劇場公開日 2020年2月28日

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「製作も兼ねるマイケル・B・ジョーダンの逞しさ」黒い司法 0%からの奇跡 MPさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0製作も兼ねるマイケル・B・ジョーダンの逞しさ

2020年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

1980年代のアメリカ、アラバマ州で、黒人というだけで犯してもない殺人の罪を着せられ、死刑宣告を受けた被告の無実を勝ち取るため、次々と立ちはだかる差別の壁に跳ね返されながらも、正義と平等のために前進して行く黒人弁護士、ブライアン・スティーブンソンの実話である。ある種見えている展開も、ディテールを丁寧に積み重ねることで、スリルと感動を与えてくれる演出にまず感謝したい。しかし、何よりも、スティーブンソンを演じるマイケル・B・ジョーダンの透明感が、すべてを力強く牽引して行く。ジョーダンはプロデューサーも兼任している。ジョーダンと言えば、ロング・シリーズをやはりそのフレッシュな魅力で再生させた「クリード チャンプを男」や、マーベルのスマッシュヒット「ブラックパンサー」の敵役等がまず頭に浮かぶが、「ブラック~」のライアン・クーグラーと組んだ初期の代表作「フルートベール駅で」では、白人警官が誤って発射してしまった銃弾に倒れる黒人青年を演じて脚光を浴びた。今やセックスシンボルとして注目される彼が、だからこそ、今も根強い人種差別をテーマに掲げる姿には、意外性と同時に逞しさを感じないではいられない。

清藤秀人