「現在だから強く理解できる作品」黒い司法 0%からの奇跡 Sumichiyoさんの映画レビュー(感想・評価)
現在だから強く理解できる作品
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80年代アメリカのアラバマ州。アメリカの南部にあり、情報や流通は制限されていると予想される。この閉鎖的な社会が人種差別という既成概念を定着化させ、主人公のウォルターさんや家族、ならびに黒人社会の権利や力を奪っていたように思う。明らかな冤罪であっても、覆す術がない。
だが、現在ではインターネットやSNSによって閉鎖的な社会のほうが難しい。誰かの1tweetによってすべてが覆ってしまうこともある。見ていて、こういった社会の変化を感じた。
作中、偽証をした白人は法執行機関に従い、最後は証言を覆す。犯罪者は下層民ではなく、社会を構成する法執行機関や上層白人社会が差別を助長していることに怖さを感じた。
国籍や人種による差別のみならず、些細な“違い”による差別はなくならない。だが、差別に当たるという自身の認識で結果は変わると思う。
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