劇場公開日 2020年3月20日

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「暴力、殺人、レイプと、内容的にはとても人に薦められるような作品では...」人間の時間 省二さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5暴力、殺人、レイプと、内容的にはとても人に薦められるような作品では...

2021年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

暴力、殺人、レイプと、内容的にはとても人に薦められるような作品ではないが、人間の欲望が剥き出しとなる展開は見応えがある。
食料がなくなり、極限状態に追い込まれると人間の肉も普通に口にするようになるという地獄絵図。
藤井美菜が3人の男に相次いでレイプされた直後に妊娠。
男の一人が「さあ、誰の子かな?」とふざけ、美菜もショックを受けるが、レイプされて数日で妊娠するわけもなく、恋人だったオダギリジョーの子どもと考えるのが普通だろう。
そのオダギリジョーの扱いが酷い。
恋人をヤクザにレイプされ、自分はボコボコにされた挙句、ナイフでめった刺しにされて殺され、海に捨てられるという・・・・・・。
最終的に一人生き残った美菜は船上で出産、自給自足の生活をしながら子どもを育てる。
これも一応のハッピーエンドかな、と思ったがまだ終わりではなかった。
さらに十数年が過ぎ、美菜は性に目覚めた息子に襲われ、林の中を逃げながらのエンディングとどこまでも凄まじい。
世界に女が一人しかいないとなると実の母親だろうがお構いなしという、究極の人間の欲望が剥き出し。
すごい作品だった。

省二