サイダーのように言葉が湧き上がるのレビュー・感想・評価
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小さな佳作。王道の恋愛ストーリー、安定してます。でも、レコードの持ち方間違ってるぞ!!
自分が子供の頃は、それこそ古くさい、「明治、大正生まれ」が「お爺さん、お婆さん」で、関東大震災はおろか日露戦争も記憶にある世代、完全白黒写真の世代が「爺さん婆さん」だった。当然昔の写真見ても古臭いし、テレビ世代の我々子供と大きな溝があった。
そうだよなぁ!今は戦後高度成長期に若かった世代が「お年寄り」だから、もうカラー写真、「スター」では無くて「アイドル」の世代がお年寄りだもんなぁ。と、思い出のレコード探す老人、若い頃の長髪見て思った。
ストーリーは王道、舞台は今風で、田園にいきなり、そびえるショッピングモール。それとその中に入っているのか隣接しているデイサービス施設。コミュニティ障害気味の俳句が趣味の男子高校生?と歯の矯正がコンプレックスの女の子の一夏の甘酸っぱいストーリー。SNSやスマホが重要な小道具で、逆に短歌の季語の辞典?持ち歩く青年の存在感を際立たせる。ちょっと挫折はあるけれども、最後は予定調和的に恋愛大団円でカップル、女性には特にオススメ。
ただ不覚にも、起承転結の真ん中で寝落ち、ポイント無料鑑賞で再度ニ度観しましたが、やっぱり「承」の部分でまたしても、寝落ち、「起承転結」の「転結」部分は繋がったのでまあいいか?なんか眠りの仕掛けでもあるんだろか??不思議。・・・至って単純明快な楽なアニメなのに。それはそうとこの映画自体は2回とも30人程度の入りで空いていたのですが、朝も早よから昼まで「鬼滅」のポスターと「モルカー」だか「ライダー」だかのグッズ販売で売店は大混雑。「鬼滅」いまだにグッズ販売って・・アコギな商売だなぁ。
なんか、爺さん探すレコードの見つかり方が不自然で首かしげたくなりますが、ショッピングモールの敷地は元レコード工場で、そこに勤めていたと思われる爺さんと妻の思い出探し、レコード探し。爺さんボケてるけどもいい味出している。
ただ、お嬢さん、レコードは溝がすべてだから、指をかける持ち方。間違ってるぞ!!ってツッコミ入れたくなりました昭和世代としては。最初昭和の最後あたりにCD登場した時は「なんじゃ!コレ。音楽はレコードじゃないとダメだよ。」と思ったクチだから。
湧き上がるのは言葉じゃなくて不満点
約一年間おあずけされていた本作。ずっと楽しみでしたが蓋を開けてみると良くも悪くもない中途半端な映画でした。
別にここがつまんない!みたいに大きな悪いところがあるわけじゃないんですよ。たくさんの小さいモヤモヤが心に残ってしまうんです。
まずは良かったところから。大きく3つ。まず1つは声優さんの演技ですね。杉咲花さんの声は可愛くて幼い少女の様子が出せていましたし、市川染五郎さんはかっこよすぎずどこにでもいる人付き合いの苦手な男子の声を上手く出せていましたね。山ちゃんなどは言うまでもなく。
2つ目は歌。キーポイントであるYAMAZAKURもネバヤンの主題歌も。これを聞くだけでも行く価値はあるのではないでしょうか。
最後は俳句のクオリティですね。エンドロールによると高校生の方が考えているらしいです。うまく表現できませんが良い句でした。
さて、ここから気になったところを挙げたいわけですがだいたい掘り下げ不足が原因なんですよね。キャラクターにイマイチ共感できないし好きになれないのも、問題のの解決方法が雑だったり、これで映画終わっちゃうの?ってなるのも。もうちょっと上映時間を長くしてストーリーもキャラクターも掘り下げてほしかったです。
きっと夏休みなのに一人で映画館行くような私はお呼びでなく、恋人同士で行けば楽しめるのだと思います。恋人がいる方か歌が好きな方なら楽しめる作品だと思うなので是非ご覧ください。
「恥ずかしい」と言う概念
デイホームで働く人前で話す事が苦手なチェリーは自身の出っ歯に強いコンプレックスを持つスマイルと出会い…。
「恥ずかしい」と言う概念に悩む少年少女が1人の老人のために奮闘し成長する物語と演出も好みな作品でした。
嫌な人物がほとんど登場しないので心穏やかに鑑賞出来るが、この手の作品にありがちな共感性羞恥心が強い人には苦手なシーンががっつりとあるのでその部分だけは注意が必要です。
「恥ずかしい」と言う概念と向き合う話なのは分かるけどやっぱりそう言うシーンは苦手でした…
己が吐く言葉でしか伝わらない思いがある
公開延期された結果、梅雨も明けて夏の訪れを感じさせる素晴らしい作品になっていました。
何といっても杉咲花さんの声が繊細な心情を見事に表現している。彼女が演じたキャラクターがコンプレックスを乗り越える方法が、さり気なく丁寧なのも良かった。
ラストシーンはアニメでしか感じさせることのできないカタルシスのあるものになっていたし、その続きを見せないことで見事に余韻を残していた。
冒頭のスケボーシーンの奇想天外さとそのキャラクターの愛せなさ…SNSでかなりのフォロワーがいるなら居住地がバレるような配信はしないのでは…そもそも連絡先の交換はしてないのか(遠距離恋愛が前提にない)…と気になるところもあったがご愛嬌。
おじさんにとっては青春コンプレックスをくすぐる爽やかな一本でした。夏が来るたびに見直したい。
日本語の勉強はいいけど落書きはダメ
ヘッドホンとマスクを外す話
大分前から予告編はで見ていたけれどコロナで上映延期され、その間劇場に行く度に予告編を見せられ、いったいいつになったら上映するんだ?
正直、予告編見過ぎて辟易していました。ですので作品に罪はないものの見る前から期待値が下がっておりました。
「竜とそばかすの姫」よりはましだろうな程度におもいつつ鑑賞してみました。
いや~面白かったですよ!
鑑賞前の負の感情なんかものの数分で吹き飛ばされました。
色合い、風景、キャラクターデザイン、どれも個性的で新鮮でした。
ビビットカラーと言うか、なんだろう配色がいいんですよね、懐かしさと現代のお洒落さとの融合的な感じが刺激的でしたね。
背景はCG多用されてましたが、けっこう記号的な感じで本作の世界観になじんでたし、そこまでの違和感もなく上手な使い方だったと思います。
癖が強すぎることもなく世界観が構築されてるので違和感なく見てられます。
物語はよくある「夏の恋」的な青春ものですが、俳句少年と出っ歯少女の劇的急接近型の恋ではなくジワジワ距離が縮まる遅延型の恋。個人的に大好物です。
予告編で見た以上の事はほとんど起きないので、展開も読めるしぶっちゃけ驚きは少ないのですが、それを補って余るほどの不思議な魅力はあります。
恋と引っ越しとレコード探しが本作の大筋なので、アクションシーンなんか生まれるはずもなく動き的に退屈になるかと思われますが安心してください、冒頭でなかなか見ごたえあるスケボーシーンが有ります。
本作唯一のアクションシーンなだけに気合が入ってます。制作側のアニメは動かしてなんぼって意思を強く感じますね、スピード感、グニョグニョ、ヌルヌル動く作画、楽しかったすね~。
アクションシーンはさておき、日常も全体の作画安定してるし、クオリティは間違いなく高いのでアニメとしても満足できます。
主人公役の市川染五郎の演技もよかったです、素人過ぎずかつプロ声優ぽくもなく、等身大の青年、チェリー君を上手に表現できていた様におもいます。
ヒロイン役の杉咲花、これはもう文句なしで上手でしたね。圧倒的ヒロイン感、声から伝わる可愛さがスマイルにピッタリ合致しててとっても良かった。
本業の女性声優を起用してかわいいスマイルが見れたと思うのですが、本業じゃない杉咲花だからこそ出せる説得力があった様に思いす。
登場人物はそこそこ居るのですがほとんど説明がなく、どんな人物なのか掘り下げてないのですが不思議と全然気にならない、友達なんだなとか姉妹なんだなとかその程度のざっくり感。
下手に説明を入れず、会話だけでなんとなく人物を想像させ、行動でキャラクターを立たせる。お見事な脚本&演出でした。
劇中何度もでてくる田んぼの畦道が印象的。
帰り道で何気ない会話、青春ですね~、学生時代思い出しますね~。
畦道のシーンは二人の心の距離を上手く表してるいい舞台装置でした。
そう言えば「漁港の肉子ちゃん」でも田んぼの畦道シーンが何度かありましたね、これもいいシーンでした。
通学路、通勤路って毎日通から何にも意識してなかったけれど、ドラマが隠れてるんだな~。
この作品は正直言って知名度低いし大ヒットはしないだろうけれど(ヒットしてほしい)、夏にピッタリの青春映画です、学生が見ても楽しめるし大人が見ても楽しめる万人向けの映画だと思いました。
知ってる人だけ、見た人だけがわかる、お得感と言いますか、隠れた?名作になるのではないだろうか。
ここからは完全に妄想ですが
数年後とかに夏休み期間中に昼間TVで放送して、たまたま見てみたら思いのほか心に残った、レンタル店で見つけて期待してなかったのに意外とよかった、サブスクで配信されて気軽に鑑賞したら感動した。
ノーマークで暇だったから見てみたらめっちゃ面白かった!みたいな感じで、思春期の方々にいい意味で影響を与えるんじゃないかな?
家族や友人とわちゃわちゃしながら見るよりも、一人で見て、一人で楽しんで、心の中にそっとしまって置きたくなるような作品。
あんまり宣伝しないでTV放送されて、世間の目に留まり再評価される。って未来が私には見えた!(何言ってんだこいつ?)
「竜とそばかすの姫」よりよっぽど夏休み映画です。
制作者の方々、楽しい作品ありがとうございました。
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劇中セリフより
「山桜」
季語の成り立ちとかレコードとか前歯とかいろんな要素が含まれてて凄い。
花見の季節はとうに過ぎたけれど、緑の葉を元気いっぱい広げた山桜を見るのもいいかも知れませんね。
前評判とは違って声優の演技がとても良かった
主演声優に対して余り演技力が感じられないと言う辛口の書込みがあったので、期待せずに観たのだが全くその様なことは無く声優が本業ではないのにむしろ上手いと感じた。
ストーリーにも自然に引き込まれて行き、少しうるっとくるシーンしっかりとあり、ボーイミーツガールストーリーだけにとどまる事のない物語性があった。
時間や年月経過と恋愛を描写していて思いがけず考えさせるシーンも有った。
何も予備知識無しで観に行くことをお勧めします。
80年代のシティ・ポップとグラフィック・アートに彩られたボーイ・ミーツ・ガール
歌舞伎界の新星・市川染五郎さんと若手トップ女優の一人、杉咲花さんが声優で共演したフライングドッグ10周年記念作品は、80年代のシティ・ポップとグラフィック・アートに彩られたボーイ・ミーツ・ガールの青春ストーリーが甘酸っぱく、サイダーのように弾けて展開する。
主人公の二人はコンプレックスを夫々抱えていて、少年・チェリーはコミュ症で、人から話し掛けられないようにベッドホンをいつも着用し、少女・スマイルは矯正中の前歯を隠す為にいつもマスクをしている。
趣味の俳句でしか自分の気持ちを表に出せないチェリーと、人気動画主でありながら見た目のコンプレックスを克服出来ないスマイルが、或る切っ掛けでショッピングモールで出会い、SNSを通して交流していく。
やがて、チェリーのバイト先であるデイサービスを利用するフジヤマ老人の想い出のレコード探しを二人して手伝うことにする。
レコード捜索の中で二人の距離も縮まっていくが、レコードが個人的な想い出と密接に繋がっていることに彼らは気付くが、思わぬアクシデントもあったりして、フジヤマになかなか想い出を取り戻させるには幾つものハードルが立ちはだかっていく。
果たしてフジヤマ老人の想い出のレコードは、そしてチェリーとスマイルの恋の行方は?
私にとっては懐かしさ一杯の80年代のシティ・ポップテイストの音楽や、そのレコードジャケットを彷彿させる色彩をはじめとしたビュジュアルで描かれる青春ストーリーは甘酸っぱく、そしてサイダーのように心の中で弾けます。
最後のシーンの続きが気になった
コミュ症で内気な少年チェリーとSNSでライブ配信をする今時の女の子スマイルの甘酸っぱい夏のお話。
キャラクター個性やその関係性が作り出す雰囲気はすごく良く、まったりゆったりと楽しく観れます。
中心市街地よりももう少し田舎かな?と思わせるまちがを舞台に、今と昔をつなぐストーリーも良かったです。
サイダーのように湧き上がる言葉は、嘘偽りなくどれもストレートに刺さってきました。
頑張ったね。言っちゃったね。と親のような気持ちになりました。
ストーリー最後の後、2人がどういう言葉を交わしたのか、気になります。
テレビCMで見た限りでは…
主役のうち男の子の方(市川染五郎)が完全に棒。
もしかしたら、俳句を読んでいる場面でそのように聞こえるだけのかもしれないけど、だとしてもこの言葉(シーン?)を大切なCMに使うのはおかしい。
それだけでこの映画を見る気持ちが萎えてしまう。
未見なだけにそこが残念な気がしてならない。
女の子(杉咲花)は、なかなか宜しいかと。
星は彼女に献上。
懐かしさが随所で蘇る作品。
シティポップ調の絵なのにどこか懐かしい風景。
そこに加わるいくつもの俳句の数々。
ずっとこの世界を見ていたい。。。
そんな映画でした🌻
どこにでもある日常だけど、ちょっと特別。
ショッピングモール近くの田んぼ道を
主人公の2人が通るシーンが特に好きでした。
この作品の大きなキーワードの一つであるレコード。
20代前半の私は直接レコードに触れたことは
ほとんどありませんが、
通っていた幼稚園がレコードを使っており、
レコードプレーヤーの針がレコードに触れるまでの
わずかな時間。
どんな音楽が流れてくるのだろうと
ワクワクした気持ちを久しぶりに思い出しました。
たくさんの懐かしさを届けてくれる
とても素敵な作品でした。
心から観て良かったと思います。
やばい。油断した。心に刺さって涙が止まらない。
1970年代に青春をおくった私の心に刺さりまくった。舞台は現代の地方都市、高校生のひと夏の恋の始まりなのだが。シンプルなボーイミーツガールなのだが。スマホなんか活躍するので「哀愁」「君の名は」のようなすれ違いにもならないのだが。でも超古典的な恋話として剛速球のストライクにしてやられた。日本人にしか通用しづらい「俳句」をモチーフに展開するのも響く。登場人物たち(特に男子たち)の役割とキャラが計算されて素晴らしいバランス。で、キーになる音楽が大貫妙子!もう打ちのめされる。エンディングクレジットに流れるテーマ曲も、おそらく「はっぴいえんど」に大いに目配せしてるんじゃないかなっていう仕上がり。もう、油断して観てしまい、してやられ、そのビビッドに描かれた70年代的な恋の姿に、涙が止まらない。やばい。
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