「リアル社会問題とファンタジーのバランスが良い!!」イン・ザ・ハイツ 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル社会問題とファンタジーのバランスが良い!!
日本で有名な映画スターが出ている訳ではないので
注目度が低いのですが、アメリカの舞台芸術の最高峰
トニー賞4冠とグラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞を
受賞した「イン・ザ・ハイツ」を映画化。
これ観ておかないと駄目なヤツです!!
ミュージカル大好きな私としては数年前の
「ラ・ラ・ランド」並みの注目度で観に行きましたよ!
南アメリカ(ドミニカ、プエルトリコ、チリ等)
から移民としてアメリカにやって来て人々が
ニューヨークの一番の端っこの
ワシントン・ハイツと呼ばれる移民街で
支えあって生きている姿を描いた今作。
明るく陽気な人々の楽しい音楽とダンス!
その間に挟みこまれるアメリカのリアルな人種差別問題。
デザイナーを目指す女の子は移民出身と言うだけで
ニューヨークの真ん中で部屋を借りれない、とか
勉強が出来て遠くの有名大学に進学した女の子は
パーティーで配膳係のウエイトレスと間違われたり
寮で盗みを疑われたり、
白人で無い事で差別や誤解を受ける生活に絶望して
生まれた町に帰ってきてしまう。
でも、その町もだんだんと家賃が上がってしまい
営業できないために一軒また一軒と
町を離れて寂しくなって行く。
移民社会の現実とそれでも諦めずに逞しく生きる
人々のパワーが画面いっぱいに溢れています。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
いつもこの手のミュージカルを観ると思い知らされるのは
踊れる人材層の厚さよね~。
爺さん婆さんはもちろん、腹の出っ張った親父や
でっかいヒップのおば様までみんなきっちり踊れる!!
普通に見える人たちが町の中いっぱいに踊って溢れる!
その迫力が凄い!!
ミュージカルはセリフから急に唄い出すのが嫌だ!
と言う人が観たらどう感じるかな?
ミュージカルと言っても
今どきの最新作なので歌がほとんど
ラップ調で始まるのです!!
二人のセリフの掛け合いがザクッと
ラップになっていきます。
曲調もヒップホップっぽいものが多くて新しい。
現実社会の問題を取り込みながらも
最後はファンタジーらしい終わり方になっている。
このさじ加減が先日観た
「竜と○○○○の姫」と違って飲み込みやすい。
映画やアニメや舞台の結末は多少、安易と感じる結末でも
良いのじゃないかと思ってます。
ファンタジーなのだから~~
折角盛り込んだものを中途半端に放り出されるよりは
よっぽど気持ち良いです。