アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

劇場公開日:

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

解説・あらすじ

これまでにも何度も映画化や映像化がされているフィンランドの古典的名作小説「無名戦士」を映画化し、同国史上最大のヒット作となった戦争映画。第2次世界大戦時、祖国防衛のためソ連軍を相手に戦ったフィンランド兵士たちの姿をリアルに描いた。1939年から40年にかけて行われたソ連との「冬戦争」で、独立は維持したものの、カレリア地方を含む広大な土地を占領されたフィンランドは、翌41年、なおも侵略を計画するソ連に対し、ドイツの力を借りて立ち上がる。これにより冬戦争に続く「継続戦争」が始まり、フィランド軍兵士たちは果敢にソ連軍へ立ち向かっていく。年齢や立場、支える家族など、それぞれ異なる背景を抱えた4人の兵士たちを中心に、戦場で壮絶な任務にあたる兵士目線に徹して戦争を描いた。

2017年製作/132分/PG12/フィンランド
原題または英題:Tuntematon sotilas
配給:彩プロ
劇場公開日:2019年6月22日

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映画レビュー

3.0淡々と戦場を描くだけでもドラマは生まれる

2025年6月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

第二次世界大戦、フィンランドは枢軸国側だ。つまり負ける。
前半は前の戦いで失った土地を取り戻すべく前進。ただ戦闘と前進を繰り返すのみ。後半は撤退、撤退、撤退。
過剰なドラマもほとんどなく、非情な戦場を描き続けるのみ。
人もバンバン死ぬ。戦争映画なんだから当たり前だろと思うかもしれないが、この手紙を家族に渡してくれとか、神に祈ったりとか、死にたくないと喚いたりとか、そんな映画的なものはほとんどない。ただバタリと倒れ次々に屍となっていく。

一番の主人公格であるロッカが多少語るが、この戦いの意味や負けることの意味を過剰に言葉にすることもない。
本当に前進と戦闘と撤退がほとんどで、群像劇のような作りなこともありキャラクターの認識すらおぼつかない。
それでも何かを感じることができるのは、至るところに散りばめられた一瞬の描写にある。
例えば、前進していたときは体に悪いからと煙草を吸わなかったロッカが撤退中に煙草を吸っているシーンがある。あれだけ勇敢に戦っていたロッカでさえ心が折れたことを表す。
そんな一瞬が積み重なって悲劇や勇気や場合によっては政治的な何かとか、人によるだろうが映画が訴えている何かを受けとることができる。

淡々としていて戦闘以外の刺激も少なく、見方によっては退屈ともいえるわけだが、それでも普通に観ていられるのは、まず一番にCGを多用しないリアルな戦闘シーンにあると思う。
1シーンで使われた爆薬の量でギネス認定を受けたそうで、その本気度がうかがえる。

そしてなにより、戦場の空気感の表現に優れていたように思う。
邦画などではお金を出す方々の意向により映画であってもテレビドラマのような明るい画で、これが邦画がよくテレビドラマクオリティと低評価を受ける一番の理由だと思っているのだが、本作はそんなことはない。
暗くて見辛いというわけではなく、あくまで空気感だ。気温や湿度がこちらに伝わりそうな空気感。戦場にいる名もなき兵士の心情を表すのにこの空気感が後押しする。

傑作だとは思わないけれど、日本人にはわからないフィンランド人には刺さるものはあるようで、その年のフィンランドで興行一位だったそうだ。
こういった作品がヒットする土壌があるのは映画ファンとしてなんだか羨ましいなと思った。最近の日本だとアニメ映画か娯楽系大作しかヒットしないからね。

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つとみ

3.5オーソドックスなあじ

2025年6月1日
iPhoneアプリから投稿

戦争映画は少女漫画ばりの様式美がある

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mehy

3.5あっさりと命を奪い去る戦争の悲惨さ、そして銃撃戦だけでなく手榴弾を用い更に戦車も登場する迫力ある戦鬪シーン

2022年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 5件)
Kazu Ann

4.0戦争は、どの国でも同じように悲劇だということが分かる

2022年4月27日
iPhoneアプリから投稿

フィンランド軍人のそれぞれの視点で戦争と向き合う様子が描かれる。

戦争をする理由において、上層部が考える国として思いと軍人個人の思いの違い。

最前線の軍人をただの駒として扱い、現場を理解できていない上層部。

上官の命令には従わないが、勇気ある行動と技術でたくみに相手に攻め入る中高年の軍人。

母国に残る家族を思いながらの戦い。

攻めたロシアの女性と恋する軍人。

どの国でも戦争とは悲惨なことでしかないことが分かる。

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hiro

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