屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのレビュー・感想・評価
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ファティ・アキン監督の新作!
ドイツのハンブルクで5年間で4人の老娼婦を殺した実在のシリアルキラー、フリッツ・ホンカを映画化。
監督は「ソウル・キッチン」「女は二度決断する」のファティ・アキン。
30代で世界三大映画祭(ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭)で評価されているアキン監督の新作が面白く無いハズが無い!
斜視、大きく曲がった鼻。気はいい奴だけれど、その独特のルックスゆえにモテず、行きつけのバー"ゴールデン・グローブ"でホームレスのような老娼婦をひっかけては自分の不遇はお前のせいだとばかりに暴力を振るう男を淡々と描く。
屋根裏に住む男が、自分よりも弱い者を虐げる事でしか自分を男を上げられない、底辺でウジのように這い回るどん詰まりの絶望が描かれている。
しかもそのフリッツ・ホンカをイケメンの22歳ヨナス・ダスラーが怪演している怖さ。
でも映画より殺人鬼より怖かったのは、明らかににどうかしてる殺人鬼がアル中で年老いた老女をボコボコに殴って殺してる不愉快なシーン中となりの席でケラケラ笑っていた人!
ムネヤケする最高な作品
冒頭からムネヤケするような気はしましたが。
想像以上でした。
キレイでも若くもない女を無理矢理、自分を奮い立たせて抱くシーン。とてもリアルに描かれていて、とても気分が悪くなりました。良い意味で。
映像が終始、汚く、臭く じんわり臭いが漂ってくるよう。
狂気のアル中。
実話、でした。
酒場に入り浸るホンカや娼婦達の荒ぶれた人生観と、人生これからの学生の対比が生々しい。
普通に生活しているとただの人なのに酒にのまれて豹変してしまうのがリアルにありそうで不気味だった。
どんよりした話だけど引き込まれた作品でしと。
狂ってる
34本目。
実話か、観てて何となく。
底辺って言ったらあれだけど、その環境に慣れ居心地の良さを感じる怖さ。
人がいなくなっても誰にも気にされない怖さ。
1日2本、作風は違うけど生々しさを感じたけど、こっちは目を背けたくなる。
でもあんだけ騒いでれば通報くらいはするだろうと思うんだけど。
狂気の暴力
試写会で拝見。
絶対にデートムービーにしないように。
バラバラな人体損壊を、リアルに描いていますから!
1970年代前半、ドイツの美しく裕福な街の裏にある、貧民街で起きた実話がベース。
バーから老売春婦を拾い、酔って殺すことを日常生活にしていた実在の連続殺人犯=シリアル・キラーの話。
ただグロいお話しというわけでなく、酒を飲まなければおとなしいのに、飲むと理性が飛び、暴力が爆発する様を描くことで、「人間に潜む狂気」を描いていたと思います。
フィリッツは、子どもの頃から父親に暴力をふるわれ、母親からは10人の子の下の方だからと育児放棄され、児童養護施設に入れられた。
さらに働きはじめてからは、交通事故で鼻を砕かれ、醜い貌になったという過去の持ち主。
父親の暴力は、戦時中ナチスの強制収容所に収監されてひどい仕打ちを受け、戦後はアルコール依存症になったせい。
そういったドイツがしでかした戦争の影響で、戦後も貧しく狂った人間が生み出されていった時代の哀しみや、今の時代も「親からの暴力の連鎖」で狂った人間が作らせて行くという指摘も、作中には込められていた気がしました。
『僕たちは希望という名の列車に乗った』の超美形若手俳優ヨナス・ダスラーを、メイクで顔を変形させてまで、主演に起用したのは、殺人鬼の「狂気の目」を若手俳優のギラギラした目の光を使って表現したのだと思います。
好みが大きく分かれる作品
ドイツ文化センターにて試写会で観賞。
正直きつかった。2時間弱くらいあったと思うが常に女性を性的に見て、女性を人間として扱わず暴力を振るい時に殺してまう…そんなのがずっと続くため正直途中で帰りたかった…(試写会場が途中退出しにくい作りだった為我慢したが)
もちろん作品を否定するつもりはないが、好みが大きく分かれる作品だとは思う。
個人的には勝手ながらどういう経緯で犯罪者になったのかといったストーリー性を期待し足を運んだのだが、そういった描写はなく、フリッツが初めて人を殺してから捕まるまでの時間軸を作品にしたといった印象。
フリッツも根本としては人と人との関わりを求め、愛される事を求めているんだろうけど、そこに同情心が湧くほど弱さが見えない。ただただ不快な存在である。
昨今は人を見た目や第一印象で判断するのではなく、また障害や欠落した部分も理解し助け合おうというのが時代の流れのように感じる時がよくある。
もちろんそれは大切な事だが、自分の身を守るのまた自分だ。
こういう作品を見るとやはりおかしいと思う人には近づかず、関わりをさける事こそ自分を守ることに繋がると思えてくる。
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