「邪悪との共鳴、先の交流に期待」貞子 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
邪悪との共鳴、先の交流に期待
どうした中田監督!とても面白いぞ!
どうせ今回もズンドコしたすっからかんムービーだろうと思っていたのに。申し訳ない。そういえば元祖リングの監督だった。
程よい恐怖のホラーアドベンチャー。
少女の悲しみや怒りに共鳴し召喚された貞子がどう動くのか、この名も無きサイキック少女がどちらに転ぶのか。
智子の死以来精神を病んだ倉橋雅美の狂気、バズる動画を撮りたかった和馬の行方と茉優の愛。
色々な要素が絡み合いひたすらに先が読めないストーリーが面白い。
心を閉ざした人間と普通の人間との交流にはどうしたってキュンキュンするもので、「あの子」に対し心から優しく接する茉優と彼女にだけは心と口を開く少女のやり取りが非常に胸打って堪らなかった。
霊能者の娘に生まれ、おそらく母親より強い力を持っていた少女。貞子のように。
貞子に着いて行くことも怨みに満ちた邪悪にもなることも出来るのに、そうはならず過去の死者に心を痛めたり恐怖を感じたりして、普通とのバランスをギリギリで保っている様子。
茉優の優しさと強い想いに触れた時に流す涙がとても愛らしい。
どうせなら貞子とも通じ合えたらいいのに。
純粋な邪悪と人間の交流は無理なのものか。
共鳴しても思い通りには動いてくれないものか。
茉優も「私がついてる!」と少女に強く言ったのだから、最後は安易に崩壊してしまうより貞子と向き合う覚悟など持ったりすると大興奮できるのに。
しかし目の前でたった一人の肉親を連れ去られているのだから無理もないか…。
親に捨てられた寂しさを唯一癒し元気つけてくれていた和馬。
和馬…和馬!私はあなたが大好きだよ!頑張ってお姉ちゃんを助けたのに逝ってしまって非常に悲しいよ!自分の恐怖より姉のピンチを優先するその精神が素晴らしいよ!
「必殺!顔面シワだらけ!」のつまらない落ちギャグも一気に泣けるものになってしまう。
禍々しいあの動画をほぼフルで観られる嬉しさ。
事件現場の恐ろしい空気がそのまま伝わってくる。肝試しムービーは何でも怖い。
セット頑張ったな…などとついつい思ってしまう。
動画をアップした後、あの大島の祠に和馬は一人で向かったんじゃないかと思う。
削除はされてもせっかくバズった動画の続編を撮るために。
和馬の頭脳レベルからして自力で山村貞子まで辿り着く事が出来るのかはわからないが、それこそ導かれるように向かったのでは。
祠に閉じ込められ何を見たのか、何かされたのか、恐怖で全脳細胞が満たされている迫真のリアクションが最高。怖がるあなたの様子の方がむしろ怖いよ。
ビデオの連鎖や貞子である意味はほとんど無いので、恒例に囚われず自由な解釈ができるのが楽しい。
和馬は不躾にあの現場に入って動画を撮ったから、茉優は少女を助けた代理に、二人とも貞子の元へ引きずり込まれてしまったのかも。
倉橋は…20年前に殺しそびれたから、いやもしくは茉優に襲いかかる様子を見た少女がそう願ったからかな。
倉橋雅美の死に様が素晴らしすぎる。
呪いの流れ弾が20年越しに効いてくるなんて。
貞子も「お前あの時の!」とびっくりしただろうな。良き邂逅である。
「久しぶりに会えたし殺したろ!」みたいなノリだったら笑える。
そしてあの死に顔である。ああ恐ろしや。
全力で地を這ってくる貞子を怖くないとは言わせない。あんなの一人暮らしの家でやられたらと思うともう…!
爪が剥がれてボロボロの指先が大好き。
恐怖の対象としてメインに存在する割には活躍が少なかった気もするが。
その分他の精神的な重みでカバーしてくれるのでオールオッケー。
貞子の長所は、髪の毛が前面に垂れ下がっているから顔が見えないところだと思う。
悪霊のビジュアルはやはり目や顔が一番強いので、そこが隠れることで、ミステリアスで不気味な塩梅と後に引きすぎない恐怖感が保たれるんだと。
何より最後に一瞬見られるガン開きの目のインパクトもより鮮烈に感じられるのもまた良い。
石田のキャラが不要だとか、貞子のアイデンティティ喪失だとか、細かいツッコミはあるけどそんなことどうでも良いくらい本筋が面白い。
そもそも私はつい先日リングを初めて観たのでシリーズへの思い入れが無く、だいぶフラットな視線で観られて楽しかった。
でもこれからシリーズを頑張って制覇したいと思う。貞子と邦ホラーの魅力に引き込まれた。
ただすごく気になるのが、YouTubeやGoogleの名前が使えないと途端に作品が鈍臭くなること。
映画オリジナルのスマホ画面なんかも同じく。
権利関係や許可の問題なのかよくわからないけど、この辺のリアリティが無いのは結構大きな穴だと思う。
日常に欠かせないネット環境の設定がリアルに出来たら最高なのに。
いや本当、期待に反して非常に楽しい映画だった。
少女がICUに入った時、ベッドの端にちゃんと人形が座っているのがとても好き。
医者たちの気遣いだと思うと胸キュンである。でもあれ、祠に落ちてた人形だよね。いつ彼女の手に渡ったんだろうか。
ですね。溢れる酷評に腹立ちテンション高めにありったけの抵抗をしてます!笑
ダビングして回せば許される謎の緩さ好きです。
いつもたくさん褒めてくださってありがとうございます。
語彙力ありますかね…自分の気持ちをぴったり表す単語がたまにわからなくなって結構ウンウン言ってますよ笑
そう言ってくださるとなんだか嬉しいです!!
んン~?!
“ひっそり”というより、「ワイガヤ」絶賛してる気がしますけどもぉ、ニャハハ(^_^)/
あっ!そっか!貞子って、ビデオを観ただけで自動的に殺すキャラでしたねぇー♬納得納得ぅ~(^_-)
そうそう、KinAさんのレビューは、国語(言の葉)の勉強になってますっ☆
文章表現は比肩することが出来ないくらい超独創性に溢れハミ出してて真似できませぬが、単語はシッカリ習得させて貰ってますワ(^_^)v
今回は、『邂逅』って単語!!!初めて見た聞いた知りましたーσ(^_^;
なんという語彙力なんだっ!素晴らしいっ☆今後ともイロイロな言葉に出逢わせて下さいませ・・・、合掌♬
ありがとうございます!!
この酷評の嵐の中、ひっそりと絶賛しております。
姉弟、かわいそうですよね。
元々「呪いのビデオを観た」ってだけでガンガン殺しまくる貞子ちゃんなので慈悲は浅いんでしょうね!
合点承知の助になってくれて嬉しいです!
全ては憶測ですが、余白を埋める作業が楽しいのです。
ダイバーシティ、身に付いてますかね…結構偏屈な性格なのですが、映画に対しては柔軟になれるようです。
KinAさんに続けっ!と血気盛んに・・・、いや、おっかなびっくり観賞しましたぁ~♬
うぅぅぅ、女医姉弟が可哀想すぎぃー(>_<)親に捨てられ、姉弟で励まし合い、道を逸れることなく、真面目に生きてきたのにぃ・・・、貞子ってコレッポッチも容赦ない悪霊なのですネ、コワイコワイ(^。^;)
いやぁ~、KinAさんの解釈のおかげで、主要キャラ3人が殺された理由&疑問???にナルホド合点承知の助と相成りましたぁー☆ありがとサンキュキュッ(^_^)v
KinAさんの多角的&多面的な考察・視点によるレビューは、どんな映画も面白く感じさせてくれますネ!!!
きっと、真の ダイバーシティを身に付けてる御仁なのでしょー、感服ぅ~(^_-)-☆