「ドラクエ映像化で呼び寄せておきながらこの仕打。」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー あべべ ゆっきーさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラクエ映像化で呼び寄せておきながらこの仕打。
最悪の一言に尽きる。
よくある漫画やゲームの実写化をみて憤るのとは全く違う。
改変も構わない。自己の解釈も、まあかまわない。
でも、だまし討はいかんと思う。
CMとかを見る限り、どう見ても「ドラクエ5の映像化作品」である。
最後まで見れば、劇中のメタ伏線やタイトル回収ができる。
「これは天空の花嫁じゃないよ?ちゃんとYourStoryってかいてあるじゃん?」ってしたり顔で言われているようで非常に腹立たしい。前情報でひた隠しにし、人に誤解と期待を抱かせ、最後に「そういうことかー!」ってさせたかったの?
「そういうことね。よくもやってくれたね(殺意)」ですよ。
ドラクエ5の映像化を期待して見ている人を裏切る数々の改変。ドラクエ5ファンならそれだけでも怒るには十分。
個人的には
○子供が二人から一人に
○グランバニアがなかったことにされる。王不在で衰退か。
○過去にもどったとき「お父さんを大切にしろよ」を言わない。
○妖精の国編がなかったことにされる。唐突の妖精女王。
のあたりに少し腹がたったが、尺の都合もあるし、映画化にはよくある改変の程度だと思えば別に飲み込めないほどではないし、そういう世界観と思えば楽しめる。
しかし最後の15分で裏切られる。
100分くらいまでは
「ドラクエ5をベースに、少し改変があるけれど、それはそれで面白い。映像きれい。迫力もある。音楽は…後半はドラクエ5少なめだけどまあいい。泣けるシーンの再現もよかった。ゲマのあとミルドラース倒すのかな?どうなのかな?」
エンドロール
「これまでの感動を返せ。ビアンカもフローラもかわいいと思っていたけど全部AIとの会話だったのね。Si○iの会話と同じプログラム済のものだったのね。それを知ってどんな気持ちでその後の息子とビアンカとのやりとりを見ればいいの。そこには感情はない。主人公は、ドラクエ5キャラのAIと会話してる現実に疲れたサラリーマン、俺たちそのもの。ドラクエの主人公は自分自身。ドラクエのコンセプト通りってか?馬鹿か。ゲーム世界はもう一つの現実?知ってるわ!だから観に行ったんだ。もう一つの現実に浸るために行ったんだ。そういう作品プロモーションだっただろ。だったら最後までもう一つの現実を演じろ。YourStoryね。はいはいワロスワロス。」
現実にもどれって言われたことが腹立つんじゃなくて、現実からゲームの世界に行ったつもりだったのに、そこは現実でしたってところに腹が立つ。
言いたいことを書きなぐりましたが、映画をみてこれほどの怒りが湧いたこともないし、それをレビューとして発露したこともないです。
それほど人の心を動かす作品です。
最後に。ポスターにちゃんと
「ドラクエの主人公はあなた自身。これはドラクエではなく、あなたの物語」
とでも意味深に書いとけ。
最後の15分以降の記憶を抹消したい。以上。