「歌い踊りながら過酷な現実と対峙する彼らに完全に魅了された」イン・ザ・ハイツ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
歌い踊りながら過酷な現実と対峙する彼らに完全に魅了された
ラテンミュージックのミュージカルって今まであっただろうか。そしてこれだけラップが出てくるミュージカルも。ミュージカルに疎いだけなので他にもあるのかもしれないけど。こんな新鮮なミュージカル体験をするとは思わなかった。
ラテンミュージックがそれほど好きなわけではないが、彼らが歌い踊るシーンがとにかく楽しい。ストリートで、プールで、路地裏で、そしてビルの壁でキャストたちが歌って、踊るシーンを観るだけで体がウズウズしてしまった。
話の方は、4人の男女の夢や仕事や家族や恋を中心に描いていくだけでなく、ワシントンハイツの様々な人たちの話を織り交ぜていく群像劇のようでもあった。移民と言っても様々で、本作は中南米のコミュニティが舞台。ラテンのノリで明るく描いていながら、実はちゃんと深刻な問題にも触れていたりする。人それぞれの方法で立ち向かっているのもいい。深刻なようでいて最後は大団円な終わり方。ミュージカルがあまり好きではないくせにこんなことを言うのも気が引けるが、ミュージカルってこうじゃないとね!
元々の舞台が素晴らしいのはわかるが、映画としての作りもよかったんだと思う。ミュージカルが苦手な自分でもこれだけ感動してしまったんだから。
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