劇場公開日 2020年9月11日

「原作好きからするとイマイチ」窮鼠はチーズの夢を見る Nocco0874さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0原作好きからするとイマイチ

2021年5月2日
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お洒落な空間演出してんなぁが第一印。
そして、結局ラストまで第一印象のままでした。
監督が行定勲だから少し悪い予感してたんだけど、原作が好きで期待してただけに残念でした。
この話は、確固たる芯を持てなくて自分を好きになってくれる相手ばかりを受け入れていた人間が、とうとう同性の後輩にも絆されて、ずるずると迷いながらもやがてそれが本当の愛に変わり、自分の全てを受け入れてくれる女との生活を捨てて困難な恋愛の方を選ぶ、そんな大伴恭一という男の一つの成長物語として捉えていたのですが・・・。
原作だと所々コミカルな所があって会話劇的な要素もありテンポも良かった分、会話が減って雰囲気で見せようとするこの映画はなんか暗くて間延びして後半は飽きてしまいました。

原作のラストシーン、大伴恭一の覚悟が滲み出てハッピーエンドのようでそうではなく、愛する2人が一緒になったのにお互い同じ想いではないのだと、それでも今一緒にいる事を選ぶ刹那的な終わり方に心震えたのに、映画はなんだかお互い踏み込まずにまるでお洒落な広告のシーンのように終わって反吐が出ました。

Nocco0874