閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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閉鎖病棟ってこんな感じなんだ
閉鎖病棟ってなんかたまにTwitterとかで入院した人とか働いてる人のツイート見たりするけど実際映像でリアルっぽく見たのは初めてで、レビューとかを見る限りリアルだなーってのもあれば色々おかしいヨォってのもあったから何とも言えないけど雰囲気はホエーと思った。実際働いてる人すんげぇな、わたしは絶対無理。
鶴瓶が何で家族殺しちゃったのかよくわかんなくて、(ちゃんと理由あったらすみません、調べても出てこなくて、介護のストレス?)それで死刑で???なのと死刑で死なないでファンタジぃ!となって、閉鎖病棟を転々としてるって、いうのが結構もう不思議になっちゃって
あとは綾野剛と小松菜奈が演技と顔がいいなぁとか精神疾患がある方達を演じてるのすごいなぁとか、最後は少し感動したけど結局結末分からないままで、初めからよく分からんから最後に分からない考えさせられる余韻もらっても想像し難くて、うーんってなっちゃった〜
けどやっぱり漫画とかで見るよりほんとにこんな人たち居るんだよなぁ感があってそれが見れると思うといい映画だったかも、実際の閉鎖病棟のドキュメンタリーとかは興味無くなっちゃうから
性被害を軽く描きすぎでは
2度も性暴力を受けた役なのにずいぶんあっさりですね。
高校生が血のつながらない父親に性的虐待を受けて妊娠までしてしまったのに、あんなに男性と距離近いものなの?
年配の鶴瓶はわかるけど、綾野剛は何で仲良くなれたの?
あと別の男に狙われたときも、あんなに視線に気づかないもの?
男性からのそういう視線に敏感になったりしない?
裁判で個人情報や顔を隠しもしないであんな証言するの、本当は立っていられないくらい辛いだろうに。
自分が性暴力を受けたと知られたくない感情とか葛藤とか、もっとちゃんと描いてほしかった。
施設から逃げたあとも、大きな声で泣いたらすっきりしちゃったみたいな流れが全く理解できなかった。
終始レイプをただのショッキングでキャッチーな題材としてしか見ていない印象です。
あと写真を撮られて他人に見せられてるのも私だったらしにたくなるな。
小松菜奈が良かったぶん本当に残念。
後半より前半に興味があるので、そちらをメインに書く。 「異常」と「...
後半より前半に興味があるので、そちらをメインに書く。
「異常」と「正常」が混在する空間、精神病棟。
自分でも分かってる。でも、発症してしまう。
そんな世界。今の私には理解できない世界。でもなぜかなにかに共感してしまう。
特に最初、戻ってきたときにペットボトルを渡すシーン。ベッドでうなされているところを助けて貰うシーンなど。
いろんな要素を感じられて泣いてしまう。
後半におきる殺人事件をきっかけに、自分を変える一歩を踏み出せるようになる。
ゆっくり、ゆっくりでいい。今生きる自分を大切に。
けどきっと変わりたいと思う気持ちは心の奥底に眠ってる。そんな中で、自分が変わりたいと思えたきっかけを大事にすれば、きっと一歩踏み出せる。もし本当に無理になったら、というかなる直前に、自分が心地良いと思える場所に戻れば良い。ゆっくり、自分のペースで未来を作っていけばいい。
救われるようなそうでないような
綾野剛さん、小松菜奈さん、そして笑福亭鶴瓶さんの演技が素晴らしかった
ただ、あんな閉鎖病棟は現実に無いしあってもらっては困ります!
患者が野放しで自由に歩き回って挙句あんな事件を起こすなんて有り得ない
病院が何の責任も無い顔してるのが信じられなかった
リアリティがあるようで無い、救いがあるようで無いような
観た後モヤモヤする映画です
精神科に入院している方のキャラクターの描き方がリアルだった
元医療従事者かつ精神科病棟について知っている身として、この映画に興味を持ち視聴しました。
綾野剛さんや小松菜奈さんみたいな美男美女は残念ながら現実には病院の中に居ませんが…笑
メインキャストの3人や周りの患者役であるキャストさん達のリアルな演技をされていると感じました。
精神症状はどういうものなのか、鍵のかかっている病棟の中はどんな雰囲気なのか、この映画を見れば少し分かる気がします。
ただ、患者様の個人情報をペラペラしゃべったり、院内での暴力が頻繁にあったりは、ツッコミどころ満載でしたが。笑
現場やこの映画を観て、改めて精神科に入院されている方には複雑な家庭背景があることが多いと感じました。本当に助けて欲しいところは、病気や症状よりも家庭環境など目に見えにくく人の手の届きにくいところだったりするものです。
閉鎖病棟
精神的に異常と思われる人々が隔離されるほどの生活させなければいけないような病院がある。
そんな閉鎖病棟での人々は、一見するととても異常で近づきがたい人ばかりである。
そんな中でもその人達の心の優しさの部分などじんわりときた。
そんな病棟の中で起きた事件をきっかけに歯車が狂ってしまう。
心がおかしいと囚われているけど、本当は、それに対して自分がおかしい事と決めてしまっているからなのか
自分が生きる世界で同じ様な施設があり、それに近づく事がないのかもしれない。
この映画の中では、自分が知らないでいた世界を少し知る事ができた。
綾野剛さんの演技がすごいと感じた。
特に目力がすごい。
精神的におかしくなっている時と無気力のような時、そして、最後の信念に真っ直ぐな所がそれぞれ違っていた。
鶴瓶師匠の演技も圧巻でした。
自然のままの。
良い作品でした。
鶴瓶さんの演技、よかったよ
みんなそれぞれに訳があって入所している。
でも、なんだか優しい仲間たち。
暴力的な人はあの病棟には入れてはいけない。
他の入所者たちは凶暴ではないし、それなりに秩序を守って生活している。
法廷で由紀ちゃんが証言したのに被告人がその事件のことを知っていたかどうかまで
言及して欲しかった。
昭ちゃんが集合写真を手渡すシーンもほのぼのしてて良かった。
ラストシーンでは10年以上?使っていなかった足を持ち上げて、自力で立とうとするところに生きる
意欲が読み取れた。
こんな精神科病院ありえる? 飛び降り、暴行、失踪、殺人って大スキャ...
こんな精神科病院ありえる?
飛び降り、暴行、失踪、殺人って大スキャンダルでは…。
内容としては言いたいことはわかる。
傷付いた者同士の絆、いいと思う。
けどやっぱりあまりにも管理がゆるいのが気になっていろいろと台無しにしてる感。
その後も知りたい
死刑執行でも生きていた笑福亭。
それだけでも続きが知りたく、見入ってしまった。
精神病院という普段なかなか踏み入れることのない場所で、まともな人は一人もいないというか、みんなそれぞれ生きてる。
演者全員が精神病棟の患者。でも人は少しの歯車が狂えばそこに入ってしまうだろうと思った。
綾野剛の心の闇がなんだったのかはっきりとはわからなかったが、小松菜奈は映画の中でとことん可哀想だった。
描写がえぐく、みていて辛いものがあった。
最後、鶴瓶が立とうとしたのは生きようとした姿。
小松と綾野剛はその後どうなったか、いやどうもなってないだろう。
けど鶴瓶が出てこれるまで待つだろう。
なんでもない病院の中での少しのことに喜びを感じて生きる人々。
少し言葉が聞きづらく、何度か巻き戻ししたが、良かった、、
重いテーマなのに静かなヒューマンドラマ
精神病院で生きる人々がそれぞれの事情を抱えているのですが、ある意味、人間味あふれる群像劇になっています。序盤にショッキングなシーンがあるのですが、その割には物語は静かに進んでいきます。重くて暗い内容なのに、様々なシーンで心が揺さぶられたり、ホッとあたたかい気持ちにもなりました。
ただ、多少、リアリティに欠けるところがありました。映画の舞台である「閉鎖病棟」。
自分は閉鎖病棟、開放病棟とも、実際に見たことがあるのですが、あまりにも開放的な閉鎖病棟に少しびっくりしました。完全な外界ではなく、中庭のような場所かもしれませんが、患者さんが自由に出たり入ったりはできないはず。外出許可もすぐに取れるし、チュウさんが退院できるほど回復しているのなら、開放病棟では?と思ってしまったり。病棟内に売店があるのにも・・・?
重宗(渋川清彦)のような暴力を振るう可能性のある患者を野放しにしすぎだし、実際に殺人事件が起これば、病院の過失になるはず。
しかし、あまり細かいところは気にせずに、独特のムードに包まれながら、作品の良さを楽しむ映画なのかもしれません。あまり説明もなく、ラストを迎えますが、あれはあれでよかったかもしれません。
主役の鶴甁さんをはじめ、俳優さんたちは、みんなよかったですねえ。特に小松菜奈ちゃん。以前見た、バイオレンス映画『ディストラクション・ベイビーズ』で、ヤバイ感じが印象的でしたが、今回も好演。見るからに怖い重宗(渋川清彦)、背筋がゾッとする由紀の継父(山中崇)も、ムカつくけど、よかったです。心優しいチュウさん(綾野剛)は主人公を慕う親しみのある存在。ある意味、病棟内のムードメーカーで心が和みました。
恥ずかしい余談ですが、『仮面病棟』と間違えて見てしまったのです。^_^; 本作の存在も気になっていたのですが、重苦しそうなので、ちょっと敬遠気味でした。でも見てよかった!!
久々に泣かされた。人は皆弱いものです。
世の中の弱者と呼ばれる人たちの施設。
ここには事情のない人なんて1人もいない。
壊れた心を抱えつつも懸命に生きようとする人たちを笑えますか?
私だって、明日はどうなるかさえわからない。
人間の心なんて脆いものです。
一つ言えるのは、弱者に優しい社会はみんなにとっても良い世界であるということ。
いや、良い世界って何だろう?
普通って何だろう?
鶴瓶さんの演技が素晴らしかった。
裁判所で懐かしい再会をした上に衝撃の告白。
彼女にとってどれほどの勇気がいったことか。
そして、いつまでも待っています、生きてください、と言われて
涙しながら無言で頭を下げるシーンに泣けて仕方なかった。
殺された男のようにマジでウジ虫以下の心根の腐り切ったどうしようもない人間もいれば、
支えようとしてくれる人もいる。
人はやっぱり、1人で生きているのではない。
静かな映画ですが、しみじみと心に沁みる作品です。
綾野剛も上手い。
まあまあ満足
「死刑の執行に失敗したら、そしてその死刑囚が再び殺人を犯したら」と、ぱっと聞くとフィクション感がある話だけれど、絶対ないと言い切れるのかと言われると…という面も含め、注目作だった。
ので、結構訪れるガバガバ展開が残念。
まず、とにもかくにも職員何もしなさすぎじゃないか!?
しょうちゃんが塚本(チュウさん)に由紀の件を訴えようとしたときとか、なかなかの暴れ気味だったけどそこに職員いるのに何もしない…塚本のことは看護師たちも信頼していることが表現されているし、任意入院?は割と、普通の人と同じような扱いなのかなぁ。
とはいえなぁ…
由紀へのレイプ事件が起こったのも職員が重宗から目を離したからだし、車椅子で目立つであろう梶木と要注意人物の重宗が二人きりになるってどんな病院だよ…とかが気になってしまった。
最初のほうの、由紀が飛び降りるシーンでも、梶木のそばに看護師いたし。なぜ何もしない!!
あと梶木は由紀の身に起きたことを気付くのかと思いきや、この近辺に限って工房に全然行っておらず「…ん?」ってなった。
まぁでも、観て良かった。
適材適所な渋川清彦さんと、平岩紙さんの嫌らしい感じが最高。病院では嫌味ばっかでヤな奴のキモ姉が、いわゆる外の世界ではびくびくしてるところも、リアリティあって(知らんけど)良かったです。
罪を背負い死と向き合う秀丸が生きる希望を見い出す物語。
とりあえず、、、書きかけです。
タイトルに生きる希望を見出す、と書いてみたはいいけど、ニュアンスがしっくりきていない。希望なんて言葉じゃないんだよな。ちょっと違う。ただ、生きることを選択するというか、前向きは前向きなんだけど、凄く明るい未来、って訳でもない。でも自分の足で立とう、とする姿が何か力を与えてくれる。
現に女子高生だった由紀(小松菜奈)は秀丸(笑福亭鶴瓶)が犯した殺人によって死ぬことから助けられている。由紀にとっては秀丸に二度、死から助けられているようなものだ。
妻と実母(と間男)を殺した罪で死刑判決を受けた秀丸が、死刑執行されるも失敗し生きながらえてしまう。その死にきれなかった、死んでいても同然の男が他人のために殺人を犯す。
シーンに無駄は無いのだが、陶芸小屋で出来上がったお椀?の上端を切っているシーン、自分の足で立てないの?と聞くチュウさん(綾野剛)が聞くシーン、それらが、それぞれ凶器、と、ラストの自分の足で立ち生きることへの意思表示に使われる(布石)、その回収に使われるのがうっすら見えてしまい、まぁそうだよね、となる展開に。
出てくるメインの人達がそれぞれ抱えているものがあり、身につまされるような展開でとても面白いかったです。
小説を読んでいないので憶測になってしまうのだが、おそらく小説ではそれぞれの人達の背景や抱えているものがもっと丁寧に書かれているんじゃないかと思う。
だからこそ、由紀の生きて欲しいと願う言葉に重みが出る(そもそも由紀は義父の虐待を受け自殺しようとしていた。だからこその重み)し、それを受ける秀丸が自分の足で立とうとするシーンにもより強い想いが感じられるのだろう。映画では、やはりというか少しボリューム不足も否めない感もある。
難しさを抱えたそれぞれの役を演じ見せるのは、とてつもなく難しいと思う。脚本や俳優の力が本当に問われるのだけど、きっちり映像と芝居で見せようとしてくれているのには本当に好感が持てて好きだ。
小説もぜひ読んでみたいと思わせてくれた。
それぞれの賛、それぞれの否
レビューを見ると、賛否両論。まあ、それも分かる。
精神病院を舞台にした所謂“感動ポルノ”。
瓶さん演じる秀さんは2度殺人を犯し、それぞれ事情も分からんではないが、他に選択肢は無かったのか。最初は話し合いや離婚、2回目は証拠の写真もあるのだから病院に伝え、あのクズ男に法の裁きを下すとか。(自分が法の裁きを下されてどうする!?)
どんな理由あれ、殺人は殺人。そんな慕われる秀さんを弁護する為、皆で奔走。ヒロイックな描かれ方。
その他、ツッコミ所や難点多々。(これについては追々)
でもまあ、それらに目を瞑り、感動的なヒューマン・ドラマとして見れば、個人的にはそう悪くなかった。
ある殺人を犯し、死刑執行されるも、幸か不幸か失敗して生き永らえた秀丸こと秀さん。
幻聴に苦しむチュウさん。
その他、多くの入院患者。
世間から離れた長野県の“丘の上”の精神病院で共同生活を送っている。
ある日、若い女性・由紀が入院してくる。
彼女は妊娠しており、入院早々病院の屋上から飛び降り自殺を図る。
奇跡的に軽傷で済んだが、お腹の子は助からず。でもそれ以前に、生きる気力がまるで見られず。
周囲に一切心を開かないでいたが、秀さんの陶芸をきっかけに少しずつ交流を持つ事に…。
死ねなかった死刑囚。
強迫観念の青年。
そして由紀は…。
親からのDV。義父からはレイプ。お腹の子は…。
それぞれの理由で心に傷を負った者たち。
それぞれの理由で家族から遠ざけられた者たち。
それぞれの理由で社会に居場所が無い者たち。
そんな彼らが見付けた傷の癒し。
そんな彼らが見付けた寄り添い合える相手。
そんな彼らが見付けた唯一の居場所。
全くの他人が不思議な縁で出会い、こうやって交流を深める様は素直に心温まる。
3人と昭八っちゃんが許可が下りて外出し、束の間の楽しさを満喫するシーンは見てるこちらも噛みしめるほどの幸せが伝わってくる。
それにしても、瓶さんもすっかり役者だ。肩書きは落語家でコメディアンでもあるが、減量し、終始車椅子、複雑で繊細な演技はそうそう出来るもんじゃない。また、ある理由から親を殺めるシーンは非常に哀しく…。
綾野剛も『楽園』に続きの難演を見事に体現。
でもやはり金星は、小松菜奈だろう。
感情を抑えたり、感情を爆発させたり、本作の登場人物で最も難しい役所。それでいていつもながら魅力的。
ビルの間で嗚咽するシーンは胸に迫る。
クライマックスの法廷シーン。秀さんをヒロイックに弁護する為に用意されたかのような感じも否めないが、あの涙の弁護と感謝の訴えは胸に響き、目頭熱くさせ、本作最大のハイライトだろう。
小松菜奈は同世代の女優でも難しい役が多い。演じる側にとっては辛く大変かもしれないが、それは類い稀な実力ある証拠。業界も我々も、彼女に期待しているのだ!
こういう作品には憎まれ役が必要。渋川清彦のクズっぷりと言ったら!
看護師長役の小林聡美がさすがのハマり役も付け加えておきたい。
平岩紙演じるキモ姉も良かった。
平山秀幸の手堅い演出。
リアルで生々しい厳しい現実と言うより、温かい眼差しで見つめた良質のヒューマン・ドラマ仕立て。
さて、ここから難点・不満点。
まず、入院患者たちの描写。それぞれ個性的で悲喜劇もそれなりに描かれてはいるが、掘り下げには浅く、単なる背景に過ぎない。もっと巧みに絡ませる事出来なかったものか。
それから、この病院緩すぎない? 娘に会いに行くのと、そんなに簡単に外泊出来るの? それで孤独死して、洒落にもならないどころか、大スキャンダル級の大問題。
渋川演じるトラブルメイカーだってそう。彼は何処が悪いの? この病院じゃなく、もっと適した別の入れるべき場所があったのでは…?
で、彼を監視していた看護士、勤務中に雑誌を立ち読みしたせいで。オメー何やってんだよ、懲戒処分モンだぞ!
先にも述べた通り、何故秀さんは証拠の写真を消すように言い、自分で殺人を犯したのか。おそらく由紀への辱しめを世間に見せたくない為だろうが、結局証人に立った由紀本人が何があったか話し、あれ、秀さんのした事って…?
病院を出た由紀がその後どう生きたか説明不足。証人に立った時看護士見習いになっていたが、身寄りも無く、金も居住も無く、一体どうやって…?
そして、“立ち上がる”ラストシーン。でも、後もう一幕欲しかった。
…以上、細かい点を言い出せばキリないので、この返で。
あくまで本作は、一度は社会から外れた人たちの新たな旅立ち。立ち上がり。明ける朝。
自分の心の傷と闘って勝った者、よほどの凶悪でない限り自分の罪を悔い改めた者、
そんな人たちにも、きっとやって来る。
浅はかな決断を下す映画
うーん。
タイトルから想像していた、「閉鎖病棟」というディテールが、徹底的に抜けてて、観ていて「はあ???」となりました。
閉鎖病棟の中をある程度知っている人からすれば、勝手に入院患者が外に出歩くなんてまずありえない(要所要所に鍵がかかりまくっている)。あと窓もそんなに開きません。(飛び降りたりしたら大変だからだと思います)
レイプ事件が起きて、それが物語の主題のようになってしまって、「精神患者の状態や実態を描く」ことから、かなりずれた構成だったと思います。
これでは、実際の精神に障害をもたれる方々を誤解する影響もなくもないのではと、観ていてかなり不満でした。
問題のレイプ事件が例えば本当にそのようなことが起こったら、病院の責任だと思います。
陶芸室にも鍵をかけてなく、問題のあった患者にもその時に人をつけていなかった訳です。
そのような事態を防げなかったのは現実的に考えれば病院の責任となるところを、なぜか他の患者が「裁かねば」と思っている…。これは大変おかしなことです。
院長が出てきて、二度とこういうことが起きないようにと謝罪し、対応するのが現実だと思うのです。
それではドラマにならない?
いやそれならば、こんなドラマは観たくもないです。
あともっとディテールに関して言えば、出演している患者の役者の演技、設定というのでしょうか、何の病名をつけられた患者なのか、観ていて分かりませんでした。これは演出不足だと思います。「それっぽく(精神病患者を)演じて」みたいな感じで現場が進んだとしか思えないような印象です。これも観ていて腹が立ちました。
あと、これは個人的意見で、全く非賛成があっていいのですが、本当に、例えばレイプをした人には「死ぬべき」というのが妥当な考え方なのでしょうか。
自分はそうは思いません。
「生きる価値がない」とまで役者に言わせていますが、それはどうかと思います。
罪を償う、刑罰を受ける、心から反省し謝罪する…
被害者の方にとって、何が今後の人生に大切となることなのか、自分にはまだ想像が及ばない範囲でありますが…
どんな加害者でも裁かれる権利はあると思うのです。
残念なことに、自分はそのような「生きる価値がない」と思える人も含めて、皆が生きているのが「多様性をもった社会」であると考えています。そういったタイプの自分には、この映画の下した決断が、とても浅はかなものに見えました。
スカーレット
朝日を拝むのは「なつぞら」か。狸の焼き物など朝ドラオンパレード。
小松菜奈がレイプされまくる話。不愉快。
#MeTooネタか?
最後はクララ。盗作もほどほどに。
綾野剛が発作を起こしたときに入ったのが閉鎖病棟のようだけど、それ以外は極めて開放的。表題の必然性が稀薄。そもそも、ストーリーとして綾野剛、要るか?ただのイケメン枠。なんの役にも立たない。
小松菜奈の病院逃走後の回想も必要ない。「それぞれの朝」というコピーのためだけに無理矢理やっただけ。小松菜奈自身は熱演だったけど、必然性のないシーン。
重箱の隅が気になる者としては家にも帰れない小松菜奈がそのあとどこに保護されたのかのほうが重要。警察に行っていれば鶴瓶は罪を犯さなくて済んだのにね。
綾野剛の発作の対応も渋川清彦の扱いも病院がずさんなだけ。というか、あんな病院ない、ありえない。見ていてイライラする。それでいて医者と小林聡美の上からドヤ顔は理解できない。なぜ医師会推薦映画なのか?
死刑は規定の時間絞首したら執行したことになり、解放しなくてはいけない。そっからおかしい。
もっと冷静に考えて欲しい。
不貞を働いたくらいで殺しが正当化されるか?3人も。
なついた女のコの復讐で殺すまでするか?
やり過ぎでしょう、いくらなんでも。ハンムラビ法典だって過剰な復讐を禁止したのに。
「咎めますか?その優しさを」
咎めるよ。殺人なんだから。優しさではない。
90万人が涙して、映画館でも泣いている客がチラホラ。
この国の倫理観が恐ろしくなった。
どこの世界でも、朝は訪れる
こぼれた涙を蒸発させる為に 日が照る朝を
飽きもせず こりもせず 待っている 待っている
全部が報われる朝を
心を失くすのに値した その喪失は
喜びと悲しみは 引き換えじゃなかったはずだ
希望なんて いとも容易く投げ捨てる事はできる
心さえ 心さえ 心さえ なかったなら
アスファルトより“土” 鋼鉄より“人肌”
無意識に選ぶのが 冷たさより温みなら
その汚れた顔こそ 命にふさわしい
amazarashi / 命にふさわしい より並替えて抜粋
世界から拒絶された疎外感
世界から隔離された劣等感
この感傷がさらに
患者ではなく“病人”と特定されたヒトたちを
精神的に追い込む。
そしてやましさもなく迫害した群衆は安心する。
病人ではないのだから、病人とは違うのだから、と。
“アレ”な患者がいる病院なんて
はっきり言って一歩も足を踏み入れたくない。
そんな患者がいること自体、忘れてしまいたい。
わたし自身もそんな嫌悪感を抱いている
群衆のひとりでした。
その嫌悪感が大きく膨れあがり
罪悪感となってわたしに返ってきました。
初めてです。
映画を観て吐き気とめまいに襲われたは…
そんなわたしにとっては
『ジョーカー』より『岬の兄妹』より
本作『閉鎖病棟 - それぞれの朝 - 』の方が
よっぽど「本気でヤバい」レベルの作品でした…
患者の振る舞う日常の描写を観ているだけで
こころが寒々する…
加えて女性に暴行するシーン、
それも同じ女性が別の男から2回も…
「もう、退席してしまいたい」と思いながらも
罪悪感に対する自責の念と言いましょうか
せめての罪滅ぼしのつもりで
目をそむけずに、直視しなければいけない。
という使命感を強く感じ
なんとか最後まで見届けることが出来ました。
そして気づく。ああ、映画だったのだと。
フィクションで良かったと。
そう安心した一方で、もう知ってしまった。
差別意識が、こんなにも強い意識が、
ノンフィクションの部分で
わたしにもあったということに。
そんな、自分に、嫌気がした…
閉鎖され世界、隔離された施設が
なにも病院や刑務所とは限らない。
世界には目には見えない境界がある。
壁がある。内に閉じたこころがある。
でもこの世界に、各々のこころに
さらにいくつもの空があるように
それぞれの空に、日が照る朝が必ずくる。
その朝日が放つ熱が、
他者から受けた愛情の温みとおなじように
【立ち上がる勇気を与えてくれる】
そんな気持ちにさせてくれる作品。
鶴瓶師匠!さすがです!
綾野剛さんは近作『楽園』での役柄に近いところもあり
本作のさらに内面を掘り下げている作劇も相まって、
演技の良さが光ってみえました♪
今回の小松菜奈さんは辛い役どころでしたが
彼女が持つはかなさと、凛とした強さのイメージを
うまくキャスティングしたな!
よく菜奈さんも受けてくれたな!と思いました。
本作における完全な悪役・渋川清彦さん。
最低な役まわりでしたが、つまりは最高な演技でした!
金返してほしいレベル
始めに、リアル閉鎖病棟を知るものとしては、この映画は茶番です。リアル閉鎖病棟を冒涜してると言ってもいいくらい。本当の閉鎖病棟はこんなんじゃありません!
ドラマとして観るなら良いと思います。NHKが好きそうなネタです。でもカッコーの巣レベルの映画を期待して観に行った身としては、金返してほしいと思いました。何度も途中で帰ろうかと思いました。最後まで観ましたけど…。
本当の閉鎖病棟の病院は、管理があんなに緩くありません。飛び降り自殺とか、離院とか、死んだ患者の遺骨を飾るとか、刃物の所持とか、いくら田舎の閉鎖病棟でも基本的にあり得ないです。それとも日本のどこかにはあんな管理体制の病院が存在するのか?もしそうだとしたら厚労省にお叱りを受けるレベルだと思います。だからあれが本当の閉鎖病棟とは思ってほしくありません。観ていてイライラしました。★は付けるに値しません。但し、一つだけリアリティーがあったのは、患者が外出、外泊中に亡くなるのはよくあることです。
原作はリアル精神科医とのこと。映画はダメダメだったけど、原作は読んでみようと思いました。
真面目に作られているが、証文の出し遅れ感もあり
妻と母親とを殺して死刑を宣告された梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。
が死刑執行の際に生き延びた彼はその後精神病院をたらい回しにされて生き延びていた。
現在彼が暮らすのは長野県の六王寺病院。
そこには、幻聴に悩まされて自主入院をした塚本中弥(綾野剛)もいた。
ある日、母親に連れられ18歳の少女・由紀(小松菜奈)がやって来るが、彼女は義父に性的虐待を受けて、心を病んでいたのだった・・・
といったところから始まる物語で、帚木蓬生小説『閉鎖病棟』を監督も務める平山秀幸が巧みに脚本化している。
演出も至極真っ当で、行儀がいい。
過剰な音楽などもなく、役者の演技を最大限に引き出している。
が、映画としてはそれほど面白くない。
1994年に出版された小説の内容が、現代となっては、やはり少々古臭くなっているような感じ。
いまどき、こんな「閉鎖病棟?」と思ってしまうし、患者の状態に合わせて、もっと区分けして対応しているんじゃないかしらんとも思う。
話としては悪くない。
主人公3人の心情もよくわかる。
が、最大の欠点は、死刑執行で生き延びた設定が活かされているとは言い難い点。
別に、そんな過去なくても十分じゃないかしらん、な感じがしました。
で、原作小説、読んだかしらん・・・? と気になっていたので、調べてみると、ありゃま、この小説、以前に映画化されている。
『いのちの海』というタイトルで、2001年に公開されている。
たしか、舞台挨拶付きの初日に銀座シネパトスで観たような。
そのとき、難しい原作を巧みに映画化したなぁ、とも思ったものです。
ついでながら、当時のキャストを並べると、秀丸=中村嘉葎雄、塚本中弥=頭師佳孝、由紀=上良早紀(新人)といいうもの。
集客力弱し・・・ですが、由紀の設定は原作に近い中学生ぐらいだったように思います。
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