劇場公開日 2020年12月11日

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ニューヨーク 親切なロシア料理店のレビュー・感想・評価

全88件中、61~80件目を表示

3.0心がほっこり

2020年12月20日
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ハッピークリスマス的な感じの、ちょっぴりハートウォーミングな作品でした。

経済も法律も知らない母親が、命からがら逃げ出して、おびえ、どうしていいかわからない様子とか。
子どもたちを虐待死寸前まで追い込むDV夫がこわいとことか。
妙にリアル。

逃亡時に、生きるためとは言え物を盗んだ店に対して、この母親が最後まで謝罪してないあたりがモヤモヤしましたが。
それ以外は、よい落とし所だったと思います。

ロケ地はニューヨークながら、製作にアメリカが入ってないためなのか、普遍的人間像はリアルなのに、取り巻く世界がものすごくファンタジーっぽいアメリカ像でもありました。
他国人の憧れるニューヨークって感じ。

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コージィ日本犬

3.0盛り込みすぎて伝わり辛い

2020年12月19日
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しずる

3.0安直

2020年12月19日
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悪くはないけど、良くも無い。中盤まで、ひたすらDV夫から逃げまわるシーンの連続で物語に全く厚みが感じられない。また、手助けしてくれた店のオーナーに恋心を寄せるなんて、ストーリー的に安直過ぎやしないか。邦題がまた、いただけない。で、唐突過ぎる裁判シーンなんて急展開過ぎる。もっと脚本を練った方がいいと思った映画でした。

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オクやん

3.5人に優しく出来る人は素敵だ

2020年12月17日
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前半は少し退屈だったかな。
でも、後半で登場人物たちの人生が交差し始めてからは気持ちが持って行かれた。

アリス(アンドレア・ライズボロー)がセラピーで「みんな他人なんだから。気を遣わなきゃ」というセリフ。
本当に他人の為に生きてきた人が言える言葉で胸を打たれました。
家族や友人はもちろんなのだけれど、そうじゃない他の人たちにこそ優しくするべきなんですね。素敵な教えです。

メインはクララ(ゾーイ・カザン)だけれども、ジェフ(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が気になって仕方がなかった。
立て続けに仕事をクビになり部屋も追い出され、普通なら自暴自棄になってもおかしくないのに彼はずっと優しかった(初登場だけちょっと荒れたけれど)
不器用ながら自分にできるちょっとしたことでも喜びながらやる姿は愛おしいかったな。
そんなジェフを含め、みんながハッピーエンドで終われて本当に良かった。

他人に優しくするのって勇気が必要で、それが出来ない人が冷たい悪い人だとは思わないけれど、
優しくできる人に人は惹かれるのは間違いないと思う。

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プールサイド

4.0善き人たちの寛容なコミュニティー

2020年12月17日
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いつまでたっても、アメリカの児童虐待やドメスティックバイオレンスは減らないのだろう。
難民ボートなみに、母子が押し込められているシェルター。プライバシーもなく、ただ横になるだけの場所。
この現実をみると、日本の福祉は手厚いと思う。

反面、サークルを運営するアリスや民間のパワーが凄い。
隣人を愛せと説く宗教で繋がっているからなのか、皮肉にもニュースで見る今のアメリカとは真逆の姿を浮き彫りにしている。

子どもは無力だ。
必死で、諦めないでとすがるしかない。
それなのに、赦すということを、すでに知っている。
許すではなく、「赦す」ことを。

それにしても、と考えてしまう。映画の中だけではない、現実でも直面すること。
何か行動を起こすとき、
生活がうまくいかないとき、
自分の感情がコントロールできなくなったとき、
最悪のことも考えて、想像してみないものか。
たまたま、善き人たちに出会う確率は、かなり低いはずなのだが。

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ミツバチば~や

4.0親切以上の心接!

2020年12月16日
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泣ける

幸せ

ブランド品を身にまとう私の大好きなツンデレな4人組は出て来ませんが😁
NYの庶民…都会の片隅で過去や事情を抱えて生きている人達の物語を老舗のロシア料理店を軸に進んで行く…

レストランの常連で貧しいホームレスの支援や悩み多き者達のセミナーを開く看護師のアリス…彼女の強さと優しさが震える程、心に染み
自分中心ばかりの人が増えている昨今
他人に手を差しのべる姿勢に救われた気がした

そのアリスや料理店のマーク、弁護士のジョン
愛ある彼らに支えられて幼き息子2人と暴力的な夫から逃れて来たクララもこの大都会で新たな人生を歩んで行く一歩を踏み出す…

小さな恋物語が含まれるところも素敵❤️
大きな優しさと幸せが満ちたとても意味ある
気持ちの良い作品でした!

ビル・ナイのおとぼけ感がたまらなくいい!
…ロシア料理をもう少し観察したかった
食いしん坊でイジ汚い私でした💦

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ねもちゃん

1.5優しさと親切心、寄り添うは大切、でも個人の努力ありきね!

2020年12月16日
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人は多かれ少なかれ様々な要因で心や過去、また現在に暗い影を落としているのでしょう。
またその影が原因で社会から爪弾きされたり、逃げざるを得ない人も少なくないのでしょう。
そんな方々び手を差し伸べることができるのも人間。
どんどん影をもつ人が増えてきていると思う現代、改めて人同士の助け合や親切に接することは必要なのでしょう。
影を持ちながら生きている人がどんどん増えていく社会や、対応をボランティア任せにしている?国への文句にも見えます。まぁ、ゆえに「人同士」ってのが際立つわけですが。

しかし、この作品。助けられる母親+子供達になんか感情が乗って行かない。
気の毒な家族状況であることはわかりますよ。抜け出したい日常だったことはわかります。
この母親がなー、なんだかなー。
働いたことがないと言う設定なんだけどさ、あまりに何にもしない、生産的なことを。
10代の家出少女のような行き当たりばったり満載で、でラッキーだらけなんですよね。
スイーツ女子的な感じで子供2人を振り回す様が「あり得ねーなー」って。
子供が親になった感じ。

皿洗いぐらいせーよ!・・・と。
「何か手伝いましょうか?」くらい言えよ!・・・と。
後でお金持って行けよ!・・・と。
無計画すぎない?突発的に来たわけではなく来ようと思ってたんでしょう?

それと、親切をする動機が・・・アリスは違うけど。(彼女はボランティア通して癒されてたんだろうね。)なんか、不純なものしか感じられないんだよなぁ。見当たらないんだよな。
他にもあるのかもしれないけど、それしか見えてこないから。
動機描写がなさすぎる。少ない。だから物語に厚みが待ったくない。

「ラッキーなだけやん!」
「その場にいたからじゃん!」
「たまたま声かけられたからやん!」   と嫌味しか出て来なくなって来てしまう。

その女性がパッと目に留まる美人さんじゃなかったら、きっとこの話は
なかったんだろうね・・・・なーーーーんて思っちゃうくらいに薄い。

最後に、あの母親。スイーツ母親。今度は働けよ。って願う。
困ったら泣いて訴えるだけじゃ世間は渡れませんぜ。
今回はうまくいったけどね。

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バリカタ

4.5ボルシチもピロシキも出てこないのになぜか心が温かくなる 瞼の裏もじわーっと熱くなる

2020年12月16日
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幸せ

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カールⅢ世

2.5邦題の付け方がイマイチ

2020年12月15日
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皆さんが書かれている通り、やはり邦題の付け方がイマイチだと思います。
本作に出てくるロシア料理店は確かに親切なのですが、他にも親切な仲間が沢山出てきますし、その仲間が重要な役割を演じていますので、もうちょっと邦題の付け方を考えて欲しかったです。
原題は「The kindness of strangers」ですから直訳すれば「見知らぬ他人の親切」といった感じになるかなと思います。

内容のほうはアメリカで作られただけあって、やはりアメリカ人向けの内容だと感じました。
確かにいい話ではあるのですがちょっと物足りないかな。感動までは至りませんでした。

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canghuixing

5.0隣人に優しく、親切にする事が幸せなサークルを生む

2020年12月15日
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幸せ

萌える

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J24

2.5あたたかいのは素敵。でも…

2020年12月14日
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ke_yo

4.0都会で闘う女性のこころに染みる作品です。

2020年12月13日
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あらゆる価値観が交錯するNY。集う女性の背景もさまざま。2人の女性にスポットが当たる。主人公はイケメン旦那に2名の男の子を授かったものの子供への相次ぐDVから子供たちと着の身着のままで逃亡した無力な専業主婦。もう1人は救急病棟看護師・教会でセラピスト・ホームレス支援など人への無心の奉仕が生きがいの日々に「誰のNo1でもない」ことに孤独を感じる女性。キラキラした大都会の元でも日々繰り広げられている女性の日常、都会で闘う女性のこころに染みる作品です。

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masayoshi/uchida

3.0繊細で観る人を選ぶ映画だなぁ

2020年12月13日
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夫のDVから子供二人を自動車に乗せて、自動車以外は無一文でニューヨークに来た主人公。
緊急病院で看護師として働く一方、教会でアメリカ独自の文化とも言えるのセラピーの会を切り盛りする独身の女性。
不器用で職場も長続きしない男。
弟の薬物関係のとばっちりで刑務所に入り出所し、古いロシア料理店のマネージャーになった男と
彼の弁護を担当した弁護士。
皆優しい人たちで、教会に主人公と息子たちを泊めてあげたり、ロシア料理店の上の自分の部屋に住まわせたり
母子は貧しい人々への食事提供ボランティアの世話になったり。
アメリカニューヨークならではの人間模様ですね。

でも独身ナースのアリスには、奇妙な結婚話を持ちかけられたり、「待ってる人もいないでしょ」と当直みたいな勤務を押し付けられたり、DV野郎には「愛の何を知ってる?」と嫌味を言われる始末。痛い。痛い。

繊細な映画です。ウリは「赦し」だそうですが、最後は希望の光が見えます。

ただ繊細でない私はもチット美味そうなロシア料理の描写が見たかった。ロシア料理が話の中でキャビアの例えが出るくらいでウォッカ以外全く出てこない

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清水健太郎

3.5小さな愛の連鎖

2020年12月13日
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主要な登場人物が何処か、心に傷を持っていて
だからこそ他人の痛みを感じ事ができたのでしょう
そこにはヒーローなどは居ません。
普通の人達が他人に優しくする事で自らも
癒されると言う赦しの物語でした。
クリスマス季節にはお勧めです

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kenjii0809

4.0大丈夫ですよ!ロシアン・マフィアは出てきませんから

2020年12月13日
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またもや、である。
DV被害者となった妻(女性)と子ども(物・心両面で保護されるべき立場の弱者)が着の身着のままで逃げるしかない状況になった時、よほど運が良くないと、つまり、事前に社会福祉制度の網に救われることがない限り、そのまま経済的困窮に追い込まれることになる。しかし制度に救われるには、ある程度深刻化、それも多くの場合、事件化(警察が介入するほどの事態や医者による診断書)しないと要件が満たされないのが現実なのだと思います。親権や各家庭のプライバシーの壁もあり、もしかしたら、と気づく人が周りにいたとしてもなかなか通報しづらいし、調査も簡単ではない。

そういう背景を考えると、この物語は一種のヒーローものでもあるのではないでしょうか。
一見無能なボンクラ経営者を装ったビル・ナイが密かに、正義の味方の資質を持つアリスやマークに居場所を与え、いざとなったら救援チームを組成し、能力を発揮させる。

バットマンやスパイダーマンにはなれないけれど、どんなに見通しの暗い社会にも一定数は必ず存在する優しさたちが、ある場所で出会い融合すれば一定数の不運な人たちを救うことができる。
そんな願望がカタチになった映画だと思います。

それにしても、コロナ禍以前であっても、医療に従事される方々はあんなに大変なのですね。
あらためて、敬意と感謝の気持ちで一杯になりました。

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グレシャムの法則

1.0稚拙

2020年12月13日
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稚拙な脚本故か 俳優達が進む求心を見い出せなく、各個人が共生しない映画になっている。

信頼おけそうな著名人が賛辞を寄せているが、試写会に出たら 配給会社に非礼出来ないからだろうか? 見て損をした映画だった。

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イコン

3.5大都市では一人一人は小さな存在でしかないが、助け合って生きる意志は滅んでいない!!

2020年12月13日
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今作のキーワードは「無力感」
それぞれのキャラクターが抱える「無力感」の中でも、他人のために何ができるのかという、人と人との繋がりの尊さを群像劇として描き出している

主人公クララは、子供を連れて夫の寝てる間に家を出る。突発的ではなく、少なくとも数日前から計画していただろうに、所持金がないなんて、無謀すぎるような感じもするし、子供を連れて無計画に歩き回る。

実は名監督エリア・カザンの孫であるゾーイ・カザンのある意味、魅力ともいうべきか、なんとなくポカーンっとした表情が言い方が悪いが、おバカにみえる。

夫は警察官で、暴力を振るったといっても、実際に暴力を振るう描写はほとんど登場しないため、本当はクララの方に問題があるのではないかとも思ってしまう。という外観からのイメージとしては、公務員という定職のある男の方がどうしても社会的に優位であることも感覚的に描いており、そこは女性監督ならではの視点のようにも感じられる

お腹をすかせた子供のために食べ物を調達してきたはずなのに、あっけなく図書館に置いてきてしまう。何気なく扱われているシーンなのだが、私はそれを見逃さなかった。

やはり主人公はどこがヌケたキャラクターという設定なのだ。そこでゾーイ・カザンの表情が役立ってくるという仕組みだ。

17歳で夫と出会い、そのままほとんど社会を知らずに生活をしてきたクララには、知らないことが多く、だからこそ子供に自分自身も知らない世界を見せてあげたいと思った流れは理解できるし、自分の中の世界が比較的すぐ行けるニューヨークというのもクララの世界の狭さを表現している。

しかし、世間や社会を知らないクララにとっての精一杯の世界がニューヨークなのだ。

自分が何者であるかと悩む暇もないほどに、日々が忙しなく過ぎていくニューヨークという街。この大きな街の中では、ほんの小さな存在でしかない人間が、自分が何ものであるかの確信も得られないまま、他人に関心がなくなった現代社会と言われてはいるものの、それでも人を思いやる気持ちはなくなることはない。

今作は、あえてそれぞれのキャラクターの内情というのが、そこまで描かれていないため、物語として薄口な感じがしないでもないのだが、ニューヨークもそうだが、大都市というのは、様々な人種が渦巻く環境の中で俯瞰として見た人々の物語は何気ないものでしかないかもしれない。極端に言えば、いなくても時間は流れていくが、誰かにとっては必要な存在である。

何もできないかもしれないけど、その中でも何かをしてあげたいという気持ちは人間ならではだし、その人間愛を覗けるような作品だ。

そんなにお互いのことって知っているようで知らない。そんなキャラクター同士の微妙な距離感と空気感をうまく描いけているのは、あえてひとりひとりの物語を薄口にしている効果であり、それはあえての狙いであったように思える。

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バフィー吉川(Buffys Movie)

3.5その他の人々の不幸を浮き彫りにしている

2020年12月13日
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「ニューヨーク 親切なロシア料理店」という邦題から、てっきりレストランを舞台の悲喜交交を描いた映画だろうと踏んでいたが、少しだけ違っていた。原題は「The kindness of Strangers」である。映画を鑑賞したあとで邦題をつけるとしたら、当方なら「ニューヨークの優しい人々」か、直訳の「他人たちの親切」としたい。邦題をつけた人はちゃんと作品を観たのだろうか。

 ニューヨークには様々な問題を抱えた人たちがいる。明日をも知れぬホームレスから大金持ちまで、或いは社会で上手く生きていけない精神的な悩みを持つ人から世渡り上手だけで贅沢な暮らしを手に入れる人まで、縦も横も雑多な人々の集まりと言っていい。
 そして大半の人は、自分が上に行くよりも下に墜ちる可能性の方がよほど高いことを知っている。いつどんなきっかけで自分がホームレスにならないとも限らないのだ。雇われている人は目の前の人が困っていると分かっていても、雇い主の金でその人を助ける訳にはいかない。そうしたら解雇されて自分が目の前の人と同じ立場になってしまう。助けるのも助けないのも、どちらも辛い選択だ。他人に優しくすることはとても勇気のいる行動なのである。
 主人公クララは二人の男の子を連れて、逃げるために家を出た。行くあてもなく自動車を走らせ、ニューヨークに辿り着く。IDカードとクレジットカードだけが物を言うニューヨーク。金持ちに優しく、貧乏人に冷たい街だ。クララに必要なのは温かい食事と雨風をしのげて安全に寝られる場所である。しかしIDもクレジットもないクララには、そんなものは提供されない。
 本作品のリアリティは、クララが必ずしも善良なだけではないことだ。嘘も吐けば盗みもする。人は追い詰められたら普段は出来ないこともやってのける火事場の馬鹿力がある。だがいつもうまくいくとは限らない。次第に追い詰められるクララだが、無償で食事を提供してくれる場所を発見してひと息つく。しかしそこに寝場所がある訳ではない。
 看護婦のアリスはロシア料理店の常連で、病院の仕事以外の時間はボランティアでホームレスたちに無償で食事を提供したり、立ち直りたい人たちのための会話サークルを運営している。そこに加わったマークは刑務所を出たばかりだが、ロシア料理店に拾われてマネジャーとなる。友人のジョン・ピーターは彼の裁判で尽力してくれた。
 クララのように親切な他人に巡り合うのは極めて稀だと思う。ニューヨークに生きる多くの貧乏人は救いがない。冬の寒さに勝てずに凍死したり、夏の暑さに衰弱死する。または生きる希望をなくして自殺する。本作品は不運の中の幸運に恵まれたケースを描いているが、恵まれない人も沢山いることも同時に描いているし、今は寝るところと食べ物にありついている人も、いつそれらが失われるかもしれないことも描いている。クララの奇跡的な僥倖を描くことで、その他の人々の不幸を浮き彫りにしているのだ。

 アリスを演じたアンドレア・ライズボローがとてもよかった。優しい人は時として他人を突き放す。自立を促すためだ。頼ってばかりではなく他人から頼られる存在にならなければならない。人を否定せず、受け入れる寛容さが大切なのだ。しかしアリスは受け入れてばかりで疲弊している。アリスにも頼る相手が必要だ。そういったアリスの心模様を上手に表現していたと思う。名演である。
 映画「マイ・ブックショップ」に重要な役どころで出ていたビル・ナイがホテルのオーナー役で登場。この人がいると作品の厚みが増す。クララ役のゾーイ・カザンは初めて見たが、母親の顔と女の顔の使い分けが見事だったと思う。

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耶馬英彦

4.0邦題が残念

2020年12月12日
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タイトルと予告編からはあまり惹かれることなく見逃していたかも知れない作品。
でも時間ができて観に行ったら、人の優しさが心に染みる作品でした。

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Masami

3.0幸せ探し

2020年12月12日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

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レオ