サイダーのように言葉が湧き上がるのレビュー・感想・評価
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劇場アニメ飽和時代への挑戦
アニメ映画バブルである。これも、そんな中で単純に損しているのでは。ラノベ文化以降よくある、クソ長タイトルかと思ったのだ……。違った!これ、「俳句」だったのだ。それで、すべて納得がいく。……それをもっと前面に出すべきではなかったのかと思いますが、どうだろう。
腑に落ちれば、極めて真っ当なボーイミーツガール青春映画の快作。興味深いのは、映画の作劇は「時代を反映する」ものと「そうでない」ものとあるけれども、これは完全に前者であること。
東京にいるとつい忘れがちだが、今、日本でほとんどの映画が見られているのは地方のモールのシネコンであろう。この映画のストーリーは田園の中の「ショッピングモール」だけをほぼ舞台として展開し(だから、かなり多くの人は「自分たちの話」としてとらえられるかも)、ヒロインはキッズ時分から叩き上げ人気配信者であり、ツイッター的なものが話のキーになる。
要するに、時代の小道具を反映するタイプの作劇としては、『サマーウォーズ』からきちんと10何年後のアプデを遂げているのだ。同じモチーフから抜け出せないあの監督の近作とは全く別な意味で。ポスト宮崎……などと言われ始めて久しいが、それは数人にあらず。今やそんな人材は、ごそっと出てきた。
意図的にわたせせいぞう漫画のようにポップに振った背景は、CG主体作画の違和感をきちんと消す方向で作用。これもアニメ表現として好感。話の大きな流れは「謎のピクチャーレコード」の探索となるのだが、パンフがもろにそれを模しているのは、かなり驚く。映画パンフは数百冊持っているけど、初めて見た。これは面白い。
熱いぞ!高崎
公開が延びていましたが絵図的に真夏の公開となったのは逆にプラスポイント、
背景と人物画のマッチングが素晴らしかった。
俳句・レコードなど懐古的な設定に高崎を舞台としたのも◎
アメリカンカジュアルムービーにも通ずる善き青春群像映画でした。
誤字混じりの五七五が夏の夜空に炸裂する、青春のルサンチマンをサイダーで割った俳句版『8 mile』
田んぼのど真ん中ショッピングモール内にあるケアセンター“陽だまり”でバイトをしている高校生チェリー。身近な人達以外と話すのが苦手でいつもヘッドホンをして耳を閉ざしている内気な男子だが、いつも歳時記を持ち歩き俳句をしたためるのが趣味。ある日チェリーはSNS“キュリオ・ライヴ”で動画を配信している女の子スマイルとモール内でぶつかってしまい、スマホを取り違えてしまったことをきっかけに仲良くなり、一緒に“陽だまり”で働くようになる。二人はケアセンターに通う老人フジヤマさんが肌身離さず持っているレコードジャケットの中身を探して徘徊を繰り返していることを心配していたが、そのレコードにフジヤマさんのかけがえのない思い出が詰まっていることを知り、レコード探しを買って出る。二人は懸命にレコード探しをする中で心の距離を縮めていくがチェリーはスマイルになかなか打ち明けられない秘密を抱えていた。
自分でも気に入っていたはずの前歯がコンプレックスになり人前でマスクを外せなくなったスマイル、メキシコ人とのハーフでチェリーの俳句を街中にスプレーで書き殴る落書き魔のビーバー、粗雑でいつもビーバーにイジられてはブチキレているが実は素直で優しいフジヤマさんの孫タフボーイ、アイドルオタクのジャパン、多彩なキャラクターが鮮やかな印象を残す爽やかな青春ドラマ。いいね!や既読に一喜一憂しながらSNS越しに心の距離を縮めていきながらも、胸の奥に抱えているものをお互いに打ち明けられない現在進行形の恋とレコード盤の裏ジャケットに映り込んだ昭和の恋がシンクロした時、町中に散りばめられたチェリーの刻んだ誤字混じりの五七五の一つ一つが堰を切ったように夜空に噴き上がる、まさにキンキンに冷やしたサイダーのように爽やかな青春譚。さめざめと泣かされました。
うーん普通
事前に内容も知らないし特に大きな期待があった訳では無いが、良くも悪くも無く割と普通の
青春映画だった。なんか記念作品だったの?
って印象。
聖地となるモールに入った事は無いが前を通った事はある。ダルマがヒントなので直ぐにあそこだと分かった。
しゅわっと甘く、ぱちっと辛く
「眩しい」
そのひとことにつきます
俳句が大好きなヘッドホン少年
ちょっとした有名人なマスクの少女
性格も似つかない2人が出会ったのはショッピングセンター
とある物探しを通した2人のひと夏
最初はお互い近寄り難い存在であったが、少しずつ見てわかる距離の縮まり方に恋愛映画の醍醐味を感じます
クスって笑えるような場所
じーんって感じてしまう場所
感情豊かに物語が描かれているだけでなく
カレンダーと共に進む物語
とある期限を抱えたまま物語
見ている私たちも進んでいく描かれ方がとても印象的
そしてこの豊かな感情を細かく表現してくれるのが、あまり見ないアニメーションのタッチ
はっきりとした色使いで強弱を持っているからこそ、個々の感情が伝わりやすくとても見やすかったです◎
それでも5にたどり着けなかった理由は
エンディング
これも一つの正解だったと思います
それでも、あまりにも不自然すぎる性格の急変には流石についていくことができませんでした
もうすぐ公開が終わってしまう時期ですが、見て後悔はしていません
むしろこれからの残り1ヶ月の夏
全力で青春していきたいと思えたそんな映画
まあまあよかった
主人公はコミュ障ぎみな少年、
ヒロインは自分にコンプレックスを持っていて、
その2人が偶然出会うラブコメ
2人の距離感がちょうどよく
他のキャラクターもキャラが立ってて良かったです。
手に汗握る展開を求めてる人には向かないかもしれませんが
見てて心地いい物語でした。
サイダーのように爽やかな映画。
この作品で取り立てて何かが起きるわけではない。
起きるとしたら最後のクライマックスくらい。
それまでは2人が徐々に距離を詰めていきちょっとしたことで離れて・・という具合。
正直言うとあんな夏を経験したという人はそれなりに居るように思う。(僕はなかったが・・)
しかし、そんなリアルさがなんとも言えぬ味を出している。
声優さんも非常に上手で見やすかった。
絵柄も独特な色彩センスで素晴らしかった。
が、それ以上はあまり無かった。
キュンキュンすることもなければそこまで号泣するでもなく、笑いが起きるわけでもない。
が、取り立ててつまらないわけでもない。
それが見やすいと言えば見やすい。
個人的には好きな部類の話だった。
俳句は山桜の句が秀逸。
サイダーのように言葉が湧き上がるはタイトルになるのも納得のキャッチーな句だった。
王道+俳句。
ずーっと前から予告を目にしていたためタイトルはよく知っていたのと、
上映開始時間的な都合からタイミングが丁度よかったため観賞。
結論として、そんな成り行きで観たのが申し訳なくなる位の良い作品でした。
ストーリー自体はボーイミーツガールでまあまあ王道な青春物ではあるのですが、
なんといっても登場キャラクターが全員魅力的。主人公やヒロインはもちろんですが、
脇役の少年少女からおねーさんおにーさん、果てはおじいちゃんおばあちゃんに至るまで。
それに加えてそんな魅力的なキャラクター達がこれでもかとばかりにぐりぐり動く。
アクション的なシーンだけではなく表情や仕草等の細かい部分まで描写がされており、
キャラクターの動かし方にかなり拘っているように感じました。
そして地味ではあるのですがなかなか強力な印象をもたらしたのが音。環境音です。
蝉の声や料理の音に水道の音、扇風機の遠近までしっかりと表現されているのが
とても心地良く、どこか懐かしいような、そんな日本の夏を感じました。
90分という割と短めな尺ではありますが、一つの物語として
テンポ良くしっかりと纏められた凄い作品でした。おすすめです。
こういうのが良いんだ。
少年と少女がふとしたきっかけで出会い恋に落ちる物語。
出会い、同じ時を過ごし、同じ目標を持つようになり、何かを得る。少年と少女はそれぞれ悩みを持ち、迷いながらも仲間に助けられつつも、進んでいく。
俳句・レコード・帰り道の畑道・盆踊りなど、古さを感じるが、青春の一部に確かに存在するモノたちの中で繰り広げられるボーイミーツガール。
こういうのが良いんだよ。ほっこりしました。
エンディングの最後までみることをおすすめします。ラストの1枚が想像はできるけど回避は不可能な1枚となっていますよ。
「杉咲花さん本当に上手い」
今年46本目。
杉咲花さんの声がいい。市川染五郎さんも上手い。そしてゴブリンスレイヤーの梅原裕一郎さんが出てるのが一押しかな。コンビニなどに置いてあるホットペッパーにも梅原裕一郎さんの記事が載ってましたね。
ここまで声優がピタッとハマった映画見れて嬉しい。
泣いてしまった
設定に工夫があるし演出も良くできてると思った
動画配信者という存在を嫌味なく描けているところが良い
生まれた時から親によって世間に配信され続けているという現代でなければあり得ない人物が非常に興味深い
身体的特徴が子役としての愛らしさから成長してコンプレックスに変わる切なさ
コロナ禍状況へのマスクでの応答もよく機能している
ショッピングモールの空間が持つ可能性を拡張しているところも良い
スマホカバーに紙の辞典を挟むというアイデアの意外性
テレビ電話でお互いに知り合うシーンが面白かった
ラストは個人的にはちょっと引いてしまったけど良い作品でした
夏にふさわしいすっきりする映画
キャラクターの感情や行動がちゃんと描けててストーリーに入り込めたし、晴れやかな気持ちになれる良い作品だと思います。
最後のシーンをもう少し演出で上手いこと盛り上げてほしかったのと、一名サブキャラに気になるのがいたので-1。
ぼくはすき
映画館での予告の時点では観に行くか迷っていました。
お引越し、夏祭り、夜に走る主人公もよく見るやつに思えたし
ビジュアルについてもシティポップ調?いまふう、雰囲気?などと考え。
一応行ってみようと出かけて大正解。本当に良かったです。
実家が水田にモールどーん!!の文化圏なので、うんうん、あるなぁと懐かしく頬がゆるみました。
夜の田んぼのカエルサラウンド、謎の虫の声、あぜ道を普通に歩いて帰る。前をずんずん、猫一匹歩いていたり。
それでいて、ただの田舎なのに雲と光がダイナミックに彩り、どうしようもなく美しい瞬間があるんです。そんな切ない一瞬もさり気なく、かつふんだんに描かれていたと思います。
線と塗り の間合い、余白と行間の美学は浮世絵のようで俳句との相性も心地よかった。作品の世界観をぶれずに纏め上げていました。
男の子と女の子が空に舞い上がったりとかしないのに、とても良質なファンタジーを観た満足感が残りました。
作中の俳句が高校生の手によるものとエンドロールで知り、粋な仕掛けにまた幸福感上がりました。
細い指が、ちょっと恥ずかしいけど、迷って言葉を探す。いいなぁ〜
こんな素敵な形で青春を刻めて良かったね、と祝福したい気持ちです。
良い時間を過ごせました!
実家を思い出して一句w
青田波 畦行く猫のいさましく
俳句とはなんなんだろうか??
好みは分かれるかもしれないですが、自分としては映像はカラフルでポップな感じで良かったです。
ストーリーとしてもシンプルでわかりやすく、素直に観ることが出来ました。
夏に観る一作品としてとてもいい作品でした。
ただ個人的に残念だったのが、作品としてのキーになっている俳句が、私には全く響かなかったことです。私に俳句の造詣が全くなかったせいかもしれないですが、俳句を効果的に使えてないように感じました。
ストーリーをすすめる上で、俳句をというものをただ使用しているだけといった印象を受けてしまいました。
俳句を読むキャラクターの設定としては、俳句を勉強している学生なので、能力相応のように感じますが、能力相応過ぎて俳句素人の私ような人からすると、全く響かないという状態です。
もし、この作品が俳句をある程度理解している人向けとしたならば、ターゲットがコア過ぎるような気もしますし、俳句素人に興味を持ってもらう入り口としてならばパンチが弱く、作り手はどうしたかったのかと、作品を振り返ってふと考えてしまいました。
この点については、俳句に多少なりとも造詣のある人にとってはどう感じたのか興味があるところです。
あとは、作品として演出や映像の動き、音楽など映画館仕様ではないと感じました。
テレビアニメやテレビの二時間アニメとして観たならばおすすめ出来るのですが、映画館で観るかと考えると、いつかあるテレビ放送か、その内に出るDVDのレンタルでいいかなという感覚になります。
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