劇場公開日 2020年1月25日

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「誰も殺し合いなんてしたくない」彼らは生きていた kimushizuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5誰も殺し合いなんてしたくない

2020年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

第一次世界大戦のイギリス軍の映像と証言を繋いでモノクロ映像をカラー着色で、ロード・オブ・ザ・リングのピーター・ジャクソン監督が手掛けたというから凄い。
兵士が志願してから過酷な戦地に行き地獄を見てから帰るまで、残されていた映像と肉声が生々しい。

嬉々として流行に乗るように我先にと志願する若者。年齢をごまかして入隊した15歳や17歳の少年は軍服もタバコも似合っていない。あどけない笑顔でカッコつけてカメラ目線を送る。

荒野の前線基地は映画『1917 命をかけた伝令』と重なる。

ドイツ兵捕虜と打ち解けて笑い合う場面が目に焼き付いた。「この戦争には何の意味もないと意見が一致した」と。殺し合い人なんてきっと誰もいないんだ。それなのに、と無念な気持ちで観る。

武器を置いて穏やかに数日過ごせば争いは止められる。きっと平和はくる。そう信じたい。

資料映像をストーリーを持ったドキュメンタリーにする素晴らしい仕事に嫉妬した。一時期映像を仕事にしていた身として、私もこんな仕事がしてみたい。地道で根気のいる大事な仕事に憧れるが、私の精神力は持つだろうか。

kimushizu