「ドラクエファンなら観るべきではない」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー STUARTさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラクエファンなら観るべきではない
ドラクエファンとしては最低な映画です。ラストでそれまで観てきた時間全てを台無しにします。
気持ちが落ち着いたので個人的なものですが率直な意見・感想を綴りたいと思います。
❶まずこれはドラゴンクエストの映画ではなく、ドラゴンクエストVをモチーフにしたVRを体験している人間の映画である。
❷ドラゴンクエストの映像化をキャッチコピーに、経験の浅い若手俳優を声優に抜擢し、ドラゴンクエストを集客に利用しただけの映画である。
※他のゲーム、RPGでも同様の映画は製作できるでしょうが、ドラゴンクエスト程の話題性、集客は見込めないでしょう。
❸使い古された手法(夢オチのテイスト)で、ラスト不意打ちのように現実に引き戻されます。
多くの人間がゲームや娯楽(映画等)に現実逃避を求めているのですか?そんな方もいるのかもしれませんが、現実と向き合いながら、純粋に一時の娯楽としてゲームや映画を楽しんでいる人間が大半だと思います。
ラストはそんな人間全て否定し、懐かしさで映画館に足を運んだであろう人間の思いのような物さえ冒涜、蹂躙します。
❹100歩譲って、夢オチのようなラストでいいとしましょう。
それに対するフォローがあまりにも杜撰すぎて、ラストの衝撃的な印象しか残らないからこれ程酷評されている。
※監督はあえてそこを狙っていて、話題性のある作品に仕上げたつもりなのでしょうが、ドラゴンクエストに対する思い入れもないからこそできるラストであって、少しでも思い入れがあり、観る側(思い入れのある人間)の気持ちにたったらあんなラストは考えつきません。
❺ドラゴンクエストVを知らずに映画を観る人間に対しても、肝心なエピソードはほぼ端折り、ドラゴンクエストVの世界観をぼやけた曖昧な物にしてしまっている。
※ドラクエの中でも人気の高いV、映画として物語にしやすいVを利用しただけなのがよくわかる。
❻監修を務めゲームを製作をしている側は何を考えて、この脚本に許可を出したのでしょうか?
ゲームは子供だけの物で、いい大人はゲームなんかしてないで現実と向き合いなさい?大人になりなさい?
では、現在子供でこれからドラクエをやるであろう子供達がこの映画を観て、ゲームに費やした時間や思い入れが全て否定される時が来ると分かりながら、あえてドラクエ(ゲーム)をするんでしょうか?
夢を売る側(ゲームを製作する側)が自ら商品を否定しているようにしか思えません。