劇場公開日 2019年5月24日

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「ダサ子」貞子 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ダサ子

2019年10月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

寝られる

貞子が恐怖と悲劇のキャラからイロモノ的なマスコットキャラに成り下がって久しい昨今。
このままじゃアカン、このままじゃダメだ!…と、製作側が言ったか言わぬか知らんが、ある人物を復帰させて、またまたまた這い出てきた貞子さん。
その人物とは…
中田秀夫!
言うまでもなく、『リング』第1作目の監督!
ジャパニーズ・ホラーマスターが、この世界にカムバック!
力をお借りして、軌道修正、原点回帰。こりゃ期待するっしかない!

…と、それも見る前まで。
もはや中田秀夫を以てしても…。

えっとねぇ、まず、始まり方。
一応今回の話の基であろうエピソードで始まるが、何と言うか…、こけおどし的と言うかチープと言うか、あの飛び出す駄作や対決&フュージョンしたトンデモ作や昨今のパッとしないホラーの類いと大差無い。
『リング』第1作目はこんなんじゃなかった。あの不穏な作風は何処へ…?
あ、そうだった。中田秀夫も最近のホラー作はビミョーなものが多い。
当初の期待は幻のようなもので、そもそも端から期待は持てなかったのかもしれない。

話は…
心理カウンセラーの茉優の元に、記憶障害の少女が入院。その女の子はある火災事件の生き残りで、母親こそが放火した犯人。一体、何があったのか、この女の子は何者か…?
茉優の弟・和真はYouTuberとして活躍しているが、不人気。人気アップの為和真は、ある事件現場の侵入撮影を行う。それは奇しくも、姉の病院に入院した少女が生き残った火災現場。そこで何かを目撃し、和真は失踪…。
弟を探す茉優。やがてこの無関係と思われた2つの出来事の先に、貞子の呪いが…。

あらすじだけ見ると、そう悪くは無さそう。それこそ、飛び出す駄作やトンデモ対決&フュージョンよりかはマシ。
でも、実際見てみると…。

火災の生き残りの少女。不思議な力を持ち、霊能力者だったキチ○イ母親から、「お前は貞子の生まれ変わり」と言われていた。
ここが今回の重要ポイントと思って見ていたら、何か貞子とは特別重要な繋がりでもなく、間接的と言うか何と言うか、肩透かし。
SNS時代だから、VHSじゃあ時代遅れ。と言う事で貞子も、“見たら呪われる”から“撮ったら呪われる”へ進化。
今の世の中、何でもかんでも動画撮影してSNSにアップ。貞子さんも流行りに便乗して呪う。
だけど、それってもはや貞子と言えるのかなぁ…?
貞子というのはやはりどんなに古臭く思われても、VHSを見たら呪われるというのが怖い。それだけは変わって欲しくなかった。
語り継がれる恐怖とかって、昔から何ら変わらない。変わらないからこそ怖い。その変わらぬ怖さが我々の身に染み付いている。
貞子の設定が変わった時点で、それは世の中の動きを取り入れたと勘違いしている製作側の勝手であり、かつてのような恐怖の対象としての貞子は無きに等しい。

作品の度にコロコロコロコロ貞子の設定が変わるのも問題。
今回の話って、どの話の続き?
『1』~『0』の後日談?
飛び出す駄作?
まさか対決&フュージョン…?
それとも、これはこれの全く別のオリジナル…?
一貫性が無いから話に面白味が感じられない。

そして、これをいっちゃあおしまいだが、今回の話、別に貞子でなくとも成り立たそうとすれば成り立つ話である。
何だか無理矢理貞子と結び付けている感じで、絶対な必然性を感じない。
『リング』や貞子とは別物の、一体これは何々でしょう…?

それでも少なからず悪くはなかったと思える点も。
茉優が和真が残した動画を見るシーン。本作一番の唯一のと言っていいゾクゾクさせる。
先ほど一貫性が無いと言ったが、一応本作はおそらく、『リング』第1作目の後日談。監督が中田秀夫なのだからそれくらいのリンクあって当然。その第1作目で貞子と遭遇した佐藤仁美が同役で再登場。それほど話に深く関わるって訳ではないが、貞子の呪いやシリーズの繋がり、『リング』第1作目の映像も再使用したりしてニヤリとさせる。
ラストは貞子の生まれた伊豆大島へ。あの島が舞台になるのも久々。ここ最近の貞子関連の作品ではちゃんと当初の設定を引き継いでいる点も。

シリーズのお約束、美人ヒロインに選ばれたのは、池田エライザ。クールビューティーな魅力はホラーに合う。
不思議な少女、姫嶋ひめかはゾクッとさせる目付きやなかなかの美少女っぷり。
でも最たるは、佐藤仁美の怪演と渾身の死に顔…(笑)

支離滅裂な話、ラストのグダグダ感、呪いは終わらない!な定番のオチ…。
何だか全てに於いて、貞子だけではなくジャパニーズ・ホラーの完全なる息切れを感じさせる。
もはや貞子やジャパニーズ・ホラーもここまでか…。
結局ジャパニーズ・ホラーにまた一つ駄作が増えただけ。
これじゃあ“貞子”ではなく、“ダサ子”。

貞子やジャパニーズ・ホラーが再び日本中や世界を震え上がらせる日は、もう来ないのだろうか…?

近大
アキ爺さんのコメント
2019年10月21日

ダサ子に思わず噴いてしまいました!

スゴい!今までリングシリーズほとんど観てるのにダサ子の発想はした事なかった!

アキ爺
まゆげさんのコメント
2019年10月17日

VHSから進化するっていうのはリングの根本にある設定なので、今映像化したからとかそういった話では多分ないと思います。
発売当初に小説をよんだきりなのではっきりと覚えてはいないのですが、貞子の遺伝子情報(子供)をより沢山広めるのがリングウイルスの習性なので、作中でもVHSのダビングよりも効率的に広められるという理由で小説を読むことでの感染へと進化を遂げてます。
なので、VHSというかレトロのほうが怖く不気味に感じるのは私もまったく同意なのですが、時代に沿ってウイルスが進化するのは元から備えてる要素なのでこれは仕方ないことだと思われます。
雰囲気や怖いからって理由で変わらないとしたら、それはもう逆に貞子ではないということです。
最近の貞子が良いってことはないですけどね・・・

まゆげ
コンブさんのコメント
2019年10月16日

えっとね( ̄◇ ̄;)

笑った😂

コンブ
CBさんのコメント
2019年10月16日

ふふふ。残念感に、同感です

CB
2019年10月16日

えっとねぇ
がツボww

巫女雷男