「居場所」イン・ザ・ハイツ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
居場所
クリックして本文を読む
街の中で、とでも訳そうか。
自分自身を振り返るような話だった。
生きていれば色々な事が起こる。
楽しい事、よりも厄介な事の方が圧倒的に多いような気もしてる。それらに悩まされる日々。
待遇や経済みたいな社会的な事から、極々パーソナルな事まで。様々な問題に直面し選択を余儀なくされる。それが正解かどうかも分からないまま。
でも人生は続く。
その選択を正解であったと思えるべくして生きていく。
誰しもが体験する話、のような気がする。
ラストシーンが印象的だった。
街の大通りで、子供と妻を抱いた主人公は「王」という単語を口にしたように思う。
何が王だと吐き捨てそうな環境であれど、彼は確かに王に見えた。
自分の立ち位置に両足で立ち、大切な人達を守っている。自ら決断し、その道を歩いていく。
まさしく王たる者の姿であった。
比較してもキリがない。
自分の手の届く範囲が幸せである事以上の幸運があるのだろうか?
そんな事を感じた作品だった。
電気が通った時も救われたような気がした。
それまでは現実逃避のバカ騒ぎにしか思えなかったのだけれど、自分達の手に負えない事はどうしようもない。このまま電力が復旧しないなんて事はありえない。
それを何とか出来る人達が何とかしてるはずだ。
その事だけに心を奪われて失意の底に佇んでるだけで良いのか?電力が戻る間、どんな風に過ごそうが時間は等しく過ぎていく。
どういう風にその時を迎えるの?
それだって数ある選択の1つでしかないんだ。
日はまた昇る。
なんか自然と空を見上げたくなった。
コメントする