ジョーカーのレビュー・感想・評価
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バットマンの知識が全くない状態で見ましたが、十二分に楽しめました。確かにカップルや子供が見る映画ではないが、そこまで鬱じゃない。
おいら的にはハッピーエンドだった。
精神障碍の方が人の真似をやめて、社会を巻き込みながら本当の自分になると言う感じ。
文字にすると何か凄いインパクトだけど、それ以上に面白い。
あと泣けるようになって本当に良かった、あの涙の痕が何とも悲しいハッピーエンドを誘ってました。
狂気のための狂喜!
作品としては良しなのですが、気に食わないのは
ウェイン一家襲撃事件。
あそこまで暴動起きてるのにアルフレッド以下、
ガードは何をしてるの?
わざわざあんな裏道行く?
殺されに行ってる様なあの描写はストーリー感じない。
美しくも無いし、喜劇でも無い。バッドマン最高の見せ場の一つが簡単すぎる!
どーやって今後、ブルースと対峙して最大のビィランになるんだよ。暴漢にやられただけ? はい??
キャットは? 将来が読み取れない。
散々さげすまれ、蹴られ、肉親からも裏切られて
底辺まで堕ちた時に人は変わる……
正に暗部のDC!
ただ、もっと華麗に魅せてほしい。音楽と神と
リンクして欲しかった。音楽が最高点来た時に
彼の言うアートがより昇華する。
狂気しかかんじない。
階段でのステップなんて見せ所なのに
そうする事で、もっと怖い
ブラックヒーローになれたと思う。
ハーレクインは完全にポップな感じで良いけど、
ジョーカー はもっと気高く描いても良かったのでは?
エンディング個人的にはバッドダンスで良いだろ。
ショータイムなんだから。
R指定何だから徹底的に狂気と美と喜劇を
創り出してほしかった。
やっぱりjokerよりpenguinのほうが好きだな
殺風景で幼稚な Guardianより........豚となる。
10月4日の Microsoft Newsによるとこの映画が、10月のオープニング興行成績のトップに立つと予想されると発表されている。
"When I was a little boy and told people I was going to be
comedian, everyone laughed at me. Well no one's
laughing now"
イギリスのコメディアンの有名な言葉。
"People used to laugh at me when I said I wanted to be
a comedian. Well they're not laughing now."
この映画、公開する以前から、ネット上ではシナリオの内容が出回り、それについての議論や悪評が伝えられ、ワーナーとしては諸手を上げるほどの広告費を削減できた形となっている。この映画会社は、なんでもする。過去には、映画「スター誕生(1954)」と言えばジュディ・ガーランド。チンケなコンピューターを駆使したものでなく、ジュディ・ガーランドの類いまれなる歌唱力に裏付けされた誰もが彼女が手にすると考えられていたオスカー獲りを邪魔をし、しかも、彼女について、映画会社自らある事ない事を風評している。その15年後47歳の若さで....
”Platinum Paradise”の彼女のポートレイト、今でもトラウマのように思い出す。その数日後に......
Los Angeles Timesのアメリカの映画評論家の言葉「私自身にとって、この映画は巨大なロールシャッハ・テストのシミのようなものであるけれども、一部の人々は、これらのシーンを実際以上に美化している。私は個人的にはそんなことはしない。」この人は端的に映画について述べていると個人的には思うところが多い。
またアメリカ第3位の発行部数のThe New York Timesの社説より、「ホアキンフェニックス主演のトッドフィリップスのスーパーヴィランのオリジナルストーリーは、激しい議論を巻き起こしていますが、議論するほど面白くありません。」
ワーナーブラザーズのニューヨーク映画祭上映会の時の監督トッド・フィリップスの発言。過去に作ったコメディ映画でワシントン条約を無視したような商業目的での国際取引が禁止されている動物をそこいらにいるような猛獣と同じ様な扱いをしている、ある意味賢い人か? 言いすぎました。それなら書くなってか?
「現実世界に暴力を巻き込むのは良いことではないのでしょうか?........... 漫画の暴力の要素を取り去るのは良いことではないでしょ? それが良くない方向に変わったとき、私は少し驚いたんだけど、私にとっては、それを現実に感じさせ、その重いテーマは実際に非常に責任感あるように見えるものでも、その反対に無責任に感じられる。」
Salon.comというサイトより。大胆なジャーナリズムの追求。そして最近ではソーシャルメディア、モバイルデバイス、ウェアラブルアプリに配信されているオリジナルのビデオを通じて全国的な対話を推進し、受賞歴のあるコンテンツは、毎月約1,000万人の個性あふれる視聴者に提供している。そのサイトの見出しには「ジョーカーと言う映画は、広範囲に不均一な雑然とした代物で、間違った方向になると危険なものになりかねない。」またこのようにも述べている。「マーティン・スコセッシ風な性格描写によって、サイコスリラー映画を目指している。」実際に笑い事では済まされないことで映画「タクシードライバー」の影響を受けた人物が、レーガン大統領の暗殺計画を企てている。それもジュディ・ホスターの気を引くためにだけの犯行と後で知ることとなる。この人トラビス(主人公)のようにモヒカン刈りにしたと聞く。さらに酷いのが2012年に起きたオーロラ銃乱射事件。ジョーカーに触発された20代男性が映画館で銃を乱射し、12人を殺害したものがあげられる。今回もそのようなことが起こらないように映画館サイドのセキュリティーを強化することを述べている。
アメリカの雑誌The New Yorker 2019.10.3付けの見出し記事
「そのおざなりな美学よりも視聴体験者に対して、さらに空虚感にするほどシニシズム的映画。」cynicism:冷笑主義。学問,芸術,贅沢,快楽を軽蔑して反文化的禁欲的生活を唱えた考え。
色々と負の部分を取り上げているが、日本の映画関係のサイトは、観る価値がないものがほとんどで、映画の根本的な事柄を知ろうとしても役に立たないものばかりなので敢えて反対意見もあることを載せてみた。これに関しては、こんな映画の崇拝者からすれば”大激怒”ですか? それなら書くなってか? 支離滅裂ってか?
最初から最後まで彼の心に寄り添うものはいない、まさしく"喜劇"だ
元々「ダークナイト」のヒース・レジャーが演じるジョーカーが大好きだったので、今回の映画は見る前から不安の一言でした。
今作のジョーカーには歴代に見る過剰なまでの自信を持っていません。
序盤はただの「心を病んだ優しい男」がどうやってジョーカーになるんだ、このままじゃあ一人の男が不幸になるまでの社会風刺物語で終わるぞ~と思ってしまうぐらいゆっくりねっとり「アーサー」のつらい日々を描いています。
同僚には裏切られ、自分に優しくしてくれていた女性は妄想、最後の頼みの綱である母親は実は自分と同じ精神病で……。
アーサーがこの物語で殺す人間はすべて彼に害をなしている(あるいはこれから笑いものにしようとしている)人ばかりです。
いっそのこと開き直って復讐する悪鬼羅刹のごとく殺しをしていてくれたらスッキリしたかもしれませんが、彼がどのシーンでも起こす笑いは大声で泣き続けている人が時々吸う深呼吸のように痛々しい音。
人々は彼に対して「なぜ殺す」ばかりで彼にしでかしたことも悪いと思ってすらいない。
暴動を起こした民衆たちが踊る彼をヒーローにように崇めるシーンでさえ、民衆と彼の気持ちには大きく剥離が生じている。
ダークヒーローになっても報われない、最後の病院の逃走シーンはまるでコメディのようで最初から最後まで彼の独りよがりの「喜劇」を感じた映画でした。
タクシードライバーと酷似
とにかく帰りが怖くて、何故か無性に肉を腹一杯食いたくなって良かったのか悪かったのかを自問自答。
主人公を応援してしまうのはやはり自分の中にもジョーカーが居るということ。
タバコがあんなに出てくる映画は最近では稀
ゴッドファーザーの後味に似てる
誰にもわかってもらえない悲しみが暴力という形で溢れ出す…と言うのはありきたり。
人殺しですっきりする感じ。わずかながら理解できる自分がいる。
優しくしてくれるソフィー。
でもそれは妄想だったということが最後の方で解ったときのショック。
これはあくまでもゴッサムシティでのお話。現実とは別。…果たしてそうかな?
人を殺してヒーローになった人、今まで何人もいるよ。
時代劇の水戸黄門が好きな人にはお勧めしません。
狂気のJOKER誕生!
アーサーフレックが、狂気のJOKERになるまでを描いています。母との関係・出生の秘密・ウェイン家との関係?などを踏まえ、アホキンが狂気のアーサーフレック=JOKERの内面まで演じていて、観ていて凄く感情に訴えてきます。観ていて恐怖が!!
後に、バットマンになるブルースウェイン少年が父・母を亡くすところも描かれ、凄く鑑賞して良かったとおもいました。
DCカリスマヴィラン単独作品
元々のアメコミ上でも、さらに今までの映画作品においても、出生から狂気に至るまでが不明確だった(その不気味さが良かったが)ジョーカー故に、オリジナル解釈での今回の単独作品は凄く楽しみであった。観た結論で言うと、映画としてもDCファンとしてもほぼ納得の出来であった。
ただ、ファンタスティック映画賞ならまだしも、映画の質という点でヴェネチアの賞獲りはやり過ぎ。ましてアカデミー作品賞はあり得ない。万が一獲ったなら、昨今のマーベル作品のような盛り上がりをと、DCが裏で動いたとしか思えないw
ただ、ホアキンの主演男優賞やデニーロの助演男優賞はもしかしたら、である。それほどまでに素晴らしかった。ホアキンの絶望と狂気に満ちた凄み、あの病的な笑い声(本当に病気設定だったが)はいつまでも頭から離れない。デニーロの抑えながらも瞬時に表情を変える様は、観ていてハラハラした。
ストーリー展開は、ある程度想像してた感じを淡々と進みながらも、小出しのビックリと見慣れた程度の殺害シーンで、特に大きな波は無いが、随所に出るあの笑い声とミュージック&ダンスで、映画というよりアメコミを読んでる感じだった。悪くは無い。
宿敵バッツの父親が序盤から出てきて中盤での絡み。まさかここでジョーカーとの驚愕の間接的関わりがあったとは。しかもバッツ幼少時との運命的な出会いも。さらに、クライマックスでの超有名なバッツ家の悲劇も、ジョーカーの狂行がキッカケとは。いやはや、ここまでバッツ関係を詰め込むのかと、思わずニンマリしてしまった。
評価3.5でも良いかと思うが、老若男女問わず魅せるマーベル系とは違って、相変わらず観る者を選び(時には無知識者を置いてけぼり)少し屈折した人間像ドラマが多いDC作品を好きな私、さらに今回、バッツ絡みを入れ込んだ所に、(まあこの 直接の続編は無いだろうが)今後のバッツとの因縁争いを妄想、期待した上で、4点としときます。
よくわからなかった
・予備知識がダークナイトのみだったせいか、あまり入り込めなかった。
・アーサーの環境とコメディアンとして成功したいけど、うまくいかない感じがずっと続いて苦しかった。
・最終的にジョーカーになるっていうのを念頭に観ていたこともあってか、凄い転換点を期待したのと破滅的になると思ってたらかなり普通の人間らしい堕ちかたをしていて驚いた。
・所々、妄想と現実が入り乱れた事とアーサーが特殊な体質のためか、感情移入できずどういう意味だろう?とわからなくなるシーンが多々あった。隣人の女性との妄想はどこからで、母親は結局、精神を病んでたのかカルテは完全に偽造されたものだったのか、父親はトーマスなのか違うのか…。
・ホアキンの演技は凄く良かった。あれほど複雑なキャラクターを本当に存在してると感じさせられたから。終始、暗くてどうしたら良いのかとか、怪物ジョーカーを人間味ある存在にして。
やはり傑作
2を鑑賞した上で再度鑑賞。
やはり傑作ですね。
悪のカリスマ…いや、弱者のカリスマ誕生譚としてはこれ以上のものは無いのではないでしょうか。
皆少なからず持っている鬱憤の結晶を具現化したような偶像なのでファンが付いてしまう理由もよくわかります。
右手はアーサー、左手はジョーカーというのを最近見ましたが本当にそうなっていて驚きました。
こんな仕掛けまであったんですね。
いやー、おもしろかった。
史上最狂の鳥肌モノ映画──
人生最大の衝撃を受けた映画です。
初めて観た日は、ホントに一睡も出来なかった程でした。
理不尽で生きづらいダークな世界観、最低な社会に狂わされていく主人公、暗く沈み込む音楽など、どこを取っても僕の好みにド直球でした。
好きなシーンはありすぎるのですが、一つ選ぶとすればクライマックスシーンです。
社会の〝悪〟になることで多くの人々と共感し合えた衝撃のシーンですが、ここで僕は涙が止まりませんでした。
直前、クリームの"White Room"が流れる中、警官に連行されるアーサーが、街を荒らされていく様子を見て笑うシーンもヤバかったです。
長年募らせてきた怒り、孤独感、憎しみなどが一気に解き放たれて社会を荒らす。
本当はそんなことしたいわけないのに、そういう風になってしまったのはマジで悲しすぎます……。
あとはラストシーンの精神病院で流れる、フランク・シナトラの"That's Life"の歌詞。
特に、
♪これが人生♪
♪ご覧通り笑えるものなのさ♪
♪他人の夢を踏みつけてくる人いるけど♪
♪僕はそんなじゃくじけない、落ち込んだりしない♪
♪なぜならこの世界は、常に回り続けるのだから♪
のところが大好きです。
他人に笑われるのを気にしない。
それは現実でやろうと思うと、僕にとってはすごく怖いことです。
いくら下から謙虚にいったって、笑ってくる人はいるものです。
でも、それを耐えることができれば、人生少しは楽になる部分があると思います。
……長文になりましたが、僕の感想は以上です。というか最後は感想というより僕の話になってしまいましたけど笑。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
物凄い話題作だったけど…
見終わった感想として、それほど印象的でもなかったかな~。
ジョーカーの大ファンが見るとまた違うのかも。あとスーパーマンのストーリーを知らないといまいち、ジョーカーの悪役としての魅力がわからないというのもあるでしょうね。
閉塞感に包まれた男が、殺人をして、解放されていく話。
最後には、カリスマ性を身に付け、悪の帝王の誕生、みたいな流れでしょうか。
あまり印象に残らないのは、どんでん返しが特にないからですかね(笑)。
あなたはこれを観た後、何に感謝、敬意を持ちますか?
今の医学ではわかっていませんが、全て「孤独」のせいです。無条件で逃げましょう。閉塞感から解放されましょう。戒めはそれから持てばいいのです。寛解がインスタント過ぎて情報にならないんでしょう。
それができりゃとっくにやってる、笑え。
助け合いを諦めた赤ん坊さんへ
とにかく泣いてください、助けを発信し続けるしかありません。思いやりと同情の違いを知ってください。どんなに他人事をぶつけられてもただそうするだけ。恐れはいらなくなります。
音楽を楽しむ映画
ジョーカーの狂った感じが音楽に出てて、すごく良い。ポップさがよりやばさを増長させてる。
悲しいお話。精神病では狂っていく感じはリアルさもあって悲しい。
街ごとジョーカー祭りみたいになるのはよくわからん。
ストーリー 82点
配役 89点
音楽・映像 94点
全体 86点
ジョーカーへの冒涜
ジョーカー本人ではなく、ジョーカーに憧れた哀れな一人の男の物語であったなら最高の映画だったかな。
実際そう思って見ていれば星5で文句ないくらい映像、演技、脚本全てにおいてよく出来た作品だと思う。
しかし、これはあくまでジョーカーらしい。
そうなると評価は一転、原作レイプも甚だしい。
まあ一般的にアメコミ関連の映画は作品ごとにキャラクターの設定が変わったり、時代に合わせて再解釈されたりするのがもはや文化と言える程よくある事ではあるけれど、この作品でのそれはそんなレベルではない。
何故なら、このキャラクターはもはやジョーカーではない。
ジョーカーといえば歪み切ったユーモアを持つサイコパスであり、邪悪でイカれた異常者ではあるものの、あくまでも"いつだって正気である"という所にそのアイデンティティがあると僕は考えている。
だからこそ信念を持ってバットマンへ立ちはだかるし、絶対的なカリスマなのだと。
それが今作では単なる精神病患者として描かれている。
しかも同情の余地があり、更生の余地もあり、誰もがジョーカーになりうるかの様に描かれている。
なんだそれは!
ジョーカーというキャラクターへの冒涜だ。
化学薬品の溶液に落ちてジョーカーになった、という基本のオリジンにプラスアルファの物語でも充分だったのではないか。
もっと良い描き方があったはす...と思わざるを得ない。
笑いと狂気
ジョーカーと言えば初代ジャックニコルソンのジョーカーは狂人、ダークナイトのヒース・レジャーは人の心の闇に囁きかける悪魔になった、そして本作のホアキン・フェニックス扮するジョーカーはいじめの被害者がブチ切れるという実に人間臭い犯罪者を演じている。
稀代の犯罪者ジョーカーがいかにして生まれたかの興味で製作・脚本・監督のトッド・フィリップスがプロファイリングしたのでしょう。
不幸な出生、幼児虐待、成人してからも不遇の生活、心無い市井の人々の冷淡さ等々ならべて同情的ですが人殺しの理由にはなりえないことは自明でしょう。
車中で女性に絡む若者を撃つあたりまでは分かりますが母親殺しや訪ねてきた友人、唯一の彼の芸の理解者デニーロまで撃つのは説明が付きません。
監督も無理筋と思ったのか精神を病んで治療中の描写を入れてぼかしていましたね。
デニーロさんも「キングオブコメディ」で狂ったコメディアンを演じていたので出演を快諾したのでしょう。笑いと狂気は異質であるが故に合体すると当惑、不安を誘いますね。
個人的にはダークナイトのジョーカーがフェリーの乗客に仕掛けた究極の選択が一番ショッキングでした、そこまで人の弱みに付け込む悪魔のようなジョーカーの生い立ちの秘密に迫るのかと期待しましたが月並みなプロファイリングでは繋がりません。ただ本作の顛末だとバットマンとジョーカーは異母兄弟という奇妙な因縁になりますね、ダニエル・クレイグ007スペクターでも歪んだ兄弟愛でしたし、カインとアベルのような原罪意識が西洋人にはあるのでしょうかね。
京王線で電車テロがあり犯人はジョーカー気取りと報道された、青系の服装から見ると本作は赤系統のスーツなので模したのは初代ジョーカーのようだが仕事や人間関係に失敗しての自暴自棄、世間への逆恨みが動機のようで本作のジョーカーの境遇と被っていたたまれない気持ちにさせられた。
映画が悪いわけではないのだがジェームズ・キャグニーの大昔の映画「汚れた顔の天使」を思い出した、ギャングの大物が電気椅子に括られるとわざと臆病に振舞って泣き叫ぶ、それは少年たちのギャングへの憧れを断ち切ろうとする神父の願いを聞き入れての大芝居だった。
子供たちに人気のコミックであればこそ製作陣の良心もまた問われることは肝に銘じておかずばなりますまい・・。
衝撃の名作
年に数本、衝撃を受ける映画に出逢う。
ジョーカーはその最たるものと言って良い。
"衝撃"だ。
退屈な映画が数多ある中でこの作品は凄まじいインパクトを残してくれた。
トリガーを引かれるが最後、みるみる悪に犯されていく一人の男の人生。共感したくないが、この時代に生きている人間として共感できる箇所が多くある。人は誰しもジョーカーになり得るということ。
全体的に救いのない映画だが、終盤は気づけばアーサーを応援していた。こうしてジョーカーが量産されていく。
感想と考察
アーサーの病気(後に虐待による後遺症と判明)である発作的な笑いは、人々との断絶を生んだ。彼が唯一目の前で発作を起こす描写のなかった彼の母親こそ彼の居場所であるように思われるが、実は彼女こそが彼を本当の意味で孤独にさせていた張本人である。彼女はアーサーをハッピーと呼び、「あなたの幸せな笑顔が人々を楽しませる」と言うが、彼の人生に幸せだったことなどなく、彼の笑いは周囲を気味悪がせているだけだった。彼女の望んだ「ハッピー」を演じ続けるためには、彼は蓄積された苦しみと怒りを7種類もの精神薬を使って抑圧し続けなければいけなかった。母親が愛していたのは、アーサーではなく「ハッピー」であった。つまり彼は本当のところ、家の外にも内にも、カウンセラーも含めて理解者などおらず、誰も彼をありのままに受け入れてくれるどころか、認識してくれる人すらいなかった。だから彼は、「僕は人生で自分がずっと存在しているのかわかっていない。」と言ったのだ。そのような現実に耐えられなくなった彼は、同じ階に住むエレベーターで相乗りしたシングルマザー(ソフィー)を、自分を愛して受け入れてくれる幻覚として見るようになる。
仲間の策略も加わり、派遣先で銃を落として職場をクビになった彼は、電車で絡まれた3人のエリートサラリーマンを撃ち殺してしまう。今までであれば子供から痣だらけになるまで蹴られても反撃しなかった彼が、銃を撃ったのはなぜだろうか。
その少し前に彼は劇場でコメディアンになるための勉強をしている。周囲と笑いのタイミングがズレていることに気づき、笑うタイミングを修正するシーンがあった。家に帰りメモのまとめやネタの創作をしながら、「精神病を患うことで最悪なのは、普通であるように振る舞うことを周囲が期待していることだ。」と書いている。自分の笑いの発作を理由に3人から暴行を受けたのは、その現実が改めて突きつけらた形だ。
加えて、自宅で誤って(?)銃を撃ったことでその威力を目の当たりにしたこと、幻覚を必要とするまでに精神に限界がきていたこと、母親に「お金のことは心配ない」と言った直後に、最悪の就職難の状況で職場をクビになったこと。そして3人が自分とは対局の立場にいるエリートサラリーマンであることも要因だっただろうか。
殺害後に駅から逃走し、彼は駆け込んだトイレで即座に落ち着きを取り戻し、舞を踊る。抑圧された怒りと苦しみを、初めて他者に暴力として開放したことで、湧き出る感情を抑えきれずに芸術として表現したのだった。
自分を抑圧する原因となった母親に吹き込まれた虚構の崩壊と悲しい真実、そして息子の代わりに愛されることまで夢見ていた、目標であり敬愛するマーレからの否定、幻覚の発覚。さらに警察の捜査も迫り、これまでの自己を破壊するような出来事の連続に対応するように、いわば生まれ変わった自分を認め、助けてくれる、街中で増加するピエロのマスク。ジョーカーを生み出すには十分な環境が揃っていた。
殺人者からヒーローへ、抑圧から開放へ、排除から受容へ、悲劇から喜劇へ、この映画は様々な価値が一人の人間の体験によってリアルに転換されていく。
この映画が人々の心を打つのは、私達が社会から受容される為に一定の人格を期待され、感情を押し殺し、自分を理解されず、自分であることを許されない、ということを二極化した経済格差の中で日々否応なく体験しているからではないだろうか。そしてその抑圧された苦しみと怒りの開放が、燃え盛るゴッサムの中、悪のかたちで肯定されるのだ。過度な残酷さや性表現もないのに、年齢制限がつけられる理由である。
今回の感想では、あえてラストシーンの考察は含めなかった。それが正しければ映画を丸ごと動かす大きな装置であるが、そうであるが故に、物語の重要性を低下させてしまうように思えたからだ。
ただのホラー映画ではない。
バットマンもダークナイトも、何も知らずに観ました。
殺人シーンは勿論怖くて、特にランドルをハサミで殺すシーンはビクッとなりました。映画館で観てたらめちゃくちゃ怖かったと思います。
でも、殺人をおかす度にアーサーがジョーカーになっていき、スッキリしたほどです。
また、ホアキンの演技がすごい。予告もカッコイイ。
最後の「理解できないさ」がすっごくカッコイイ…!
グロ要素はありますが、ただのホラー映画ではないです。
観ることをオススメします。
映画館なら...
ジョーカーというキャラクターが好きです。ジャック・ニコルソンもヒース・レジャーも。
ホアキン・フェニックスがこれに挑むと知ったとき、アカデミーは確実だと思いました。結果、非常に素晴らしい演技でした。ヒース・レジャーに引っ張られたこの10数年の悪役集大成みたいな、素晴らしいキャラクター。
恐らく、映画館で観ていたら完全にあてられていたでしょう。
ただ家でBDで落ち着いて観て、一つの作品として観ると、完成度としてはダークナイトに及ばないというのが正直なところ。
最終的にジョーカーは、自身がジョーカーになりたくて成ったわけではなく、社会が彼を祭り上げたような印象があります。
個人的にはジョーカーはナニモノにも縛られず、自由でいてほしいと思うわけです。その自由さこそがこのキャラクターの面白さで、魅力だと感じています。
映画の内外問わず、社会が彼を欲した、という現状が最も異常な気がします。
どこか共感できない何かを持たせて欲しかった。理解できない怖さが欲しかった。
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