「史実の重さと、カタルシスの大切さ」赤い闇 スターリンの冷たい大地で よしさんの映画レビュー(感想・評価)
史実の重さと、カタルシスの大切さ
第二次大戦前のソ連の惨状を目の当たりにする外交補佐官の物語。
史実を基に創られた映画のようです。
重たく残酷な歴史を、しっかりとした演出で再現したドラマです。
ウクライナの描写が秀逸です。絢爛煌びやかなモスクワ。それに対して、ウクライナは一転してモノトーン。降り積もる雪、荒廃した家屋、生気を失った顔・・・汽車の中で唯一色彩を宿した蜜柑のオレンジ色が印象的です。
そして、幼い姉弟・・・実際に起こり得るような状況だったのでしょうね。
現地女性記者とのロマンス、尊敬する敏腕記者との関係、これらのサイドストーリーもしかっりとして好感が持てます。
非情に完成度の高い作品だと思いますが、映画としてみると、カタルシスを感じることが出来ないのが残念。史実なので仕方がないのですが、モヤモヤな気持ちが残ってしまいました。
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