「映画館で観てほしい!」イン・ザ・ハイツ 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で観てほしい!
陽気でロマンチストで頑張り屋さん。民族の誇りを忘れず夢を持って前を向いて生きる移民達が住む町「ワシントンハイツ」。
いつも心はカリブの海にいるような陽気さで生きる、それがラテン民族さ!
というプエルトリカン㏌ニューヨーク!なミュージカルを映画にした作品で、今年の映画の本命?! アカデミー賞作品候補でしょう!という作品。個人的には『ラ・ラ・ランド』より良かったです。
ラ・ラ・ランドは過去のハリウッド映画の名シーンの数々をストーリーの中にエッセンスで盛り込まれていて、それを楽しむ映画でしたが、『イン・ザ・ハイツ』もさまざまな工夫や仕掛けがありました。
「やった~!!」と思ったのはプールのシーンです。
ハリウッド映画史上に残るエスター・ウイリアムズの「アクアミュージカル映画」の水中ミュージカルに挑戦して、パワフルでアクティブな美しい夏のミュージカルを魅せてくれました。
ハッピーブルーなプールで踊る人たち。「ニューヨークにいても心はいつもカリブ海!」なプエルトリカン達の命の躍動!
夏に電気が止まり熱中症にやられながらも、カリビアン!陽気に立ち上がれ!水が効果的に使われていて、ダンスシーンも圧巻でした。
またこのストーリーは群像劇ですが、一人ひとりの人物設定が丁寧で素晴らしかったです。
「ワシントンハイツ」という町に住む移民たち。不法移民も混ざるこの地区で、どんなにつらくても夢を持ち、勤勉に働き続けて夢を叶えようと懸命に生きる人たち。みんなを育ててくれたおばあちゃん、必死で働いて店を構えて大学に通う娘の学費を稼ぐお父さん。移民で貧しく苦労が続く生活を強いられながらも、家族や町の人たちに愛されながら成長した若者たちがいとおしい映画でした。