストーリーに興味持って遊んでもらえたら嬉しいですしね。
結局、どっぷり浸かっていた幸せな世界に突然水をさされ、期待以上に見せかけてからの、壮大な蛇足によるちゃぶ台返しのために、非常に後味悪い思いをしました。無です。何も残らなかったです。看板に騙されました。以上。
全面的に同意です。
楽しく遊んだ思い出に水をさされました。お金も時間も返せとは言わないので、せめてこの映画を見てしまった記憶を消したい…。キャラクターたちがデータとして消失していく風景はただただ辛かったです。