「悲惨な戦争の中での人間味も描くが、これからの戦争ではそれさえも…」彼らは生きていた KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
悲惨な戦争の中での人間味も描くが、これからの戦争ではそれさえも…
録画していたBS放送分を再鑑賞。
こんな手があったかと感心させられる
見事な作品だ。
第1次世界大戦関連でも「西部戦線異常なし」
や「ジョニーは戦場に行った」などの数々の
名作映画があるが、これは、ジャクソン監督
のアイデンティティーに基づく執念と
編集能力・労力が結実した映画史上の
ノンフィクション反戦名画といえるのでは。
NHKでも「映像の世紀」という素晴らしい
ドキュメンタリー作品がある。
世界中にはそんな貴重な記録フィルムが
膨大にあるのではないだろうか。
物真似でもいいだろう、
そんなことは人類が再び過ちを犯さないこと
に比べたら些細なことに過ぎない。
戦争の悲惨さを伝える
第2・第3の「ゼイ・シャル…」が生まれる
ことを期待したい。
ただ、この過去の戦争では、
悲惨な中でも人間味ある交流も
可能だったことが描かれた。
国家同士が敵対していたとしても、
個人間では繋がれる要素を残した時代
だったとも言える。
しかし、現代は格段に恐ろしい状況だ。
これからの戦争ではそんな個人間の繋がり云々なんて言っている前提は無く、
一瞬にして全てが灰燼に帰することに
なってしまう可能性のある時代に
我々は生きているのだろうから。
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