「「英雄女子」を見たい」ワン・セカンド 永遠の24フレーム bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
「英雄女子」を見たい
映画本編より「英雄女子」の方が面白いんちゃう?
ってのは、ある。
アンソニー・ドーアの「ムコンド」のナイーマは、走って逃げる。化石ハンターは、彼女を追いかけて走る。ってのを思い出してしまいました。とにかく走るよなぁ、走ってたよなぁw
映画だけが娯楽らしい娯楽だった時代。舞台は文革下の中国内陸の北西深部。砂漠と荒野が広がる風景です。たった1秒のために強制労働所を逃げ出した男がウザイ。フィルムを奪い合う、男と少女の姿が、これまたウザイ。彼女がフィルムを欲しがる理由を明かしたあたりから、風向きが変わります。予定通りに上映してもらうために、村人が一致団結する「フィルム復活大作戦」が楽しい。「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいな感覚。
砂漠の砂の中に、沈む様に姿を消して行く2コマ。2年後、そのフィルムのために村に戻って来た男は、以前のような執着心を見せることなく、微笑む少女を見つめて笑い返す。
「人生は後ろ向きにしか理解できないが、前を向いてしか生きられない」は、キルケゴールの有名な言葉。
「過去を置いて前を向いて生きて行け」と言うだけの2020年の中国映画。思うんですよ。あの、中国でさえ、こんなメッセージの映画を撮っていた同時期に、邦画界は何をしてたんでっかw
同時に思うんですね。イヤ、4秒は写ってたろw
良かった。
普通に。
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