「【”アナタの部屋はとても臭いですが、何の匂いですか?ハイ、腐乱した人肉の匂いです・・”とフリッツ・ホンカは言わずに、平凡だが”不条理な日々”を過ごす中、只管に”不条理な狂気”の行動を取っていた・・。】」屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”アナタの部屋はとても臭いですが、何の匂いですか?ハイ、腐乱した人肉の匂いです・・”とフリッツ・ホンカは言わずに、平凡だが”不条理な日々”を過ごす中、只管に”不条理な狂気”の行動を取っていた・・。】
◆1970年代、ドイツ、ハンブルク。
実在した連続殺人鬼、フリッツ・ホンカは日々バー”ゴールデン・グローブ”に入り浸り、昼間から酒を飲むどこか壊れた人々と共に、酒に溺れる日々。
酒を老婆たちに奢ろうとするも、容姿の醜さ故に断られ続ける。
が、時折、自宅に酔った老婆を導き、狂気の行為を”ルーティーン”のように繰り返す・・。
・今作に登場する人物の多くは、昼間から酒を煽る男女の老人たちである。品の無い会話を交わし、不条理な行動を取る。
トイレで隣に立った元軍人らしき長身の男に挨拶した青年が、男から脅され、背後から放尿されるシーンなど・・。
彼らは、どこかが壊れている。
劇中で、老人たちが屡口にするのは、第二次世界大戦で受けた不条理な仕打ちの話である。
壊れた人たちの中で暮らしているので、フリッツ・ホンカの狂気は埋没して、目立たないのである。
<孤独感を抱えた、素面の時は真面目な男、フリッツ・ホンカ。
だが、酒が入ると、狂気のサイコキラーになってしまうフリッツ・ホンカ。
”貴方の隣にいる、不細工だがごく普通の男は、実は・・”
不条理極まりない、実在した連続殺人鬼の日常を描いた作品。
元アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのF.Mハイトが担当したポップな当時の曲が、画面で繰り広げられる惨劇を、何故かコメディに見せてしまう作品。
それにしても、ファティ・アキン監督は前作「女は二度決断する」で、不条理極まりないテロに対し、決然と立ち向かった哀しき女性を描いた傑作を撮ったが、
【不条理】に拘る監督なのだろうか・・。
第二次世界大戦で心が壊れた老いた人々の姿を描く中、ファティ・アキン監督は”世の中に蔓延る、不条理”を描きたかったのであろう、と勝手に推測した作品。>
おはよ〜ございます☂️ヨナス・ダスラーの出演作を観たことは無いんですが、まだ24,25歳なんですねえ、その若さでなんの違和感なくあの役が出来るなんて、凄いなあ‼️これから注目すべき有望株ですね🤩