赤い闇 スターリンの冷たい大地でのレビュー・感想・評価
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構図、色合い、カメラワーク等、映像は☆5.0
原題『MR.JONES』
AmazonプライムVideoの配信を観ました。
大画面(ホームシアター)で観て正解でした。このような横長の映画は、大画面だと ちょっとしたVRのようで臨場感があります。
実話と謳っている作品は怪しい(実話ではないことが多い)ので、何処かに嘘があるかもしれません。ソ連も満洲も今は昔。
飢餓が、人工的(計画的な政策)であったということに言及し、人肉を食べて生きている人たちをリアルに描いていました。
ウクライナ
かなり勉強になった。ペルソナ・ノン・グラーダという言葉も久しぶりに聞いた。そしてデュランティの人物像を見る限り、ピューリッツァー賞は単なるジャーナリストの保身のための権威でしかなかったことも・・・
肥沃な土地ウクライナ。農村地域からの搾取では餓死という残酷な状況。今までジョーンズ記者のことは知らなかったけど、従来の記者クラブが闇を暴くことを恐れ、モスクワから出なかったことなど。フリーランスだからジョーンズは可能だったのか、命知らずだったのか、彼が暴かなければずっと埋もれたままの事実だったのか。考えると恐ろしいものだ。そして、現在のロシアによるウクライナの侵攻の遠因になっていることも勉強になる。
食糧の問題といえば今の日本の米事情も・・・備蓄米とか過去の減反政策とか、闇はどこにでもあるんじゃないか。
ガレス・ジョーンズが晩年、満州近くで取材にあたり、やがて盗賊に捕まり殺害されたという。ソ連の報復なのか、もしかすると日本軍に殺されたのか。日本の帝国主義を取材するという段階で、可能性は充分あるのだ。もし日本の闇を暴いていたなら、戦争も早まっていたのかもしれないなぁ・・・ボソ
肥沃な大地で起こったこと
ホロドモールとホロコーストの連続性。
スターリン時代の集団農場。五カ年計画で、まさにその中心的役割を担ったウクライナの現実。ソ連が飢餓輸出を経て獲得したその外貨を目当てに、イギリスをはじめアメリカもソ連の工業化のためのビジネスの可能性にすり寄る。
そんな時代背景の中、記者に扮してウクライナに潜入し体験した飢餓の現実について、イギリスで公表するための術を模索する過程はスリリング。
ガレスがエイダの手紙を読むシーン。背後に聞こえるのはヒトラーの演説。この後の独ソ戦でのウクライナの支援とホロコーストの悲劇につながる前兆。
想像するだけでゾッとする。
ムナクソわるー
史実をまったく知らずに見まして、ピーター・サースガードって情けないけどいい人役のイメージあったから最後は誠意を見せるんでしょうと思ったら何とも救いのない結末。中学生の頃ソ連崩壊の報道で、商品の置いてない商店や日常品を買うだけでも行列に並ぶソ連民、え!ソ連てアメリカと張る大国だったんじゃないの!終戦直後の日本みたいじゃん!とたまげたことを思うと、ガレスがウクライナで見たものに驚愕するのは、ほんのひとかけらでも分かる気がする。知らなかったことを知らせてくれたことは感謝します、が、映画としては面白いとは言い難いなー。エイダとの微妙な恋愛感情いらないよね、描きたいならもっと描かないと、中途半端。あとガレス、若者扱いされてるけどアップになるとシワシワで4〜50代の中堅記者に見えるんだよ、そうなるとストーリーに雑音が混じる。こういうの、うまい映画ならやらない、もしくはそんなの気にならないほど話に引き込むのかな。ジョージ・オーウェルとの接触は実話?じゃないよねきっと、だとしたらこれくらい他の部分も作り込めばもうちょっと見やすい映画になったのでは?
虐殺はナチスだけではない
んー、
ジャーナリズムの根源をみた思い
ウクライナ大飢饉のことは1980年代半ばに知ってました。毛沢東の大躍進との比較や類似性からですね。しかしながら、ガレス・ジョーンズ氏は全く知りませんでした。
この映画を観た後で主人公であるガレス・ジョーンズ氏とその周辺を少し調べてみましたが、概ね、映画に反映されているようで、事実をもとに組み立てていると思います。結構、盛り込んだ話でもあるのでストーリーは多少とっ散らかって流れていき、人間関係や社会的背景の把握にまごつくところもありましたのでそこを注意して観るといいと思います。(阿片窟はいらないんじゃないかな。デュランティとの対比でも必要性を感じない。)
そして、電車(貨車)での食料の奪い合い、コートよりパン、駅に死体が転がっていても誰も見向きもしない、当然、村には行き倒れが多数、などなど、現実なら絶対に出会いたくない、観たくもないシーンが次々とやってきます。
兄弟の死体をスープにして食べる、なんて、天保天明の大飢饉、攻城戦での飢え殺しなど日本にもありましたが、まさに地獄そのものです。
そして、ラストのガレス・ジョーンズ氏のその後の説明にも衝撃を受けました。真にジャーナリストとして行動していた氏に対しては敬意しかありません。
どこかの日本アカデミー賞受賞作品なんてクソにもならない凄さが、ここにはありました。
今、観たい映画。
ロシアのウクライナへの蛮行はたった5か月前に始まったことではない。
それがよく分かる映画です。
1933年頃にはウクライナはロシアの穀物庫の役割を果たしていた訳ですが、
ウクライナ国民はロシアに穀物の殆どを搾取され飢餓でバタバタと死んでいたのです。
そのずうっと以前からウクライナはロシア(ソビエト連邦)に搾取され続けている。
その一端がよく分かる映画です。
2019年(ポーランド/英/ウクライナ)アグニシュカ・ホランド監督。
スターリンの粛清・・・400万人〜1450万人が飢餓やシベリア送り、
弾圧、処刑で亡くなったとされる。
1933年。イギリスのジャーナリストのガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は、
世界的大恐慌下でのソビエト連邦の繁栄を不思議に思っていた。
真実を探るべく、モスクワに取材に訪れる。
そして禁止されているウクライナへ単身乗り込むのだった。
ガレス・ジョーンズは、実在の人物で、この映画も実話に即しています。
1933年。モスクワの穀物倉庫と言われるウクライナの人々はパン一切れにも
窮して死肉を貪っていた。
寒さと飢え・・・雪道に転がる死体。
馬車に無造作に積み上げられた死体。
目を覆う惨状だった。
(穀物は全てモスクワに送られて、政府高官は栄養栄華パーティーに興じていた)
これが西側諸国が思いもしないソビエト連邦スターリン政権の真実だった。
ガレスの告発記事はイギリス政府の手で揉み消され、真実は闇に葬られるか?
と、思ったその時・・・
ガレスの咄嗟の機転で、告発記事は日の目を見る。
当時のソビエト連邦の真実を告発した若き記者の、勇敢な行動を描いた映画です。
ウクライナの子供たちの飢えた目が、衝撃的です。
娯楽性は少なくて面白さも限定的ですが、命懸けで真実を伝えようとする
ジャーナリスト、ガレット・ジョーンズ。
たった1人での告発は猪突猛進で、やや無謀にも思えました。
彼が暗殺されず無事に生き延びたのは、後ろ盾となったイギリス・アメリカの
新聞社やジャーナリストたちのお陰でしょう。
プーチンはスタ-リンになりたかった!
あなたは、「ホロドモール」という言葉を知っていますか ?
私は、今週放送されたBS-TBS報道1930で、初めて知りました。
日本では
「ウクライナ飢饉」「スターリン飢饉」「飢餓テロ」「飢餓ジェノサイド」
とも言われています。
1932年から1933年に起きた「ソ連によるウクライナいじめ」により、
ソ連本体は、世界恐慌の後でも繁栄していたのに、
ソ連配下で農業豊かなウクライナでは、
作った作物をソ連に搾取され、
自分達が食べる物が無くなくなり
「500万人」ものウクライナ人が餓死したそうです。
当然かもしれませんが、母親が餓死すれば、
その遺体とともに生きている赤ちゃんまでも葬られました。
これを映画化したのが「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」です。
英国のジャーナリストによる調査報道と体験を基にした実話です。
日本では、2020年8月に公開されましたが、
残念ながら、コロナ禍ゆえに、その存在すら知らない人が、
私を含め殆どだと思います。
BS-TBS報道1930では、当該作品にも触れており、
本日、Amazon Primeで、400円支払って観ました。
まず、誤解されたくありませんが、
当該映画作品は、当時のソ連・ウクライナ・ドイツなどを非難するのではなく
「人間の醜さ」をテーマにしていると思います。
でも、
平和ポケしている私には、吐き気がするほど、すさまじかった。。。
1932年のソ連・スターリンが行った弾圧と
同じやり方で、今回、プーチンが行っている事に驚いた !
プーチンは、スターリンになりたかったんだ!
しかし、
当時の世界の悪者は、ヒットラーだったので、
当時のソ連・スターリンを非難するのは、少数だったのです。
しかし、
ウクライナでは、多くの死体は道路脇に放置され、
情報統制の為の「スパイ活動」と「ウソによる国民扇動」は、
90年前も今も全く同じだ。
また、現在でも行われている
「中国によるウイグル族への弾圧ジェノサイド」
と重なって見えました。
ソ連・ロシア人と中国人は、似ている !
本当に、許せないし、嫌いだ !
「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」
Amazonなら400円、Youtubeなら440円ですが、
前半は当時のソ連、後半はウクライナの悲劇で構成されており、
特に後半は、嘔吐してしまいそうな映像もあります。。。
お勧めする作品ですが、
決して、気軽に観れる作品ではありません。。。
Michi
[追伸]
東部ウクライナの一般人が、「シベリア」に連行されるという報道が
ありました。
私の父は、死亡届が母の元に届いてから1年後に帰国しました。
なぜならば、シベリアでの強制労働を強いられていたからです。
ソ連による「強制労働の実態」を常識を逸脱しており
父は、昭和がどんなに平和になっても、
ソ連を受け入れず憎んでいました。。。
当時のソ連は米国と肩を並べる経済力と軍事力を有していました。
そして、その後、
国際社会は、第二次世界大戦の失敗から学んだはずです。
今や、
ロシアのGDPは韓国以下、
軍事力も今回その低さが露呈しました。
でも、
核を有しているロシアだから、
ウクライナの後方支援しかしない米国・NATO・EUと国際社会。
これでよいはずがない!!!
史実の重さと、カタルシスの大切さ
第二次大戦前のソ連の惨状を目の当たりにする外交補佐官の物語。
史実を基に創られた映画のようです。
重たく残酷な歴史を、しっかりとした演出で再現したドラマです。
ウクライナの描写が秀逸です。絢爛煌びやかなモスクワ。それに対して、ウクライナは一転してモノトーン。降り積もる雪、荒廃した家屋、生気を失った顔・・・汽車の中で唯一色彩を宿した蜜柑のオレンジ色が印象的です。
そして、幼い姉弟・・・実際に起こり得るような状況だったのでしょうね。
現地女性記者とのロマンス、尊敬する敏腕記者との関係、これらのサイドストーリーもしかっりとして好感が持てます。
非情に完成度の高い作品だと思いますが、映画としてみると、カタルシスを感じることが出来ないのが残念。史実なので仕方がないのですが、モヤモヤな気持ちが残ってしまいました。
真のジャーナリストのあるべき姿。
ポーランド・イギリス・ウクライナ合作なのが頷ける内容でした。実話を...
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