「ラストを引き立てるストーリーテリング」イン・ザ・ハイツ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストを引き立てるストーリーテリング
カリブ海のビーチでニューヨークで過ごした過去を小さな子供達に語って聞かせるウスナビ。このストーリーテリングに引き込まれれば、引き込まれるほど、ラストの感動が増すようになっている。僕は、しっかりと心を持ってかれましたよ。
舞台は、ニューヨークのワシントンハイツ。ヒスパニック系移民の街となっているが、家賃高騰の波が迫ってきていて、移民にとって住みにくくなりつつあるらしい。70年代の話のようであるが、登場人物はスマホを使っていたりして、時代設定は曖昧な感じだけど、移民が置かれている状況はよくわかる。ニーナがスタンフォード大学で受けた差別的な扱いは、象徴的に物語っている。
宝くじの値段が約9万ドルという金額が、絶妙なラインだね。遊んで暮らせる金額でもなく、パーッと散々してしまう金額でもなく、人生を再出発するために必要にして十分な金額。
楽曲は、ラテンベースのノリノリの曲が多く一緒に口ずさみたくなる。歌と踊りのシーンは、シーンに映っている全員が参加していて迫力も音の厚みも伝わってくる。ストーリーとミュージカルシーンのバランスもとてもいい。劇場の特別音響モードでの上映ということもあって、音楽とダンスに気持ちよく酔いしれました。
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