「マケドニアから届いたフェミニスト映画」ペトルーニャに祝福を ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
マケドニアから届いたフェミニスト映画
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最初のくだりで、毎年行われる西宮神社の副男を思い出しました。日本にも同じような行事がありますね。はっきりとした根拠や理由はないけれど、「女性は土俵に上ってはいけない」的な女人禁制の行事や習慣や伝統があります。
面接でのセクハラ&パワハラシーン。男性は知らない世界かもしれないけれど、私も同じような質問をされたし、日常的に起こっています。暴力的でいやらしい質問をしつこくされたペトルーニャは、退席しようとした。内心は仕事がほしいはず。でもこうした理不尽な行為に毅然とした対応をする彼女に賞賛と尊敬の思いでいっぱいです。私なら、抗議できずに我慢してしまう。あるいは愛想笑いでやり過ごす。日本女性は長らくこうして過ごしてきすぎたのかもしれません。
警察の尋問でもペトルーニャの知的レベルの高さが表れています。本来、これは違法行為という訳ではなく、逮捕できる案件ではないはず。手を変え品を変え繰り出される警察官や神父の説得や脅しにも屈せず切り返し、相手はぐうの音も出ません。
いい意味でADHDなのかな?と思わせる落ち着きのなさや「空気を読まない」姿勢が、彼女をこうした大胆な行動に出させたのでしょう。
ところでラストで、ペトルーニャがあっさり十字架を返したのはなぜだったのでしょうか。
神父が彼女にも「幸運を」と声をかけてくれたことで、頑なだった心が溶けたからなのか。または警官とのラブロマンスの予感で、すでに幸運は手にしたからだったのか(笑)。軽~いラストに少々拍子抜けしてひっくり返りそうになりました。
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