劇場公開日 2020年12月11日

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「良い映画だと思いますが、少し難もあり。とはいえ良作。」ニューヨーク 親切なロシア料理店 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5良い映画だと思いますが、少し難もあり。とはいえ良作。

2020年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年65本目。明日(おおみそか、31日)に何か行けば66本目になりますね。

さて、こちら。大阪市では1週間遅れの公開になってしまいました。
しかも放送している映画館は2つという状況。シネリー○ルさんには感謝ですね。

多くの方が書かれている通り、「ロシア料理店」という点はあまり本質論ではなく(実際、ロシア料理か?と言えるものはほとんど出てこない)、色々な悩み…たとえばDV(ドメスティックバイオレンス)などを抱える人たちが集まる場といった感じになってしまっています。
それにしても、あのDVのやり方は…日本では即警察が来て逮捕されるでしょうね…。

作品自体はそれでも「食に関係する映画」ではあった点は間違いないものと思いますが、タイトルだけを見るとロシア料理をたくさん食べる映画なのかなぁなんて思っちゃう人が出かねない、「タイトルで誤解を招かせる」状態になってしまっているかと思います。

ストーリー自体には大きな問題はないし、問いかけたいことも明白(日本とアメリカなどでは当然その取り組みもあり方も違いますが)ですが、タイトルに難がありすぎて、伝わりにくいのではないか…というのが心配です。
ちょっとこういう点は(申し訳ないけれども)減点材料にせざるを得ませんね。

とはいえ、限られた状況の中で自分の再出発をどこにとって、そしてそれをかなえるためにどうすればよいか、周りと話し合って決めていく、そういう「芯の強さ」は見えましたし、「タイトルもいい加減なら何が言いたいのかも意味不明」でもなく、「タイトルを変にしちゃったために混乱する人が出てくる「だけ」」であり、映画自体はそういうマイナス点はあるものの、「伝えたい点」はしっかりとあります。この点は高評価です。惜しむは放送されている映画館が少ないことですね…(大阪市でも2つしか見つからず)。

 減点材料は下記の0.5で、4.5としました。その大半は「タイトルが乖離しすぎ」というものであり、それさえ目をつぶるのであれば4.9で七捨八入で5.0になるので(私がいつも基準としている通り)、「伝えたいことはしっかりとわかる」(単にタイトルが乖離して、それを意識すると混乱しかしない)ので大丈夫です。

 帰りにピロシキ(ロシア風のお総菜パン)を成城×井で買って帰りました(別に隠す必要ないと思う…)。

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 減点0.4 本映画の原作タイトルは The Kindness of Strangers です。「見知らぬ人の優しさ」程度になるでしょうか。それをどうすると「ロシア料理店」だのになるのかよくわからず…。確かにロシア料理店「も」絡んでくるんですが、そこまで大胆に日本語訳って変えていいんでしょうか…?(もしそれで観客数に大きな影響があったら、誰が責任取るんでしょう…?あるいはそれも含めて了解済み??)

 確かに洋画の場合、宗教に関することや細かい古い時代からの慣習・言い伝えにまつわるものなどはそのままでは伝わらないので意訳しているケースも多々ありますが、今回はそうではないですし…。どうするとこの訳になるのかまるで???です。

 減点0.1 若干ですが、英文法ミスが目立ちました。普通は減点材料にしませんが、語法がバラバラになっており(that節を取れる動詞に関するthat節内の時制不一致、省略できない関係代名詞の省略、分離不定詞など)、字幕はあるので大きな問題ではないですが、個数が10個を超えており(決定的に解釈がおかしくなる場合はそれだだけ、そうでなくても10個が目安で0.1減点)、ちょっと英語の語法…というか…国語でしょうか…に無頓着な部分が正直ぬぐえなかったように思えます。

 ※ かといって、新聞紙の記事を書くライターレベルの規範的な英文法で、というのも求めませんが、理解に支障をきたすものや多すぎるものは減点材料です。
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yukispica